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大河ドラマ 青天を衝け 第40回「栄一、海を越えて」を見た感想とネタバレあらすじ

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NHKで放送中の吉沢亮さん主演の大河ドラマ『青天を衝け』。12月19日に第40回が放送されました。www.nhk.or.jp

前回、第39回の感想はこちら。↓

 

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おもな登場人物

  • 渋沢栄一:吉沢亮さん…渋沢家中の家(なかんち)の長男。剛情に自分の意思を通す強さがある。よくしゃべる。成長して商売の面白さを知り意欲的に働く一方で、百姓が武家に虐げられる社会の仕組みに疑問を持ち、世の中を変えたいと考えだす。長七郎から聞く江戸の話を聞いているうち、尊王攘夷の考えに目覚め、喜作も江戸に行った時かされたところで自分も江戸に行きたいと父に願い出て、江戸に出る。江戸で出会った志士たちに影響を受け、攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために喜作と旅立ち、以前知り合った一橋家家臣の平岡のおかげで無事京に入り長七郎に文を送って呼び寄せる。が、長七郎が上京途中で殺人事件を起こして捕らわれ、幕府に攘夷の思いを書いた文が幕府に渡ってしまう。栄一と喜作が上京の際に、平岡の家臣として上京したため幕府から一橋に問い合わせが来て、平岡から改めて一橋に仕官するかどうか?の決断を迫られる。長七郎を助ける手立てが見つかるかもしれないと思い、一橋家の仕官することになった。成一郎と関東へ出張し一橋の兵を集めて来る間に恩人の平岡が水戸浪士に殺害される。同じ頃筑波山で挙兵した水戸天狗党が上洛するという知らせを聞き、征討する慶喜に集めた兵と一緒に随行。成一郎が慶喜の密書を武田耕雲斎に届けたことで天狗党は降伏。征討せずに済む。攘夷運動の終わりを見た成一郎が武士として一橋と慶喜を守ると決断したのとは別に、篤太夫は自分の長所を生かして一橋家の勘定を任せてほしいと慶喜に提言し、受け入れられた。一橋家での自分の進む道が見えはじめた時、将軍家茂が逝去。慶喜が徳川宗家を継ぐことになり、篤太夫は成一郎、伝蔵と共に幕臣となり自暴自棄となる。が、パリ万博へ行くことになった慶喜の弟・昭武に随行することになった。パリでヨーロッパの最新技術に触れ篤太夫は嫌いだった異国から多くを学ぼうとする。大政奉還も2か月遅れて知らせが来て、日本の状況が分からないまま昭武に留学を続けてもらえるかどうか不安を感じながら過ごしていたが、水戸藩主・慶篤の急逝により昭武に水戸藩主の相続の命が下り帰国命令が出たことで帰国することになった。帰国後、見立て養子にしていた平九郎が関東の戦いで命落としたと聞かされ苦悩。旅の雑事を終えたのち故郷血洗島に帰る。次に洋行の報告と昭武の直書を持って駿府で謹慎中の慶喜に会いに行き、そのまま駿河の勘定組頭として出仕。武士と商人が協力して働く商法會所を設立し軌道に乗せる。その後、新政府から大蔵省への仕官の話が来て最初は断るつもりだったが大隈の話に心を打たれ新政府入り。改正掛で次々と新しい制度作りを進めるが大久保利通ににらまれたのち、改正掛を潰された。国立銀行設立の際の商人たちと話しているうちに、三井の番頭・三野村に「徳川の世と同じ。」と言われたことで官より民と感じ、大蔵省を辞める決意をした。民の一人として第一国立銀行設立に動き、総監役に就任。小競り合いを続ける三井と小野組、外国人の間に立ち取り持つ役割を果たす。しかし小野組が政府に官金貸し付けの担保を求められたことから、小野組に大口貸付をしていた第一国立銀行が巻き込み破産の危機に瀕したが、小野組の犠牲により危機を乗り越えた。大蔵省による西洋式の銀行監査の末、三井への特権が剝奪され栄一が第一国立銀行の頭取に就任。次に外国人商人の蚕卵紙の買い控え問題起こり、大久保に用意してもらった政府のお金で売れ残った蚕卵紙を買い集め外国が逆に買うというまで燃やすという奇策をし、栗本、福地に新聞報道してもらい世論を動かし外国政府をも動かす。また、銀行を作ったことで金中心の世の中となり貧民や職のない者が増えたことに責任を感じた栄一は、養育院を引き受けることにした。三菱の創業者・岩崎弥太郎から手を組まないかと誘われたが、個人か合本かで大激論の末断る。三菱が独占する海運業に対抗するため合本で海運会社を作ることにしたが三菱の妨害にあい頓挫。その後密かに政府の支援を受け新たな会社・共同運輸会社を設立。同じ頃長女のうたを嫁がせた矢先、妻の千代が病に倒れ急死してしまう。兼子と再婚し、東京養育院の慈善会を任せる。日清戦争に勝利し、日本が幕末以来目指していた欧米列強に対抗できる一等国に育っていくなかで、幕末の慶喜の偉業を後世に伝えたい思いに駆られ、福地と共に慶喜の伝記を作りたいと思い立つ。

渋沢家・中の家

  • 渋沢てい:藤野涼子さん…栄一の年の離れた妹。中の家を継いだ。
  • 渋沢市郎:石川竜太郎さん…ていの夫。
  • 吉岡なか:村川絵梨さん…栄一の姉。はっきりとした物言いをする。同じ村の人に嫁ぐ。

 

尾高家

  • 尾高惇忠(新五郎):田辺誠一さん…栄一の従兄。尾高家の長男。従弟である栄一たちに剣術などを教える。水戸の斉昭の尊王攘夷の考えに傾倒。各地から来る若者らを受け入れて尊王攘夷の考えを広めている。老中安藤を討つ計画に走ろうとしていた弟・長七郎を引き留め、自分の計画に参加するよう説得した。その後、逆に長七郎に自分の計画を命がけで止められる。上京の途中で殺人事件を起こした長七郎を救おうと動いてる。水戸の騒乱に関わりがあると疑われ、岡谷の陣屋に捕らえられる。村の人たちの訴えのおかげで放免された。篤太夫と成一郎が一橋家家臣から幕臣となったことに理解を示し、篤太夫がパリに行くための見立て養子として弟・平九郎を立てたいと申し出てきたことを受け入れた。鳥羽伏見に始まった幕末の戦いを見て、自身も江戸に出て戦に加わり関東の戦いで成一郎となんとか逃げ延び、成一郎が東北に行くのについて行かず故郷に戻る。弟たちの死で新政府を恨んでいた。栄一が「俺の手でこの国を救えるならなんだってやる。」という言葉に自分も新政府で働くことを決意。富岡製糸場の設立に尽力。フランス人講師・ブリュナとの話や地元住民との調整などをし、娘の勇に工女になってもらうことで多くの工女を集めることが出来た。工女たちには学問を教え、女性の社会進出の場を作った。
  • 尾高やへ:手塚理美さん…栄一の伯母。惇忠、長七郎、千代、平九郎を育てた母。
  • 尾高きせ:手塚真生さん…惇忠の妻。
  • 尾高勇:畑芽育さん…惇忠の娘。 

 

渋沢の家族

  • 渋沢千代:橋本愛さん…栄一の従妹で惇忠、長七郎の妹。栄一の先妻。コレラにかかり亡くなる。
  • 穂積歌子:小野莉奈さん…栄一の長女。
  • 穂積陳重:田村健太郎さん…元宇和島藩士。歌子の夫。東大法学部講師。
  • 阪谷琴子:池田朱那さん…栄一の二女。
  • 阪谷芳郎:内野謙太さん…琴子の夫。岡山の漢学者阪谷朗廬の息子。大蔵省入省すぐに琴子と結婚。
  • 渋沢文子:八木優希さん…栄一とくにの娘。
  • 渋沢篤二:泉澤祐希さん…栄一の次男で嫡男。
  • 渋沢敦子:藤松祥子さん…華族。篤二の妻。
  • 渋沢敬三:笠松将さん…篤二の息子。
  • 渋沢信雄:…篤二の息子。
  • 渋沢兼子:大島優子さん…家族を養うために芸者となる。栄一の後妻。
  • 高梨孝子:土居志央梨さん…兼子の姪。
  • 渋沢武之助:山口大地さん栄一と兼子の子。
  • 渋沢正雄:竹内寿さん…栄一と兼子の子。
  • 渋沢秀雄:遠藤健慎さん…栄一と兼子の子。
  • 渋沢喜作:高良健吾さん…栄一の2歳年上の従兄で幼馴染。渋沢一族「新屋敷」の長男。千代との結婚を望んでいたが、千代と栄一が思い合ってると知り身を引き、自分はよしと結婚。江戸に出て尊王攘夷の考えに触れ攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために栄一と京へ旅立つ。栄一共に一橋家に仕官する。上洛しようとする水戸天狗党に慶喜の密書を届けに越前に行った時に、天狗党の軍が疲弊しているのを目の当たりして攘夷運動の成れの果てを見たとショックを受け、これからは一橋と慶喜を守るために生きると決断する。朝敵とされた慶喜の汚名を雪ぐため戦うことに。京から大坂、江戸武蔵、箱館へと転戦。箱館の戦で土方に生きろと背中を押され逃げ延び、2年半投獄されていた。名前を「喜作」に戻し栄一の推薦で新政府に入った後イギリスで製糸を学ぶ。帰国後政府を辞め横浜で商いを始める。
  • 渋沢よし:成海璃子さん…けんかの仲裁をした喜作に一目惚れし、自ら結婚を申し出る。結婚後は喜作を尻に敷き、栄一と喜作が上京してからは千代を支え夫の留守を守る。

 

第一国立銀行

  • 佐々木勇之助:長村航希さん…小野組から第一国立銀行に移籍。のちに第一国立銀行を任されることになる。

 

静岡

  • 徳川慶喜:草彅剛さん…水戸藩藩主・徳川斉昭の七男で徳川幕府最後の将軍となる。父・斉昭の期待を一身に受け、厳しい教育を施される。一橋家当主の後継が亡くなったことで、老中阿部正弘の推薦で一橋家に養子に入る。刑部卿となった自分を政界に復帰した父・斉昭が頼ってくるが将軍になる望みはないと言い切るが、いざ家茂が将軍となると寂しさを感じる。井伊直弼から隠居を言い渡され邸内の一室に籠る。謹慎中に父斉昭が亡くなり、親不孝をしたと泣いた。井伊大老が亡くなったことで政界復帰。将軍後見職に就き京に入ったが、攘夷ばかり口にする公家や天皇をどう説得すればよい分からない。自分を政界復帰に推してくれた島津久光とは合わない。栄一と出会ったことで徳川を守ると覚悟を決め、薩摩の政治介入を阻止しようと、中川宮の前で久光、春嶽、伊達を「天下の大愚物」と言って朝議参与を解散させてしまう。その後禁裏御守衛総督となる。家茂逝去で徳川宗家を継ぎ、家茂に代わり長州征伐をしたが敗戦の色が濃くなると退却。孝明天皇の強い願いに応え、征夷大将軍となる。パリ万博に派遣する弟の昭武の一行に篤太夫(栄一)を加えた。大政奉還をして朝廷に政権を返上。朝敵のみなされ大坂城を出て江戸に戻り上野の寛永寺で謹慎。のち水戸から駿府へ移る。静岡で趣味に生きていたが、日清戦争で日本が勝利をきっかけに世間の目が和らいだところで東京巣鴨に帰ってきた。
  • 猪飼正為:遠山俊也さん…慶喜の家臣。
  • 川村恵十郎:波岡一喜さん…一橋家家臣から幕臣。明治以降は静岡へ。その後日光東照宮に移る。
  • 徳川美賀子:川栄李奈さん…慶喜の正室。慶喜が謹慎が解かれたのち静岡に移る。病となり東京で亡くなる。
  • 徳川鏡子:齋藤さくらさん…慶喜の娘。

 

 

新政府

  • 三条実美:金井勇太さん…攘夷志士たちに押され、幕府に攘夷せよと言う。明治以降は新政府に入る。
  • 明治天皇(睦仁親王):犬飼直紀さん
  • 井上聞多(馨):福士誠治さん…尊王攘夷派の長州藩士だったが、伊藤俊輔らとロンドンに渡り開国派に。維新後は大蔵省に入り、栄一はその右腕となる。
  • 井上武子:愛希れいかさん…井上の妻。
  • 井上末子:駒井蓮さん…井上の娘。
  • 伊藤俊輔(博文):山崎育三郎さん長州藩士。のち初代首相となる。
  • 大隈重信:大倉孝二さん…佐賀藩士族。明治2年新政府で大蔵省の実質トップに就任。栄一を新政府に誘う。大蔵省のトップとして働くが、政府を追われる。
  • 大隈綾子:朝倉あきさん…大隈重信の妻。
  • 杉浦愛蔵(譲):志尊淳さん…外国奉行支配調役。徳川昭武のパリ派遣随行員の一人。栄一と親交を深めて維新後は静岡に行き、のちに栄一が明治政府で栄一が立ち上げた民部省改正掛の一員となる。
  • 前島来輔(密):三浦誠己さん…遠州中泉奉行。元幕臣たちの働き口や住まいを与えようと奔走。栄一の要請で新政府に入り近代的な郵便制度を確立。日本郵政の父となる。
  • 赤松則良:上村海成さん…元幕臣。造船の父となる。
  • 玉乃世履:高木渉さん…岩国藩出身。改正掛で旧幕臣の栄一に反発していた。のち司法官となる。
  • 加藤高明:天田暦さん…外交官。

 

商人

  • 岩崎弥之助:忍成修吾さん…三菱商会を創業した岩崎弥太郎の弟。
  • 益田孝:安井順平さん…三井物産総括。
  • 大倉喜八郎:岡部たかしさん…大倉財閥の創業者。栄一と鹿鳴館、帝国ホテルを設立。
  • 土居通夫:石橋徹郎さん…元宇和島藩士で大阪の実業家。

海外

  • セオドア・ルーズベルト:ガイタノ・トタロさん…アメリカ大統領。

 

 

第40回のあらすじ

財界の第一線から退くと決意した栄一は、第一銀行と銀行集会所の役員を全て引退した。

そして韓国から戻った伊藤博文を訪ね、自らの思想がかつての尊王攘夷思想と変わらないことに気付いたと話す。

清やロシアが日本に侵攻して来ようとするなら何としても倒さなければいけないと思っており、自らの保身のために他国を犠牲にしても構わないと考えていたことを認め、自分勝手だったと反省した。

話に同調する伊藤博文。欧米列強の脅威を恐れるあまりに出た行動だったと振り返った。

自分たちが列強の恐れたのと同じように、日本人たちに仕事や地位を奪われるのではないか?と恐れたアメリカ人たちによるアメリカでの日本人の排斥運動が起こっていることを知った栄一。

アメリカに渡り、日本人は友だから経済上も人としても仲よくしようと訴えるために渡米すると伊藤に報告。

伊藤は栄一による民間外交を「渋沢君は喋り上手で嘘をつかんゆえ、アメリカ人に信頼されちょる。それにわしと違うていっこも戦の匂いがせん。」と背中を押し笑った。

 

明治42年(1909)。栄一たち渡米実業団は、アメリカの実業家たちが用意した特別列車に乗り込み、アメリカ大陸横断の旅が始まった。

シアトルを出発し91日間かけて60の都市を訪問。視察の他、70回近くの講演や演説を行うという予定を組んでいた。

妻の兼子、兼子の姪で日本女子大学校に在学中の高梨孝子も栄一に随行。工場、エネルギー施設、発電所、農場や大学、福祉施設を訪ねた。

排日運動が盛んと聞いてやってきた栄一だったが、行く先々で待ってくれているアメリカの人たちの親切に感謝した。

アメリカで排日運動が盛んなのは日本人移民が多い西海岸。低賃金でも熱心に働く日本移民をアメリカ人の敵だとみなされ、日本人児童を学校から退学させたり、日本人経営の店の不買運動まで起こっていた。

親切な人もいれば、憎しみを持つ人もいる。

移民に対する差別問題で、日本に友好的な姿勢だったタフト大統領に面会することが栄一の旅の目的の1つだった。

栄一の友好的な笑顔は好意的に迎えられ差別もなくなるかに見えたが、栄一は、タフトが言っていた「ピースフルウォー・平和的な戦争」だという商売の戦いを、これからアメリカが日本に挑むという言葉に引っかかった。

「人は誰が何と言おうと戦争をしたくなれば必ずするのだ。」という慶喜の言葉が気になっていた栄一は、経済的な争いであるにしろ、日本に戦いの熱が上って戦争になっていかぬよう注意せねばならぬと思うのだった。

旅の途中、伊藤博文がハルビンで暗殺されたと知らせが入り、激しく動揺する栄一。

列車は排日運動が激しいカルフォルニアに到着。

スピーチを取りやめるように助言してくれる声を振り切り、栄一はサンフランシスコの商工会議所でスピーチを行った。

初めはアメリカへの友好的な気持ちを穏やかに話していた栄一だったが、伊藤が殺されたことを口にし、さらにこれまで多くの友を失ったことを話した。

そして互いに憎しみあっていたのでもなく、相手の考えを知らず理解しようとしなかった。相手を知れば無益な憎しみ合いをせずに済むと話し、西海岸の日本人排斥運動にまで言及。

しかし実際にアメリカに来てアメリカの人に親切を受けて、各地の発展も目の当たりにし、アメリカの人たちが日本に多くの愛情を注いでくれていると確信していると言った。

「日本人は敵ではありません。我々はあなたがたの友だ。日本人移民はアメリカから何かを奪いに来たのではない。この広大な地の労働者として役に立ちたいという覚悟を持ってはるばるこの地にやってきたのです。それをどうか憎まないでいただきたい。」と訴える。

そして互いが嫌がることをするのではなく、心開いて手を結びみんなが幸せになる世を作る。

大統領は「ピースフルウォー」と言ったが、栄一は「ノーウォー」と訴え、その場にいたアメリカの人たちに拍手喝采を受けた。

 

演説後。ある日本人移民の親子が栄一たちが乗る列車を訪ねてきて、お礼を言ってきた。

10年前に来た長州出身のその親子。子供はアメリカで生まれたという。

列車が停車しているわずかな時間、親子は「この地でどうにか頑張って行こうと思うちょります。」と決意を語り、別れた。

3か月に及ぶ旅は終わった。

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明治43年(1910)。

篤二の子・敬三は、飛鳥山の栄一の自宅庭にいる虫を研究していた。

自伝編纂の件で訪ねて来てくれていた慶喜は、水戸烈公の教育について語り盛り上がる栄一や猪飼たちをよそに、篤二は落ち着かない様子でいた。

 

1か月後。

篤二は家を出て玉蝶という女性と居を構え、その事は大きく報道された。

栄一はこの篤二の事件を重く受け止め、親族を集め篤二を廃嫡すると告げた。

篤二が持つ土地と家を没収。名義を篤二の妻の敦子夫人に書き換えるという遺言書を皆の前で見せた。

栄一は家の外ばかり案じ、篤二の辛さを理解できていなかったことを猛省した。

 

一方。篤二の子・敬三は、虫好きが高じて生物学者になりたいという夢を持っていた。

そんな敬三を訪ねてきた喜作は、人には向き不向きがある。自分は商売に向いていなかったと語る。

喜作が一番胸弾んだのは一橋にいた頃。そののち幕臣となって上野から飯能、会津箱館と転戦した時に栄一から「潔く死ね。」と文をよこされた過去を笑って話した。

しかし死なずに生き残って、人から後ろ指さされたと言い、篤二も後ろ指さされるだろうと不憫がった。

篤二は頑張ったが向いていなかった。

栄一は、近くにいる者にとっては引け目ばかり感じる腹立たしい男だと言って笑い、敬三も笑った。

 

翌年。明治天皇が崩御。大正元年(1912)となった。

喜作は大正まで生き延びて74歳で亡くなった。

 

慶喜は、栄一が編纂した伝記の稿本に付箋を入れて戻した。

幕末の世の真相を世間に知らしめることが出来ると喜ぶ栄一に、かつてパリから送って来た昭武の直書の答えが少しでも出せたかの?とつぶやく慶喜。

大政奉還をして大坂城に兵を置いて江戸に帰った慶喜の行動の意味が分からず、パリから昭武の名前で栄一が文を出してきたのを慶喜は見抜いていたのだ。

慶喜は、あの頃からいつ死ねば徳川最後の将軍の名を汚さずに済んだのかと考えてきたという。

そして「しかしようやく今思うよ、生きていてよかった。話をすることが出来てよかった。楽しかったな。」と言い、栄一に「感謝しておるぞ。尽未来際共にいてくれて。」とお礼を言ってくれた。

慶喜は「快なり!快なり!快なりじゃ!」と烈公の口癖を言って笑った。

徳川慶喜は77歳の天寿を全うした。

 

中国で革命を起こし新政府を樹立した孫文が栄一を訪ねてきた。

子孫たちが西欧列強の奴隷にならないためにも経済を発展させたいと話を聞きに来た孫文。また資金援助もお願いしてきた。

栄一は「あなたが経済人になってみてはいかが?」と戦争より経済の発展のためなら喜んで力になる。と返した。

しかし孫文は中国の内紛に巻き込まれていった。

 

世界情勢は悪化。ヨーロッパではドイツがイギリス・ロシアと対立し、第一次世界大戦が勃発。

日英同盟の同盟国として日本は、東洋及び南洋諸島、全てのドイツ植民地と軍事基地を日本軍が接収すると最後通牒を出すことになった。

首相となっていた大隈重信から、栄一に実業界に協力して欲しいと言ってきた。

栄一はヨーロッパが内輪げんかをしているうちに、日本が大陸に手を伸ばしているだけだと指摘。

戦争の度に経済が大打撃を受け、市民は増税と物価高に苦しめられることを繰り返してきた。反論すれば政府が力でねじ伏せ、平気で嘘をつく。

このままのやり方で大陸や南洋諸島に手を出せば、日本は必ず疑われる。大軍を持って領土を拡大するよりも、もっと腹を割って話す合うべきだと意見した。

が、大隈は日本を守るために国土を広げ大きくならねばならないと言い張り、物別れに終わった。

 

日本は日英同盟に基づきドイツに宣戦布告。第一次世界大戦に参戦することになった。

井上は日本が戦争に加わったことを喜び、東京での日本の権益を確立しろと意気込んでいたが、80歳で亡くなった。

 

渋沢家では、虫の勉強をしていた篤二の子・敬三に栄一が話をしていた。

敬三は仙台二高に行って農科大学に進み動物学を学びたいと考えていたが、栄一は農科ではなく、法科に進んでゆくゆくは実業界で働いてもらいたいとお願いした。

そして栄一之跡を取り、銀行業務に就いて欲しいと言うのだ。

突然のことに断ろうとする敬三だったが、栄一は手をついて頭を下げ「決して命令ではない。実業界から日本を支えることを己の使命として欲しい。」と懇願した。

 

世界大戦の間に日本は山東半島やドイツの植民地を占有して領土を拡大。シベリアにも出兵。

アメリカと中国からは日本を「侵略的で軍国主義」だと言われ始めていた。

 

…というお話でした。

 

ノーウォー

栄一がアメリカで訴えていた「ノーウォー!」

栄一の言う通り、平和的であっても戦争と言う言葉は使ってほしくないですね。

相手を知らず無知が憎しみを生み、どこまでも残酷になれる。

相手を知れば理解できれば、憎むこともない。

人の一面しか見ないで、勝手に判断して勝手に嫌いになって勝手に憎んで、腹を割って話せば理解できて憎むこともなくなる。

栄一の考えは現代にも通じるなと思いました。

知らないから理解できないから、外国人を嫌いになる。理解できれば好きになれるかもしれない。

理解し合うには時間はかかるけど、大事なことを栄一は言ってるなと思いました。

でもみんなしんどいから自分のことばっかり…。

人のこと理解しようと歩み寄るなんて、余裕がないと出来ない事ですよね~~。

渋沢栄一さんって、本当に人が好きな人だったんだろうなと思います。

第40回の話は、渋沢栄一という人の人柄がよく分かる話でした。

 

喜作亡くなる

栄一と幼い頃から惇忠の塾や商い、一橋の仕官など、ずっと一緒にいた喜作さんが大正元年に亡くなりました。

喜作さんは武士になりたくてなったから、一橋に仕官している頃はとてもとても生き生きと働いているのが印象的でした。

明治になっても箱館まで元幕臣たちと戦って生き延びて、また商いを始めたけれど、向いてなかったと敬三には正直に漏らしているのがかわいかったです。

栄一の事、みんな偉人と言うけれど、近くにいる者にとっては引け目ばかり感じる腹立たしい男。と言ってるのが面白かったです。

やっぱりずっと栄一と一緒にいて引け目を感じていたんですね。

身内からこそ言える本音。

こういうのを見ると、話が分かる身内がたくさんいていいなと思いました。

 

あと、最後に二人が血洗島で獅子の舞を踊ってるのを見れたのはよかったです。

何者にもなっていない幼い頃の二人。

いい笑顔が見れてよかったです。

 

慶喜さん死す

栄一が慶喜さんの伝記を作り上げるのを見届けてから亡くなった慶喜さん。

お父さんの「快なり!」を言っている時はこれまでの『青天を衝け』では見たことのないとびっきりのいい笑顔をしていました。

慶喜さんじゃないみたいで、慶喜役をしている草彅剛が出てました。

いつ死んだらよかったのか、そればかり考えていた慶喜。

栄一の願いに応じて幕末の事を話して「ようやく今思うよ、生きていてよかった。話をすることが出来てよかった。楽しかったな。」と言っていたのには驚きました。

栄一にこれまで本音なんて一回も言ったことなかったんでは??

さらに「感謝しておるぞ。尽未来際共にいてくれて。」とまで素直な気持ちを言ってもらえて、栄一さんはとても嬉しかったと思います。栄一の笑顔、よかったです。

二人の会話を見てて、見てるこっちも嬉しくなりました。

本当なら慶喜さん、平岡さんにも生きていて欲しかったんだろな。

でも慶喜さんが亡くなるまで生きていたのは栄一だった。

 

慶喜さん、平岡さんにも生きていて欲しかったんだろな。

回想シーンに平岡も喜作もいた。今回は、栄一を除いてみんな死んでしまった。

 

物語がどんどん終わりに向かっていくのが寂しいです。

次回は最終回。

最後まで見届けたいと思います。

 

以上、『青天を衝け』第40回の感想でした。

 

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