毎週木曜夜9時から放送中の「ハケン占い師アタル」。2月21日に第6話が放送されました。途中、北海道での地震の速報が入ったため中断した箇所がありました。
あらすじ
大崎(板谷由夏さん)は、返事をしない息子と、話をまともに聞いてくれない夫の為に家事をこなしてから出勤。エレベーターを壁に顔を向けて乗ってるアタル(杉咲花さん)に会っても、「困ってる事ない?」と気遣っていました。
会社では既に、上野(小澤征悦さん)、田端(野波麻帆さん)、目黒(間宮祥太朗さん)、神田(志田未来さん)、品川(志尊淳さん)が出勤しており、テキパキと動いていました。みんな大崎が調整しなくても自ら進んで仕事をやっていました。
大崎がみんなの姿を見て「私も頑張らなきゃね。」と席に着いた途端、代々木(及川光博さん)が現れました。警戒するDチーム。
代々木は大崎を別室に呼び、チームの中の1人を鴨川の倉庫へ出向という形で、リストラするよう言ってきました。大崎は、最近一致団結していい雰囲気になってきた自分のチームから、誰一人として辞めさせたくない。と抵抗しました。
しかし代々木は言うだけ言って、サッサと去っていきました。
仕方がなく大崎は、事情を伏せてチームの個別面談をしますが、見違えるように変わったチームの皆は、やる気に充ちていて、誰一人リストラの候補になりませんでした。
大崎はリストラの件を皆に黙っていましたが、上野たちは噂を聞いてしまい、皆で誰を辞めさせるのか大崎に迫ってきました。勢いに押され「誰も辞めさせない。」と答えた大崎でしたが、会社と同僚の板挟みになりどちらにも何も言えない状況に陥り、身動きが取れない状態になってしまいました。
困った大崎は、代々木に相談した際つい神田の妊娠を漏らしてしました。代々木は神田をリストラするよう指示。しかし大崎は、神田の優しさに触れ、リストラのことを言い出せず、一人で悩みを抱え込んでいったのでした。
そんな大崎の様子を見たアタルは、飲みに誘います。一度は断った大崎でしたが、「ミニ女子会」と言って、アタルといつもの居酒屋へ行きました。
飲む前に胃薬を飲み、アタルを気遣う大崎。アタルは自分から「悩みがあるなら聞きますけど。」と言い出しました。
大崎は「何が悩みかもう分からなくなってきちゃった。」と言い、「小さい頃は神様がいて 不思議に夢をかなえてくれた」と寂しそうに歌いました。アタルはただ黙って大崎を見つめました。
「不器用なのでなんの取り柄もない。」と言う大崎に、アタルは「そんな事ないですよ。大崎さんは人の上に立つ才能があると思います。」と言いますが、「そんなことない。」とアタルの言葉は届いていませんでした。
酔ったまま帰宅した大崎は、不機嫌な息子にオロオロし、夫の浮気まで知ってしまいます。会社の事だけでなく、家でもストレスを抱えていくのでした。
翌日。
パンクしてしまった大崎は出社せず、待っていた部下たちに「さがさないでください。」とメールを送ります。慌てるDチーム。
やっと出勤してきた大崎は「私が辞めるのが一番いいのよ。」と皆が止めるのも聞かず、荷物をまとめて会社を出て行こうとしました。
「アタルちゃんに見てもらったらどうですか?」と引き留める神田に、大崎は「それなら大丈夫よ。すごくいい先生に見てもらったから。」とアタルの母(若村麻由美さん)にいてもらったと言います。
アタルはそれを聞いて、母を言ったであろう言葉をスラスラと言うので、大崎は「どうして知ってるの?」と聞きます。「その人のやり方なんです。だから信じないでください。」と返すアタル。
「行くところがないんだったら、いつでもうちにいらっしゃいって言ってくれたの。だからしばらくお世話になろうかと…。」と遠くを見つめながら言う大崎の頬をビンタしました。
「目を覚まして下さい。その人は誰にでも当てはまることを泣きながら言ったりして、信者みたいな人をたくさん集めて、お金を稼ぐ事が目的なんです。」
アタルの言葉に「じゃあ、私にどうしろって言うのよ。なんで私一人悩まなきゃいけないわけ?仕事も家のことも、自分なりに精一杯やって来たのに…。」と言って泣く大崎。アタルは「分かりました。あなたを見ます。」と言うのでした。
会議室に入った二人。
母の占い料が15万だったと聞いて「何値上げしちゃってんの?あの人。」とキレるアタル。キャラの豹変に戸惑う大崎でしたが、質問をしました。
「出向のこと、どうしたらいいと思う?」
「あんたはどうしたいわけ?」と逆質問をするアタル。
「誰も辞めさせたくない。でもそれじゃ会社が納得してくれないだろうし。」
「そこを何とかするのがリーダーの仕事なんじゃないの?」と言うと大崎は、自分がチーフになったのも、会社が、女性管理職いないとまずい風潮から選ばれただけだと言い、「神田を守ることが出来なかった。所詮偽物なのよ。」と言います。
問題はそこだと言って、アタルは大崎の中学時代を霊視しました。
大崎は、学校からボランティアで介護施設に行くと言う先生に、クラスメートたちが嫌がってる雰囲気を察し、手を挙げて意見を言っていました。
「ボランティアって強制されてやるもんじゃないんじゃないですか?心からやりたいなら別だけど、そうじゃないならやめた方がいいと思います。愛のない行為は、どんなに美しくても相手の心には伝わらないから。」
クラスメートは大崎の意見を称賛しましたが、一方で「さっきのパクリだよね?」「誰かの真似だよね?偉そう。」「偽物。」と陰口も叩かれたのです。その時後ろから肩を叩いて言われたので、未だに後ろから肩を叩かれて「偽物。」と言われる事を恐れていたのです。
確かに当時の大崎は「名言集」を読んでいました。
「学級委員をやらされていたがオリジナリティーがなかった。絵や作文も有名作家の見よう見まね。喋り方やしぐさは当時憧れていた先輩をパクっただけ。会社に入ってからは仕事が出来る上司をまねてきただけ。」と告白する大崎。
チーフになってからも「偽物」と言われるんじゃないかとびくびくしていたと言い、「自分が水をもらえないで枯れかけてるサボテンみたいな気がしてきて。」と漏らします。
アタルは「確かにデスクに会ったサボテンみたいだよね、あんた。」と言うと、ため息をついて同調する大崎。
「サボテンの花言葉知ってる?“偉大”、“温かい心”、“燃える心”、“枯れない愛”だよ。全部あんたそのものじゃん。」
とアタルが言うと、大崎は否定しました。
「さっきから自分がオリジナリティーないとか、偽物とか言ってるけど、たとえ真似事でも必死でいいお手本見習ってコツコツ努力続けたらそれ、本物だから。周りの人を幸せにするために、毎日毎日頑張ってきたら、それもうあんたにしか出来ないオリジナルだから。今逃げだしたら、頑張って積み上げてきたもの、全部なくなっちゃうよ?家族だって部下だって、船長のあんたが舵取るのやめたら、みんなどこに行っちゃうかわからなくなるよ。」と言うアタル。
「部下の気持ちなんて無視して、権力振りかざす奴がリーダーなわけ?困った時は部下に丸投げ。結果が出なければ人のせい。上手くいったら自分がやったと自慢するのがリーダーなわけ?そいつらこそ偽物だから。本物のリーダーは、誰よりも悩んで悩んで悩み抜く人間なんだよ。」
アタルはそう言って出て行きました。
デスクに戻って来た大崎を、代々木が迎えました。大崎はリストラするのを神田に決めたと言います。
しかし、「神田さんの給料月約25万円を、神田以外の5人の社員一人5万ずつ頑張って利益を伸ばせば、辞めずに済む。」と大崎が言うと、チームの皆も一致団結して一人5万ずつ稼ぐと言いました。
そして最後に大崎が「私の部下は、誰一人出向させません!」と言い切りました。
代々木が「会社の方針に逆らうの?」と言うと「社長に直訴する。」と言い実際に動き出す大崎を慌てて止める代々木。
アタルが「実は社長の命令じゃなくて、自分の独断専行で決めた事だから。出向話は。」と言うと、代々木は認めました。そこから一気にDチームの皆で代々木を責めたてました。
社長は経費削減していこうと言っただけ。代々木は点数稼ぎしたかっただけ。アタルにバラされて居場所を失った代々木は、慌てて部屋から去っていきました。
Dチームの皆は、口々に大崎が今まで自分たちにしてくれたことを話して、褒めたたえました。皆の言葉に感動する大崎。
そんな社員たちの様子を写真に収めるアタル。「皆さんがあまりにも素敵な顔してたんで。」と言うのでした。
翌日。
ぐっすり眠れた大崎は、スッキリと起きれました。思い切りカーテンを開けると、隣で寝ていた夫の顔面をシバきました。
怒る夫に「知ってるんだからね、浮気してるの。ちゃんと後始末付けてくださいね。」と怒りながらも微笑む大崎に、夫は唖然としていました。
そして、大崎を無視して出かけようとする息子には「これだけは忘れないで。ママはいつでもそばにいるから、だからいくらでも悩みなさい!」と言い、驚かせていました。
出社して、清掃員さんに「捨てるものはありませんか?」と聞かれた大崎は、胃薬とリーダーにまつわる本の数々を捨てました。
アタルが出社してきて、昨日のことと、チームが変わったことを全部含めてお礼を言う大崎。続けて、自分を占った占い師をインチキだと言った理由を聞きました。
「母なんです。あそこを飛び出してきたんです。」と告白するアタル。
大崎は昨日アタルの母から電話がかかって来て、アタルに占ってもらったことを話してしまったと言った直後、受付からの内線が鳴りました。
アタルの母が、会社まで会いにきたのでした…。
初の事が多かった回
ずっと部下たちを温かく見守ってくれていた大崎。
私は、アタルが何に対して喝を入れるんだろうか?と楽しみにしていました。大崎さんが一番問題ないと思ってましたし。
大崎が、代々木に命令されてリストラする人を選ばなきゃいけなくなって、どんどん衰弱していく様子は、みていて辛かったです。
あと、アタルが自分から進んで声をかけたのは初めてでしたね!
それから、今までは食堂の席が空くところとか、ショッピングモールに来てる人たちに声をかけるのに、誰がイベントに参加してくれる人か?とか、誰がチラシを受け取ってくれる人か?とかを見抜くことはありました。
けれど、今回みたいに代々木の考えを読んで、言葉に出して追い込むみたいなことはした事なかったですよね?
今回はドラマは終わりに近づいてきて、初のことがいくつか出て来た回でした。
これまでずっと受け身な感じで動いていたアタルが、自分の思いで動き出していました。成長していってるということでしょうか?
自分の能力を隠すんじゃなくて、上手く使い出した瞬間を描いていたのかなぁ?と思います。
占いなら人は話を聞く?
居酒屋でアタルが言ってた「人の上に立つ才能があると思います。」なんて、言われたら嬉しいだろうに、悩みが深すぎる大崎には全く届いていませんでした。
占いって体で話を聞かないと、人ってなかなか話を聞けないもんなんでしょうか?
普通にああやって二人で飲みに行って話してるのだけでは、救われないものなんでしょうか?
大崎は自分が話を聞いてあげないとって思いが強すぎるから、逆に相手が救おうとしてくれてる思いに気付けないんでしょうね。
与える事ばっかり考えて、与えられてるなんて思いもしないんでしょう…。
あと、今回のアタルの言葉は泣けました。
「本物のリーダーは、誰よりも悩んで悩んで悩み抜く人間なんだよ。」って言葉。
中間管理職の立場にいる人たちに響いたんじゃないですか?上の人の立場も分かるし、同僚の立場も分かるし。でも、大崎は部下を守る方を選んでいました。
こういう人だからこそ人はついてきてくれるんですよね?
これまでDチーム全員を占って来てますけど、今回の板谷さんと初回の志田未来さんの回は、特に演技が上手くて、引き込まれて見入ってしまいました。
いい回でした。
母の正体
今回、大崎がアタルの母に占ってもらった事で、その母がどんなことをしてる人かがアタルの口から出てました。信者みたいな人を集めて稼ぐって…。
これって、世紀末に流行った手口ですよね~。
ドラマの冒頭で母の占ってる姿が出てましたけど、確かに同じことばっかり言ってました。
アタルは本当に人のことが見えて、占えるから母としてはアタルを教祖にして宗教でも始めようとしてたのかも?今までは未成年だからコントロールも出来たでしょうが、二十歳過ぎて疑問に思った娘に逃げられた…ってところでしょうか?
アタルは自分がテレビに出た事で母の信者が増えた事に罪悪感と責任を感じて、耐えられなくなったとかでしょうか?
若村麻由美さんをあの役に抜擢するところがまた妙というか…。
目力も強いですし、説得力があります。
アタルどうなる?
最後の最後、アタルの母が会社まで来てアタルに会いに来ていました。大崎は人の気持ちを汲むのが上手いから、うまく追い返してくれるだろう…と思い、公式HPの予告を見たら、やっぱり追い返してくれるようです。
でも、予告動画では母のもとに戻った様子が映っていましたので、どういう経緯で戻ることになるのかとても気になります。
次回の占い相手は代々木。
占ってあげる必要がない気もしますが、アタルは何と言って代々木を救うのか楽しみです。代々木のいい所ってなんなんでしょうか?
以上、「ハケン占い師アタル」第6話を観た感想でした。
テレビ朝日系木曜ドラマ「ハケン占い師アタル」オリジナル・サウンドトラック/CD/VPCD-86239 | ||||
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