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大河ドラマ 青天を衝け 第33回「論語と算盤」を見た感想とネタバレあらすじ

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NHKで放送中の吉沢亮さん主演の大河ドラマ『青天を衝け』。10月31日に第33回が放送されました。www.nhk.or.jp

前回、第32回の感想はこちら。↓

 

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おもな登場人物

  • 渋沢栄一:吉沢亮さん…渋沢家中の家(なかんち)の長男。剛情に自分の意思を通す強さがある。よくしゃべる。成長して商売の面白さを知り意欲的に働く一方で、百姓が武家に虐げられる社会の仕組みに疑問を持ち、世の中を変えたいと考えだす。長七郎から聞く江戸の話を聞いているうち、尊王攘夷の考えに目覚め、喜作も江戸に行った時かされたところで自分も江戸に行きたいと父に願い出て、江戸に出る。江戸で出会った志士たちに影響を受け、攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために喜作と旅立ち、以前知り合った一橋家家臣の平岡のおかげで無事京に入り長七郎に文を送って呼び寄せる。が、長七郎が上京途中で殺人事件を起こして捕らわれ、幕府に攘夷の思いを書いた文が幕府に渡ってしまう。栄一と喜作が上京の際に、平岡の家臣として上京したため幕府から一橋に問い合わせが来て、平岡から改めて一橋に仕官するかどうか?の決断を迫られる。長七郎を助ける手立てが見つかるかもしれないと思い、一橋家の仕官することになった。成一郎と関東へ出張し一橋の兵を集めて来る間に恩人の平岡が水戸浪士に殺害される。同じ頃筑波山で挙兵した水戸天狗党が上洛するという知らせを聞き、征討する慶喜に集めた兵と一緒に随行。成一郎が慶喜の密書を武田耕雲斎に届けたことで天狗党は降伏。征討せずに済む。攘夷運動の終わりを見た成一郎が武士として一橋と慶喜を守ると決断したのとは別に、篤太夫は自分の長所を生かして一橋家の勘定を任せてほしいと慶喜に提言し、受け入れられた。一橋家での自分の進む道が見えはじめた時、将軍家茂が逝去。慶喜が徳川宗家を継ぐことになり、篤太夫は成一郎、伝蔵と共に幕臣となり自暴自棄となる。が、パリ万博へ行くことになった慶喜の弟・昭武に随行することになった。パリでヨーロッパの最新技術に触れ篤太夫は嫌いだった異国から多くを学ぼうとする。大政奉還も2か月遅れて知らせが来て、日本の状況が分からないまま昭武に留学を続けてもらえるかどうか不安を感じながら過ごしていたが、水戸藩主・慶篤の急逝により昭武に水戸藩主の相続の命が下り帰国命令が出たことで帰国することになった。帰国後、見立て養子にしていた平九郎が関東の戦いで命落としたと聞かされ苦悩。旅の雑事を終えたのち故郷血洗島に帰る。次に洋行の報告と昭武の直書を持って駿府で謹慎中の慶喜に会いに行き、そのまま駿河の勘定組頭として出仕。武士と商人が協力して働く商法會所を設立し軌道に乗せる。その後、新政府から大蔵省への仕官の話が来て最初は断るつもりだったが大隈の話に心を打たれ新政府入り。改正掛で次々と新しい制度作りを進めるが大久保利通ににらまれたのち、改正掛を潰された。国立銀行設立の際の商人たちと話しているうちに、三井の番頭・三野村に「徳川の世と同じ。」と言われたことで官より民と感じ、大蔵省を辞める決意をした。民の一人として第一国立銀行設立に動き、総監役に就任。小競り合いを続ける三井と小野組、外国人の間に立ち取り持つ役割を果たす。しかし小野組が政府に官金貸し付けの担保を求められたことから、小野組に大口貸付をしていた第一国立銀行が巻き込み破産の危機に瀕する。

渋沢家・中の家

  • 渋沢市郎右衛門:小林薫さん…栄一の父。中の家を立て直すために婿養子に入る。勤勉家で一日中働いている。栄一が幕府批判し出したことを何度も叱る。栄一が家を出る時に認めてくれた。栄一が朝臣となったことを喜び、息子を誇りに思い亡くなる。
  • 渋沢ゑい:和久井映見さん…栄一の母。「みんなが嬉しいのが一番」と栄一に教えた。栄一の邸で亡くなる。
  • 渋沢てい:藤野涼子さん…栄一の年の離れた妹。お兄ちゃん子。平九郎と結婚の約束をしていた。平九郎の死後婿を取り中の家を継いだ。
  • 吉岡なか:村川絵梨さん…栄一の姉。はっきりとした物言いをする。同じ村の人に嫁ぐ。

渋沢家・新屋敷

  • 渋沢よし:成海璃子さん…けんかの仲裁をした喜作に一目惚れし、自ら結婚を申し出る。結婚後は喜作を尻に敷き、栄一と喜作が上京してからは千代を支え夫の留守を守る。

渋沢家:東の家

  • 渋沢宗助:平泉成さん…栄一の伯父。東の家の当主。血洗島村の名主として市郎右衛門と共に村をまとめる。
  • 渋沢まさ:朝加真由美さん…栄一の伯母。一言多いが根はいい人。

尾高家

  • 尾高惇忠(新五郎):田辺誠一さん…栄一の従兄。尾高家の長男。従弟である栄一たちに剣術などを教える。水戸の斉昭の尊王攘夷の考えに傾倒。各地から来る若者らを受け入れて尊王攘夷の考えを広めている。老中安藤を討つ計画に走ろうとしていた弟・長七郎を引き留め、自分の計画に参加するよう説得した。その後、逆に長七郎に自分の計画を命がけで止められる。上京の途中で殺人事件を起こした長七郎を救おうと動いてる。水戸の騒乱に関わりがあると疑われ、岡谷の陣屋に捕らえられる。村の人たちの訴えのおかげで放免された。篤太夫と成一郎が一橋家家臣から幕臣となったことに理解を示し、篤太夫がパリに行くための見立て養子として弟・平九郎を立てたいと申し出てきたことを受け入れた。鳥羽伏見に始まった幕末の戦いを見て、自身も江戸に出て戦に加わり関東の戦いで成一郎となんとか逃げ延び、成一郎が東北に行くのについて行かず故郷に戻る。弟たちの死で新政府を恨んでいた。栄一が「俺の手でこの国を救えるならなんだってやる。」という言葉に自分も新政府で働くことを決意。富岡製糸場の設立に尽力。フランス人講師・ブリュナとの話や地元住民との調整などをし、娘の勇に工女になってもらうことで多くの工女を集めることが出来た。工女たちには学問を教え、女性の社会進出の場を作った。
  • 尾高やへ:手塚理美さん…栄一の伯母。惇忠、長七郎、千代、平九郎を育てた母。
  • 尾高きせ:手塚真生さん…惇忠の妻。
  • 尾高勇:畑芽育さん…惇忠の娘。 

 

水戸

  • 吉子(登美宮):原日出子さん…水戸藩の元藩主・斉昭の妻で慶喜の母。公家出身。
  • 徳川昭武(民部公子):板垣李光人さん…斉昭の十一男。慶喜の異母弟。清水家の養子となり徳川昭武となる。将軍となった慶喜の代わりにパリ万博へ行き、随行する栄一と特別な絆を結ぶことになる。明治になると慶篤の急逝で水戸藩主になる。

静岡

  • 徳川慶喜:草彅剛さん…水戸藩藩主・徳川斉昭の七男で徳川幕府最後の将軍となる。父・斉昭の期待を一身に受け、厳しい教育を施される。一橋家当主の後継が亡くなったことで、老中阿部正弘の推薦で一橋家に養子に入る。刑部卿となった自分を政界に復帰した父・斉昭が頼ってくるが将軍になる望みはないと言い切るが、いざ家茂が将軍となると寂しさを感じる。井伊直弼から隠居を言い渡され邸内の一室に籠る。謹慎中に父斉昭が亡くなり、親不孝をしたと泣いた。井伊大老が亡くなったことで政界復帰。将軍後見職に就き京に入ったが、攘夷ばかり口にする公家や天皇をどう説得すればよい分からない。自分を政界復帰に推してくれた島津久光とは合わない。栄一と出会ったことで徳川を守ると覚悟を決め、薩摩の政治介入を阻止しようと、中川宮の前で久光、春嶽、伊達を「天下の大愚物」と言って朝議参与を解散させてしまう。その後禁裏御守衛総督となる。家茂逝去で徳川宗家を継ぎ、家茂に代わり長州征伐をしたが敗戦の色が濃くなると退却。孝明天皇の強い願いに応え、征夷大将軍となる。パリ万博に派遣する弟の昭武の一行に篤太夫(栄一)を加えた。大政奉還をして朝廷に政権を返上。朝敵のみなされ大坂城を出て江戸に戻り上野の寛永寺で謹慎。のち水戸から駿府へ移る。静岡で趣味に生きることになる。
  • 猪飼勝三郎:遠山俊也さん…慶喜の家臣。
  • 川村恵十郎:波岡一喜さん…一橋家の家臣ののち幕臣となり、明治以降は駿府へ。
  • 大久保一翁:木場勝己さん…駿府藩中老。
  • 向山一履:岡森諦さん…外国奉行。パリ使節団の全権大使。借款交渉の失敗で帰国。維新後は駿府へ。
  • 田辺太一:山中聡さん…パリへの派遣使節に随行。維新後、静岡に身を寄せたのち新政府に入り岩倉使節団にも随行し補佐することになる。
  • 平岡準:大竹直さん…駿府藩士。
  • 萩原四郎兵衛:田中要次さん…駿府の茶問屋。
  • 徳川美賀子:川栄李奈さん…慶喜の正室。慶喜が謹慎が解かれたのち静岡に移り、側室と共に同居することになる。
  • 須磨:安部智凛さん…美賀子の侍女。

 

 

新政府

  • 岩倉具視:山内圭哉さん…公武合体のメリットを孝明天皇に説く。政争に負け浪人生活。政界に復帰したのちは薩摩の人たちと王権復古を遂げ、そのまま新政府に入る。
  • 三条実美:金井勇太さん…攘夷志士たちに押され、幕府に攘夷せよと言う。明治以降は新政府に入る。
  • 明治天皇(睦仁親王):犬飼直紀さん
  • 井上聞多(馨):福士誠治さん…尊王攘夷派の長州藩士だったが、伊藤俊輔らとロンドンに渡り開国派に。維新後は大蔵省に入り、栄一はその右腕となる。
  • 伊藤俊輔(博文):山崎育三郎さん長州藩士。のち初代首相となる。
  • 西郷吉之助(隆盛):博多華丸さん…薩摩藩士。公武合体実現のため、流罪を赦免されて藩政復帰。一橋
  • 家の命で大坂に来ていた栄一と出会う。策を巡らせ倒幕へと突き進む。
  • 大久保一蔵(利通):石丸幹二さん…久光の側近として公武合体のために上京。腹の内が読めない慶喜を警戒。明治の新政府では大蔵卿となり、部下となる栄一と意見が対立する。
  • 大隈重信:大倉孝二さん…佐賀藩士族。明治2年新政府で大蔵省の実質トップに就任。栄一を新政府に誘う。
  • 大隈綾子:朝倉あきさん…大隈重信の妻。
  • 杉浦愛蔵(譲):志尊淳さん…外国奉行支配調役。徳川昭武のパリ派遣随行員の一人。栄一と親交を深めて維新後は静岡に行き、のちに栄一が明治政府で栄一が立ち上げた民部省改正掛の一員となる。
  • 前島来輔(密):三浦誠己さん…遠州中泉奉行。元幕臣たちの働き口や住まいを与えようと奔走。栄一の要請で新政府に入り近代的な郵便制度を確立。日本郵政の父となる。
  • 赤松則良:上村海成さん…元幕臣。造船の父となる。
  • 玉乃世履:高木渉さん…岩国藩出身。改正掛で旧幕臣の栄一に反発していた。のち司法官となる。
  • 江藤新平:増田修一朗さん…元佐賀藩士。司法卿。
  • 渋沢千代:橋本愛さん…栄一の従妹で惇忠、長七郎の妹。栄一の妻。口数少なく控えめだが芯は強い。
  • 渋沢うた:山崎千聖さん…栄一の長女。
  • 渋沢こと:吉川さくらさん…栄一の二女
  • 大内くに:仁村紗和さん…栄一が大阪出張で出会った女性。栄一の子を出産することになる。
  • 須永伝蔵:萩原護さん…中の家の作男で、栄一らと共に勉学や武芸を学ぶ仲。のちに一橋家の家臣となった栄一と喜作に呼ばれ、一橋家家臣となる。慶喜が徳川宗家を継ぐのに伴って幕臣となった。関東の戦いに従軍したのち箱館には行かず江戸に留まりフランス帰りの栄一を迎えた。以来栄一と行動を共にする。
  • 渋沢喜作:高良健吾さん…栄一の2歳年上の従兄で幼馴染。渋沢一族「新屋敷」の長男。千代との結婚を望んでいたが、千代と栄一が思い合ってると知り身を引き、自分はよしと結婚。江戸に出て尊王攘夷の考えに触れ攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために栄一と京へ旅立つ。栄一共に一橋家に仕官する。上洛しようとする水戸天狗党に慶喜の密書を届けに越前に行った時に、天狗党の軍が疲弊しているのを目の当たりして攘夷運動の成れの果てを見たとショックを受け、これからは一橋と慶喜を守るために生きると決断する。朝敵とされた慶喜の汚名を雪ぐため戦うことに。京から大坂、江戸武蔵、箱館へと転戦。箱館の戦で土方に生きろと背中を押され逃げ延び、2年半投獄されていた。名前を「喜作」に戻し栄一の推薦で新政府に入った後イギリスで製糸を学ぶ。帰国後政府を辞め横浜で商いを始める。

 

商人

  • 五代才助(友厚):ディーン・フジオカさん…薩摩藩士。長崎遊学の経験から世界情勢に精通。貿易による富国強兵を唱えてイギリスに留学中、フランス万博の情報をいち早く得て薩摩藩として参加を実現。幕府の威信を落とす。この時幕府側として参加していた栄一とは、のちに「西の五代、東の渋沢」と呼ばれる実業家となる。
  • 三野村利左衛門:イッセー尾形さん…三井の番頭。
  • 岩崎弥太郎:中村芝翫さん…土佐出身。三菱商会を創業。

 

第33回のあらすじ

言うことを聞かない三井、小野組に政府は貸付金の担保を出せと請求。

栄一は、維新の貢献者に対する三井と小野への仕打ちについて大隈(大倉孝二さん)を責めたが「大蔵省としては、今んうちに担保ば押さえておくことは道理たい。」とはねつけられてしまった。

担保が出せない小野組に助けを求められた栄一だったが、第一国立銀行としても巻き込まれ破産をしてしまうため助けられず。

逆に小野組に貸し付けていたお金を政府より先に返すよう求め、小野組を犠牲にして危機を乗り越えた。

 

そんな矢先、今度は三井の三野村(イッセー尾形さん)が栄一が考える合本ではなく三井だけの銀行にしようとし乗っ取りを画策。

栄一は三野村の横暴に反発。大蔵省に西洋式の監査をしてもらい、第一国立銀行をどうするか判断を仰いだ。

大隈は、無担保で多くの貸し付けをして多額の負債を出してしまったこれまでの経営を批判しつつも、栄一の努力で負債額を減らしたことを評価。

大口貸付が三井に偏っているのは合本銀行として不健全であることも指摘し、三井から特権を剥奪。栄一の総監役を廃し頭取にし、銀行の立て直しを指示した。

 

三菱の岩崎弥太郎(中村芝翫さん)は、生意気な豪商らを潰すための筋書き通りでは?と大隈に言い、政府に必要な銀行は残した大隈の見事な采配を笑った。

三菱は大隈のおかげで台湾出兵に船を出したことで、三井の郵便蒸気船会社をしのぐ利益を得ており、大隈に感謝していた。

 

一方。大阪の五代の邸を訪ねていた大久保(石丸幹二さん)。五代は小野の倒産時にも利益を得ていた。

「彼を攻めるには我を顧みよ。攻める時はまず己の弱みを顧みるべし。」と大久保に指摘する五代。

顧みたくないと大久保。大久保に人望がないのは人に弱みを見せないからだと言う五代。ヒゲで優しい顔を隠してる。と笑い、大久保は「明治の男たるもの髭面であるべし。」とツルツルの五代のアゴにも髭を生やせと言って笑い合った。

「一蔵さぁの目指す日本を作るには、もっと多くの味方が必要じゃ。」と言う五代の言葉を「おはんにはかなわん。」と受け止めた大久保だった。

 

仕事が少し落ち着き、栄一は静岡の慶喜(草彅剛さん)を訪ねた。

徳川宗家は東京に移ったが、慶喜はまだ遺恨があるからと勝海舟が進言。慶喜は静岡に留まっていた。

断髪洋装をし猟銃を持った慶喜と慶喜の妻・美賀子(川栄李奈さん)が栄一を迎え、美賀子は子供をかわいがっていた。

栄一は、天皇皇后と対面した時のことを報告。天体観測した時のことを語り、慶喜を喜ばせた。

しかし話が三条(金井勇太さん)や大久保のことなど政治のことに及ぶと、途端に話を聞かなくなる慶喜の様子を察した栄一。

自分に男の子が生まれたと話を変え、和ませた。

 

次に美賀子と話をした栄一。

美賀子は、昨年に平岡の妻・やす(木村佳乃さん)が慶喜との対面を求めやってきたことのことを話した。

やすは、東京が親のない子や仕事のない者たちであふれかえり混乱している現状が全て慶喜が戦を放棄して逃げたからだと訴え「こんな世にする為にみんな死んでいったのか?」と、何事もなかったかのように隠居暮らしする慶喜に対して恨み言をぶつけてきたのだという。

美賀子は、御一新で没落した者が恨みをぶつける相手は慶喜しかいないと受け止めており、慶喜が今でも刀や銃を寝所に置き、今でもよく眠れない様子だと教えてくれた。

美賀子は、慶喜に「英明な将軍であらねばならなかった時より今の方が幸せと思っていただきたい。」と思っていた。

 

美賀子から話を聞いた栄一は、帰宅して『論語』を読み返していた。

パリにいた頃にパリの御婦人方が貧民たちのために寄付を集めていたことを千代に話し、人のために動く母・ゑいを思い出したと言う。そして東京にある貧民や親のいない子たちを集めた養育院を引き受けたいという考えを話した。

 

これまでは一橋や幕府、維新後は政府の守られていたが現在は今や栄一は第一国立銀行の頭取。

金がどんどん引き換えられ、円の価値が下がっていた。その上機械や綿織物の輸入が急激に増え、金貨や銀貨が大量に外国に流れていた。

そこへ横浜でお蚕様の商いをしていた喜作(高良健吾さん)が現れ、横浜の外国商人たちが蚕卵紙を買い入れてくれないと訴えてきた。

喜作は外国商人たちが口裏を合わせ蚕卵紙を買い控え、値崩れを狙っているのでは?と推測。

政府でも伊藤博文(山崎育三郎さん)、大隈、大久保が、横浜で蚕卵紙の商いをする人たちが次々と身投げしている現状を話し合っていた。

輸入超過に加えて、蚕卵紙の輸出もなし。政府が動くと通商条約を盾に外国からケチをつけられる。あくまで民で解決しなければならない問題だった。

栄一に頭を下げたくない大隈に代わって、大久保が栄一を呼び出し協力を求めた。

経済のことは分からない。国を助けると思って味方になってくれと頼む大久保に、栄一は政府にストックしていた蚕卵紙に使う紙の売上金の蓄えを使う許可を取り、横浜の商人たちと話をすると引き受けた。

 

横浜の渋沢商会に喜作や惇忠ら商人たちを集め、蚕卵紙を全て内密に政府から出してもらったお金で買い集めると話し、表向きはあくまで民の力のみで解決したいと言った。

買い取った蚕卵紙は全て燃やし、買い控えている外国人が根を上げて向こうから買うと言うまで燃やし続けると言った。

買い控えを逆手に取り、売り控えるのだ。

そしてそのことを新聞で報道し世間に広く知らせる。という策に、現在東京日日新聞主筆となっていた福地源一郎(犬飼貴丈さん)が難色を示す。

が、そこに一緒にパリに行った元外国奉行で現在は郵便報知新聞主筆となっていた栗本鋤雲(池内万作さん)が現れ「世論を動かしてこそのニュースペイパーだ。」「我が郵便報知が掲載する。」と言ってくれた。

栗本は、パリで徳川が新聞の世論を動かす力に泣かされたことを語り、その世論を動かす力が政府をも動かす力ともなることも学んだと語る。

「今度は外国を見返すのだ。」栗本の言葉に歓喜する商人たち。

栗本の登場で福地も火が付き、東京日日でも掲載してくれることになった。

 

喜作が「焼き討ちだい。俺たちの10年越しの横濱焼き討ちだい。」と言い、栄一と惇忠、喜作の3人は高らかに火を蚕卵紙につけた。

亡くなった攘夷志士の真田や長七郎、新政府との戦いで命を落とした平九郎にその炎が届くよう見つめたのだった。

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後日。

三野村が渋沢邸にやって来て、栄一の子供たちと一緒に遊んでくれていた。

子供達はすっかり三野村に懐いていることに驚く栄一。千代の話によると、三野村は元勘定奉行の小栗の奉公人だった頃に才能を見出され、三井との縁が出来たことを恩に感じ、小栗が亡くなった後、小栗の子供を引き取って育てているのだという。

栄一は「まことに人は一面ではねえのう。」と言い、三野村のもう1つの顔に驚かされた。

 

夜。

渋沢邸に五代、喜作、三井物産会社総括・益田孝(安井順平さん)、福地が集まり、皮肉なことに戦で商いが儲かってしまう話をしていた。

栄一はこれまでは一橋や幕府、そして新政府に守られていたが、これからは自分で世界に出て行かねばならないと思うと急にゾッとし、また『論語』を読み始めたのだと話した。

三井は三野村の念願だった私立銀行を設立していた。

お祝いの言葉を述べる栄一に、三野村は「あまりにも金中心の世の中になってきた。」と指摘。「どんな世になりますかね。」と自分が引退したあとの世の中を憂いだ。

 

翌年の明治10年(1877)。

三野村利左衛門は病で亡くなり、鹿児島では西南戦争で西郷(博多華丸さん)が亡くなった。

栄一は戦費4200万円という戦費の新聞報道に「何とバカらしい。」とつぶやいた。

明治10年の税収は4800万円だった。

さらに大久保利通が不平士族に襲われ亡くなったことが知らされ、岩崎弥太郎は呆然となったのだった。

 

…というお話でした。

 

10年越しの横濱焼き討ち

横浜の外国商人が蚕卵紙を買い控えている対策を大久保から任された栄一。

売れ残った蚕卵紙を買い集めて、外国商人たちが自分たちから買うと言うまで燃やす尽くす。とんでもない過激なことするな~~とビックリしました。

喜作の「俺たちの10年越しの横濱焼き討ちだい。」の言葉にはジーンと来ました。

あの時は異人たちを焼き殺すなんて恐ろしい計画を立てるなーと引きましたが、今度は人を殺さないし、何より商売を上手くいかせるための心理的な戦い。

横浜焼き討ちの中止で、真田と違う道に進むことになってしまったし、命を懸けて止めてくれた長七郎も行く場を失って心を病んでしまった。

幕末からずっと引っかかってきた思いが違う形で報われて、惇忠さんも救われたような顔をしてたのが印象的でした。

喜作も惇忠も栄一も攘夷派から幕府側に入ったけれど、若い頃一途に思ってきた思いはくすぶっていたんだな、と感じるシーンでした。

 

私も大学受験に大失敗してますけど、20年以上経った今でもまだ夢に見ます。

戻ってやり直したいとは思わないけれど、こうしていれば…という思いはずっと一生残っていくんだろうなと思ってます。

栄一たちは、若いころ計画していた横浜で同じように外国人たちを見返すために、燃やすという行為を行ったことで救われた。

ちょっと羨ましいなと思いました。

 

人は一面じゃない

第一国立銀行の危機に乗じて乗っ取り計画をしようとした三野村さん。

あくまで三井単独の銀行を作りたいという思いを遂げようとする執念深さに、ゾーっとしました。

が、あとでその三野村さんが亡くなった元勘定奉行・小栗の子供を育てていることが分かりました。

三野村は小栗家の元奉公人。小栗に才能を見出されて三井への縁が出来たって話で、小栗に恩を感じ、亡くなった後お子さんたちを育てていた。

最初は、栄一の家に上がり込んで栄一の奥さんである千代や子供たちを先に攻略して栄一を追い込む策だと思ってました。

けど、実は単純に子供が好きだって気持ちもある人だったのかもしれない。小栗の子供を育ててるって、恩を感じてるだけじゃできませんもんね。

 

かつて栄一のお姉さんのなかが、キツネの迷信で縁談が破談になって落ち込んだ時に千代が言ってた「強く見えるものほど弱きものです。弱きものとて強いところもある。人は一面ではございません。」という言葉を思い出した栄一。

まことに人は一面ではねえのう。」と、ずっと食えない人だと思っていた三野村の意外な一面を見て戸惑っていました。

 

ちなみに、キツネの迷信の時の話の感想はこちら。↓

 

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私も三野村さんの義理堅く、子供好きな一面を見て驚きました。

商売ではあんなに頑なに三井のことばっかり富ませようと頑張る人なのに!!

でもまぁ、それも小栗が10年も前からカンパニーや銀行を作ろうと動いていたのを知っていたから、小栗の代わりに三井の会社と銀行を早く作りたいと動いてただけなのかもしれない。

栄一は合本で銀行を作りたいと一途でしたけど、三野村は三野村で小栗の思いを遂げることに一途に取り組んでいただけ。

そう思うと、食えないおじさんだと思っていた三野村が愛おしく思えました。

 

栗本さんの再登場に歓喜!

パリで幕府が危機の時にやってきた元外国奉行の栗本鋤雲さん。

パリに一緒に行った武士の人たちが栄一と意見がぶつかっているなか、あとから来た栗本さんは、栄一を下に見ることなく割と最初から対等に話していました。

日本での一新を手紙で知り、悔しい気持ちを共有してきた仲間。

明治になってからどうしてるのかこれまで一切描かれていなかったので、久々の栗本さんの登場はとても嬉しかったです。

しかもパリで悔しい思いを共有した仲間同士。

「今度は外国を見返すのだ。」の言葉は、見ててワクワクしました。

 

栗本さんが報道の仕事をするようになったのは、パリで世論に翻弄され幕府が危機に陥ったことから学んで、今度は世論を動かす側に立つためだったんですね!

全然違う職業に就いているように見えて、幕末にしてきたことと明治以降の行動はみんなつながってる。

パリの仲間の現在に胸が熱くなりました。

 

幕末の思いを晴らした第33回

10年越しの横濱焼き討ち、三野村の意外な一面。パリで一緒だった栗本が新聞を作るようになっていたこと。大久保が栄一を頼ってくるなど、これまでの事を総ざらいしていた第33回。

面白かったです。

 

お金中心の世の中を作り出してしまったことで、貧民や困る人がたくさん出てきてしまった。

平岡はこんな世の中を想像していたんでしょうか?

慶喜さんがあのまま政を任されていたら、貧民が出ることはなかったんでしょうか?

小栗が死なずに済んでいたら、カンパニーが早くに出来て外国ともっと対等に商売をしていたんでしょうか?

 

分からないですね~~。

 

前に岩倉具視が「徳川はよくもまぁあんなに長いことやっていたもんです。ってつぶやいてましたが、確かに徳川はこんな主張の激しい武士たちをよくまとめてましたよね。

スゴイなと思いました。

 

以上、『青天を衝け』第33回の感想でした。

 

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本ページの情報は2021年11月時点のものです。 

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