NHKで放送中の吉沢亮さん主演の大河ドラマ『青天を衝け』。6月6日に第17回が放送されました。www.nhk.or.jp
前回、第16回の感想はこちら。↓
おもな登場人物
- 渋沢栄一(篤太夫):吉沢亮さん…渋沢家中の家(なかんち)の長男。剛情に自分の意思を通す強さがある。よくしゃべる。成長して商売の面白さを知り意欲的に働く一方で、百姓が武家に虐げられる社会の仕組みに疑問を持ち、世の中を変えたいと考えだす。長七郎から聞く江戸の話を聞いているうち、尊王攘夷の考えに目覚め、喜作も江戸に行った時かされたところで自分も江戸に行きたいと父に願い出て、江戸に出る。江戸で出会った志士たちに影響を受け、攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために喜作と旅立ち、以前知り合った一橋家家臣の平岡のおかげで無事京に入り長七郎に文を送って呼び寄せる。が、長七郎が上京途中で殺人事件を起こして捕らわれ、幕府に攘夷の思いを書いた文が幕府に渡ってしまう。栄一と喜作が上京の際に、平岡の家臣として上京したため幕府から一橋に問い合わせが来て、平岡から改めて一橋に仕官するかどうか?の決断を迫られる。長七郎を助ける手立てが見つかるかもしれないと思い、一橋家の仕官することになった。
渋沢家・中の家
- 渋沢市郎右衛門:小林薫さん…栄一の父。中の家を立て直すために婿養子に入る。勤勉家で一日中働いている。栄一が幕府批判し出したことを何度も叱る。
- 渋沢ゑい:和久井映見さん…栄一の母。「みんなが嬉しいのが一番」と栄一に教える。
- 渋沢千代:橋本愛さん…栄一の従妹で惇忠、長七郎の妹。栄一の妻。口数少なく控えめだが芯は強い。
- 吉岡なか:村川絵梨さん…栄一の姉。はっきりとした物言いをする。同じ村の人に嫁ぐ。
- 渋沢てい:藤野涼子さん…栄一の年の離れた妹。お兄ちゃん子。
渋沢家に関わる人たち
- 伝蔵:萩原護さん…中の家の作男で、栄一らと共に勉学や武芸を学ぶ仲。のちに一橋家の家臣となった栄一と喜作に呼ばれ、一橋家家臣となる。
渋沢家・新屋敷
- 渋沢よし:成海璃子さん…けんかの仲裁をした喜作に一目惚れし、自ら結婚を申し出る。結婚後は喜作を尻に敷き、栄一と喜作が上京してからは千代を支え夫の留守を守る。
渋沢家:東の家
- 渋沢宗助:平泉成さん…栄一の伯父。東の家の当主。血洗島村の名主として市郎右衛門と共に村をまとめる。
- 渋沢まさ:朝加真由美さん…栄一の伯母。一言多いが根はいい人。
尾高家
- 尾高惇忠(新五郎):田辺誠一さん…栄一の従兄。尾高家の長男。従弟である栄一たちに剣術などを教える。水戸の斉昭の尊王攘夷の考えに傾倒。各地から来る若者らを受け入れて尊王攘夷の考えを広めている。老中安藤を討つ計画に走ろうとしていた弟・長七郎を引き留め、自分の計画に参加するよう説得した。その後、逆に長七郎に自分の計画を命がけで止められる。上京の途中で殺人事件を起こした長七郎を救おうと動いてる。水戸の騒乱に関わりがあると疑われ、岡谷の陣屋に捕らえられる。
- 尾高やへ:手塚理美さん…栄一の伯母。惇忠、長七郎、千代、平九郎を育てた母。
- 尾高長七郎:満島真之介さん…栄一の従兄。神道無念流の剣豪として名をはせるようになっていく。剣術修業しに来た真田に誘われ江戸に行き、尊王攘夷を掲げる若者たちと交流する。志士の河野と共に坂下門外の変に加わるつもりだったが、惇忠の説得により断念。上州に逃れたのち京へ逃れていたが故郷に帰ってきて惇忠らが立てた横濱焼き討ち計画を知り、命がけで中止させた。以後、情緒が安定しない様子。上京した栄一からの文で上京する際、気の迷いから人を斬ってしまい、幕府に捕らえられる。
- 尾高平九郎:岡田健史さん…栄一の従弟。
- 尾高きせ:手塚真生さん…惇忠の妻。
- 尾高勇:和田葵さん…惇忠の娘。
一橋家
- 徳川慶喜:草彅剛さん…水戸藩藩主・徳川斉昭の七男で徳川幕府最後の将軍となる。父・斉昭の期待を一身に受け、厳しい教育を施される。一橋家当主の後継が亡くなったことで、老中阿部正弘の推薦で一橋家に養子に入る。刑部卿となった自分を政界に復帰した父・斉昭が頼ってくるが将軍になる望みはないと言い切るが、いざ家茂が将軍となると寂しさを感じる。井伊直弼から隠居を言い渡され邸内の一室に籠る。謹慎中に父斉昭が亡くなり、親不孝をしたと泣いた。井伊大老が亡くなったことで政界復帰。将軍後見職に就き京に入ったが、攘夷ばかり口にする公家や天皇をどう説得すればよい分からない。自分を政界復帰に推してくれた島津久光とは合わない。栄一と出会ったことで徳川を守ると覚悟を決め、薩摩の政治介入を阻止しようと、中川宮の前で久光、春嶽、伊達を「天下の大愚物」と言って朝議参与を解散させてしまう。
- 美賀君:川栄李奈さん…慶喜の正室。気性が激しい一面がある。
- 徳信院:美村里江さん…一橋家当主・徳川慶寿の正室となるが死別。徳信院と名乗る。慶寿の後継が亡くなり、養子に来た慶喜にとっては養祖母となる。
- 中根長十郎:長谷川公彦さん…慶喜の側用人。
- 平岡円四郎:堤真一さん…慶喜の側近。安政の大獄で甲府にやられたのち、一橋家に戻りたいと懇願。慶喜のもとに戻る。その後、川村が見つけてきた栄一と喜作を一橋家の家臣にスカウト。一度は断られたが、長七郎の事件をきっかけに再び誘い、一橋家に仕官させた。黒川と共に政で慶喜が有利になるよう働く。池田屋事件をきっかけに尊攘派弾圧をする慶喜をたぶらかす存在と恨まれ、水戸浪士に命を奪われる。
- 平岡やす:木村佳乃さん…円四郎の妻。
- よね:高野渚さん…平岡家で働く女性。
- 川村恵十郎:波岡一喜さん…一橋家の家臣。
- 猪飼勝三郎:遠山俊也さん…代々続く一橋家家臣。
- 黒川嘉兵衛:みのすけさん…慶喜の側近。平岡と一緒に慶喜が公家たちに動く。
- 原市之進:尾上寛之さん…慶喜の側近。
- 渋沢喜作(成一郎):高良健吾さん…栄一の2歳年上の従兄で幼馴染。渋沢一族「新屋敷」の長男。千代との結婚を望んでいたが、千代と栄一が思い合ってると知り身を引き、自分はよしと結婚。江戸に出て尊王攘夷の考えに触れ攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために栄一と京へ旅立つ。栄一共に一橋家に仕官する。
水戸藩
- 吉子(登美宮):原日出子さん…水戸藩の元藩主・斉昭の妻で慶喜の母。公家出身。
- 徳川慶篤:中島歩さん…斉昭の跡を継いだ水戸藩藩主。慶喜の兄。
- 武田耕雲斎:津田寛治さん…水戸藩の元家老。尊王攘夷派の水戸藩士。天狗党の乱を押さえる立場だったが、小四郎に懇願され総大将の立場に。悲惨な最期を遂げる。
- 藤田小四郎:藤原季節さん…東湖の息子。のちに天狗党の乱を起こす。
- 市川三左衛門:神農直隆さん…諸生党。天狗党討伐に名乗り出る。
- 金井国之丞:山科圭太さん…天狗党の乱を成功させるために資金と兵の調達に惇忠のもとを訪れ断られる。
- 田丸稲之衛門:木村靖司さん…天狗党首領。
- 鳥居頼兵衛:小林幸彦さん…天狗党の乱では水戸の赴き戦う。
- 榊原新左衛門:岡雅史さん…水戸藩家老。
江戸幕府
- 徳川家茂(慶福):磯村勇斗さん…家定が次期将軍にと決めた14代将軍。
- 天璋院:上白石萌音さん…家定の正室。薩摩藩主島津斉彬の養女として慶喜を将軍後継にする密命を持っていた。家定の急逝で天璋院と名乗る。
- 歌橋:峯村リエさん…家定の乳母。家定から信頼が厚く、慶喜を後継にするのを反対し、紀州藩の慶福を推す。
- 和宮:深川麻衣さん…公武合体の政策で14代将軍家茂に嫁いだ。
- 川路聖謨:平田満さん…勘定奉行。師と慕う人の息子・平岡円四郎を慶喜の側近に推薦する。将軍継嗣問題で敗れ、西丸留守居役を命じられる。その後また外国奉行に復帰。
- 永井尚志:中村靖日さん…ペリー来航後海防掛となる。海防参与となった徳川斉昭の過激さに振り回される。将軍継嗣問題で処分される。その後大目付となり慶喜を支える立場となる。
- 土方歳三:町田啓太さん…新撰組副長。栄一とはある任務で一緒になり、同じ百姓出身と言うこともあり意気投合。鳥羽伏見の戦いで敗れた後、各地へ転戦したのち、榎本武揚や喜作と共に箱館に渡り五稜郭を占領。新政府軍と戦って壮絶な戦死をする。
- 栗本鋤雲:池内万作さん…奥医師から蝦夷地へ左選され、箱館奉行組頭となり功績が認められ目付となり、さらに外国奉行になる。
朝廷
- 孝明天皇:尾上右近さん…幕府より攘夷を訴える水戸を頼りにする。和宮を嫁がせる事で幕府に攘夷を要求する。
- 中川宮:奥田洋平さん…
- 岩倉具視:山内圭哉さん…公武合体のメリットを孝明天皇に説く。
- 三条実美:金井勇太さん…攘夷志士たちに押され、幕府に攘夷せよと言う。
- 二条斉敬:森敬一朗さん
- 准后夙子:辻本みず希さん
- 祐宮:柴崎涼吏さん
長州藩
- 井上聞多(馨):福士誠治さん…尊王攘夷派の長州藩士だったが、伊藤俊輔らとロンドンに渡り開国派に。維新後は大蔵省に入り、栄一はその右腕となる。
- 伊藤俊輔(博文):山崎育三郎さん…長州藩士。
- 来島又兵衛:笠原竜司さん…
薩摩藩
- 島津久光:池田成志さん…薩摩藩の国父。公武合体を成すため軍を率いて上洛。雄藩による政治参画を実現するため「参与会議」を発足。慶喜とは横濱鎖港の件で対立する。政治の裏工作をことごとく一橋に潰され、次第に徳川打倒へと考えを変えていく。
- 西郷吉之助(隆盛):博多華丸さん…薩摩藩士。公武合体実現のため、流罪を赦免されて藩政復帰。一橋家の命で大坂に来ていた栄一と出会う。
- 大久保一蔵(利通):石丸幹二さん…久光の側近として公武合体のために上京。腹の内が読めない慶喜を警戒。明治の新政府では大蔵卿となり、部下となる栄一と意見が対立する。
- 五代才助(友厚):ディーン・フジオカさん…薩摩藩士。長崎遊学の経験から世界情勢に精通。貿易による富国強兵を唱えてイギリスに留学中、フランス万博の情報をいち早く得て薩摩藩として参加を実現。幕府の威信を落とす。この時幕府側として参加していた栄一とは、のちに「西の五代、東の渋沢」と呼ばれる実業家となる。
- 川村純義:日向丈さん…
諸藩
- 松平春嶽:要潤さん…前福井藩主。慶喜の優秀さを見抜き、将軍後継に推すために奔走したが敗れ、井伊に隠居、謹慎を命じられたのち、政界復帰。
- 伊達宗城:菅原大吉さん…第8代宇和島藩主。将軍継嗣問題で慶喜を推して隠居謹慎に処されたが、久光の公武合体運動で政界復帰。朝議参与に任命される。久光や春嶽と共に開国を唱え、慶喜と対立。
- 山内容堂:水上竜士さん…第15代土佐藩主。将軍継嗣問題で慶喜を推して隠居謹慎に処されたが、のちに朝議参与に任命される。慶喜に大政奉還を建白する。
- 松平容保:小日向星一さん…会津藩主。幕府から命じられて攘夷派が多くいる京の治安維持のため、病をおして上京。京都守護職に就く。市中警護のため浪士隊「新選組」は容保のもとで活躍。
- 松平定敬:小日向春平さん…桑名藩主。同い年だった家茂からの信頼され、家元と共に上洛。京都所司代となり、兄・容保共に京の警護にあたる。
海外
- アーネスト・サトウ:カイル・カードさん…イギリスの通訳。
- ダウェル大佐:ネイサン・ベリーさん…
- 横川勇太郎:本多遼さん…
第17回のあらすじ
元治元年(1864)6月。
篤太夫と成一郎は、関東出張で集めた人たちを連れて江戸に向かっていた。
そこへ血洗島の伝蔵が駆けつけ、惇忠からの文を渡してくれた。
伝蔵の話によると、悪いことをした証拠もないのに惇忠を捕らえたことにみんなで「名主様返さねえなら牢屋を打ち壊すぞ。」と言って詰めかけたことで、陣屋が肝をつぶして放免してくれたのだと言い、平九郎の手錠も外されたとのこと。
伝蔵は篤太夫たちが一橋家の兵を集めてると聞き、自分も連れて行って欲しいと申し出てくれ、他にもついていきたい人もたくさんいるという。
篤太夫たちは故郷の者を加えれば10~20人は集まると喜んだ。
江戸の平岡円四郎邸には、一橋家の者が訪ねてきて妻のやすに平岡の死を告げた。信じられないやすだったが、川路も一緒にいたことで信じざるを得なかった。
下関では、長州藩士の井上聞多(福士誠治さん)と伊藤俊輔(山崎育三郎さん)が、イギリスに攻撃をやめるよう交渉した。が、イギリスは天皇や将軍、全ての日本人に攘夷は不可能だと思い知らせてやると言って聞き入れられなかった。
京の一橋邸に大目付の永井尚志が来て、長州勢が大坂に大挙して押し寄せてきたと報告。
長州は宮中の公家らと会津の松平容保追討の兵を挙げ、天皇を京からさらう計画を立てているとのこと。
戦にせずに何とか収めたいと考えていた慶喜だが、薩摩がこの機に乗じて京での実権を取り戻したいと動き始め、薩摩藩士の西郷吉之助が慶喜に長州を潰そうと持ち掛けてきた。
血洗島では、伝蔵が篤太夫らの様子を家族に報告。篤太夫らが京に戻る時に中山道を通ると聞いたので、そこで加えてもらうと言った。
母のゑいは、血洗島から近い中山道を通るのに会えないということを悲しみ、妻の千代は何も言わずにただ黙っていた。
一方。江戸の一橋邸に到着した篤太夫と成一郎は、猪飼から平岡円四郎が水戸の過激な攘夷浪士に襲われ命を落としたと聞かされ愕然となった。
7月19日。
慶喜のもとに、長州の船が桂川を渡ってると報告が入る。長州は再三の撤兵の命令を無視して挙兵したのだ。
混乱する朝廷に呼ばれた慶喜は、孝明天皇から「長州を討て。」と勅命を下された。
元治元年7月19日。
慶喜は御所の九門を守りを固め長州の攻撃に備えた。そこへ長州勢が御所に突入。激しい戦闘となる。
江戸幕府開府以来初めての京を舞台にした大きな内戦、禁門の変が始まった。
慶喜は腕を銃で撃たれながらも、長州の勢いに押され逃げようとする兵に「そなたも武士であろう!戦え!」と檄を飛ばし、士気を一気に高めた。
「御所に筒先を向けるなど何が尊王だ。」と長州の攻撃に怒りを隠さない慶喜。
孝明天皇は、銃声が飛び交うなかを祐宮も連れて避難。
そこへ薩摩軍が参戦。圧倒的な兵力で長州を壊滅させ、禁門の変は幕府軍の勝利で終わった。
西郷は慶喜の采配を見て、平岡が言っていた武芸が達者というのが本当だと知る。
その上長州びいきの公家を押さえたとも聞き、もうしらばく仲良くしておこうと思うのだった。
その数日後。
イギリスら4か国の軍艦が長州軍の砲台を攻撃。長州は攘夷を諦めた。
江戸城にいた将軍・家茂は、京にいる慶喜に比べて自分は何も成していないと悩んでいたが、これで終わりにしないと天璋院に明かす。
開港ばかり迫るイギリスに比べ、幕府が国をまとめる手助けをすると申し出ているフランスと手を結ぼうと考えだと言うのだった。
江戸にいた篤太夫たちにも、禁門の変の事が伝わっていた。
成一郎は、前に平岡が言ってたように攘夷が終わっていくと実感。
猪飼から、篤太夫たちには兵を連れ急いで京に戻るよう命令が伝えられた。
水戸の天狗党の藤田小四郎は、賊扱いされたことに憤慨し、武田耕雲斎に大将となって兵を率いて欲しいと懇願。
「この天狗党は、烈公や父東湖の最後の望み。」と、尊王攘夷の夢を叶えたいという小四郎の熱い思いに押され耕雲斎は引き受けることになった。
江戸にいた平岡の妻・やすは、引っ越しを決意。三味線を教えながら暮らすと川路に伝えてきた。
荷物を整理しているうちに篤太夫から聞いた掛け軸の話を思い出し、掛け軸を下ろすと、後ろから平岡の文が出てきた。
文には平岡の、慶喜への強く熱い思いが書かれており、平岡は慶喜が新しい日本を作ってくれると信じていた。
「おめえとその新しい日の本を見る日が今から楽しみでならねえんだ。そん時がきたらまた二人で江戸の町をぶらぶらと歩こうじゃねえか。」「めっぽうおかしれえに違いねえ。」と書いてあった。
やすは泣きながら笑い、平岡の思いを受け取った。
江戸を出発した篤太夫たちは、集めた兵たちと中山道を通って血洗島に近い深谷まで到達していた。
そこへ役人の目をかいくぐり、こっそりと惇忠が会いに来てくれた。
そして、小久保の家に千代とよしを待たせてあるとの市郎右衛門からの伝言を伝えてくれ、二人は小久保の家に向かった。
久しぶりに妻子に会えた篤太夫と成一郎。それぞれの家族水入らずで時を過ごす。
篤太夫は、千代に恩人が亡くなって自分の信じた道がぐらぐらしてると愚痴をこぼす。
すると千代は「千代はどんなに離れていてもお前様が選んだ道を信じております。」と背中を押す。
篤太夫は千代の言葉に力をもらい、迷いを吹っ切る。
そして千代に「落ち着いたら共に暮らしたいと思ってる。」と言い、それまで信じて待って欲しいと言った。
そこへ伝蔵たち、村の仲間たちが合流。
忍んで会っていた雰囲気が一気に騒がしくなった。
翌日。
しばしの家族との再会を終え、深谷から京へ出発した篤太夫たち。
途中、岡部に差し掛かった時。前を数人の役人に足止めをされた。
岡部の陣屋の代官・利根に、渋沢の二人は疑うことが多いから一度戻して欲しいと言われたのだ。
覚悟を決めて前に進み出ようとした篤太夫より前に猪飼が進み出て「渋沢両人に村方へ帰られては一同が困りまする。両人は縁あって当家に入り、今となっては掛けがえなき家中の者。一橋家としては到底承服しかねる事ゆえ、お断りいたす。」と言った。
利根は何も言い返せず「しからばどうぞご通行ください。道中どうかご無事で。」とだけ言って道を開けた。
利根との因縁を思い出し「この気持ちを平岡様にお伝えしたかった。何もかも平岡様のおかげだ。」と涙を流す篤太夫を、成一郎が「俺たちは武士なんだい。」と止めた。
京に戻った篤太夫たちは、慶喜に兵を集めてきたと報告。
慶喜は、平岡から二人がきっと無事に兵を連れて戻ると言っていたと話してくれた。
そして二人が斉昭の尊攘の教えを学んだと聞いていた慶喜は、その父斉昭が遣わせた平岡が、何故水戸の者殺されなければならなかったのか、分かるか?と二人に問うた。
「私には分かる。円四郎は私の身代わりとなったのだ。」とその答えを言う慶喜。そして「尊王攘夷か…。まこと呪いの言葉となり果てた。」と言うのだった。
慶喜退席後。黒川から、一橋に仕官できたのは平岡の推挙のおかげと念を押された篤太夫と成一郎。平岡の為にもこの先も一橋家のために励め。と言われた。
一方。武田耕雲斎が率いるようになった天狗党は、水戸の諸政党との戦いで次第に人数を減らしていっていた。
そこで耕雲斎は、京へ向かおうと提案。
上洛して天皇に攘夷の真心を知ってもらおう。京にいる慶喜ならきっと自分たちを見殺しにはしないだろう。という思いからだった。
天狗党が京に向かっていることは、京の慶喜にも知らせが来た。
慶喜は天狗党を擁護すれば幕府に刃向かうことになるため、討伐すると決めたのだった。
…というお話でした。
幕府が悪いって…
長州がイギリスを始めとした4か国に攻撃される前にしていた交渉で、山崎育三郎さん演じる伊藤俊輔が幕府が外交をしてるのが悪いんだと言ってましたが、そもそも戦を始めたのは長州でしょ?って感じです。
自分達で尻拭いが出来ないからって幕府のせいにするとかって、勝手な話だなと思いました。
武芸に秀でた慶喜の本領発揮
禁門の変で、慶喜が幕府軍の指揮をとっていました。銃で撃たれてもひるまぬ慶喜の姿は、カッコよかったです!!
他の大河ドラマでは、この撃たれたシーンで慶喜がビビッて引っ込んでしまい、薩摩が堂々と現れ長州を倒した…と描かれ方をしていたのがありましたが、『青天を衝け』では勇ましい姿でした!!
幼いころから武芸に秀でていると言われてきた慶喜の本領発揮!!
こういうカッコいいところを早く見たかった。
銃撃でひるんでない慶喜。今までの薩長から見る大河と違ってカッコいい慶喜。
『天下の大愚物』発言の時は、もうちょっと何とかならんかと思ってましたが、こういう勇ましい姿を見ると英邁な人物!と思えます。
見てて嬉しかったです。
平岡は死を覚悟してなかった
上京する前に、妻のやすに文を残してきた平岡。
平岡は堂々としてるようでも、死を覚悟して遺書をやすに残してたんでは?と思ってましたが、全然!!
平岡は文の中で誰よりも慶喜が作る未来を信じていて、その未来を妻のやすと一緒に見たい。江戸の町をぶらぶらと歩きたい。と言っていました。
平岡は生きて新しい日本を見るつもりだった。新しい日本が見られると信じていた。
遺書なんかじゃなかった。
前回は平岡が亡くなってとても悲しかったけれど、こうやって明るい平岡の印象が残ってよかったです。
やすは涙を流しながらもちょっと笑っていて、死の悲しみが少し和らいだように見えました。
最後は優しい気持ちで見送れて、やすもよかったな。と思いました。
代官に承服できん!
岡部の代官・利根が、前に立ちふさがってきました。
ええ?どうなんの?って思いましたが、猪飼さんが「今となっては掛けがえなき家中の者。一橋家としては到底承服しかねる事ゆえ、お断りいたす。」とズバッと断ってくれて、栄一が涙を流してました。
幼いころから代官の言うことによく「承服できん!」と言っていた栄一。
同じ「承服できない。」という言葉で代官を跳ね返してくれた猪飼さん。
栄一じゃなくてもこれには感動しました!!
猪飼さんは慶喜にケガさせまくって頼りない感じでしたが、いいところで決めてくれました!!
今週は慶喜もカッコよかったけど、猪飼さんもカッコよかったです。
栄一は自分の口からではなかったけれど、やっと代官に「承服できん!」って言えました!
ずっと下に見られて偉そうにされてきた代官。
その代官がさらに上の一橋家の人に突き返されて、立場が逆転した。
栄一たちがどうして尊王攘夷に染まっていったかって、幕府が作った世の中の仕組みがおかしいと思ったからであって、代官に偉そうに言われるのが許せなかったから。
その代官に頭を下げさせることが出来た!
まずは最初の望みは果たされたんじゃないかな?
一橋家の家臣になって代官への恨みは晴らせましたが、今度は天狗党の乱を討伐しに行かなければならなくなりました。
かつての仲間を討たなければならないなんて、残酷ですよね。
でもこれも自分で選んだ道!!
栄一たちがどう気持ちを処理していくのか、気になります。
以上、『青天を衝け』第17回の感想でした。
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