NHKで放送中の吉沢亮さん主演の大河ドラマ『青天を衝け』。11月21日に第36回が放送されました。www.nhk.or.jp
前回、第35回の感想はこちら。↓
おもな登場人物
- 渋沢栄一:吉沢亮さん…渋沢家中の家(なかんち)の長男。剛情に自分の意思を通す強さがある。よくしゃべる。成長して商売の面白さを知り意欲的に働く一方で、百姓が武家に虐げられる社会の仕組みに疑問を持ち、世の中を変えたいと考えだす。長七郎から聞く江戸の話を聞いているうち、尊王攘夷の考えに目覚め、喜作も江戸に行った時かされたところで自分も江戸に行きたいと父に願い出て、江戸に出る。江戸で出会った志士たちに影響を受け、攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために喜作と旅立ち、以前知り合った一橋家家臣の平岡のおかげで無事京に入り長七郎に文を送って呼び寄せる。が、長七郎が上京途中で殺人事件を起こして捕らわれ、幕府に攘夷の思いを書いた文が幕府に渡ってしまう。栄一と喜作が上京の際に、平岡の家臣として上京したため幕府から一橋に問い合わせが来て、平岡から改めて一橋に仕官するかどうか?の決断を迫られる。長七郎を助ける手立てが見つかるかもしれないと思い、一橋家の仕官することになった。成一郎と関東へ出張し一橋の兵を集めて来る間に恩人の平岡が水戸浪士に殺害される。同じ頃筑波山で挙兵した水戸天狗党が上洛するという知らせを聞き、征討する慶喜に集めた兵と一緒に随行。成一郎が慶喜の密書を武田耕雲斎に届けたことで天狗党は降伏。征討せずに済む。攘夷運動の終わりを見た成一郎が武士として一橋と慶喜を守ると決断したのとは別に、篤太夫は自分の長所を生かして一橋家の勘定を任せてほしいと慶喜に提言し、受け入れられた。一橋家での自分の進む道が見えはじめた時、将軍家茂が逝去。慶喜が徳川宗家を継ぐことになり、篤太夫は成一郎、伝蔵と共に幕臣となり自暴自棄となる。が、パリ万博へ行くことになった慶喜の弟・昭武に随行することになった。パリでヨーロッパの最新技術に触れ篤太夫は嫌いだった異国から多くを学ぼうとする。大政奉還も2か月遅れて知らせが来て、日本の状況が分からないまま昭武に留学を続けてもらえるかどうか不安を感じながら過ごしていたが、水戸藩主・慶篤の急逝により昭武に水戸藩主の相続の命が下り帰国命令が出たことで帰国することになった。帰国後、見立て養子にしていた平九郎が関東の戦いで命落としたと聞かされ苦悩。旅の雑事を終えたのち故郷血洗島に帰る。次に洋行の報告と昭武の直書を持って駿府で謹慎中の慶喜に会いに行き、そのまま駿河の勘定組頭として出仕。武士と商人が協力して働く商法會所を設立し軌道に乗せる。その後、新政府から大蔵省への仕官の話が来て最初は断るつもりだったが大隈の話に心を打たれ新政府入り。改正掛で次々と新しい制度作りを進めるが大久保利通ににらまれたのち、改正掛を潰された。国立銀行設立の際の商人たちと話しているうちに、三井の番頭・三野村に「徳川の世と同じ。」と言われたことで官より民と感じ、大蔵省を辞める決意をした。民の一人として第一国立銀行設立に動き、総監役に就任。小競り合いを続ける三井と小野組、外国人の間に立ち取り持つ役割を果たす。しかし小野組が政府に官金貸し付けの担保を求められたことから、小野組に大口貸付をしていた第一国立銀行が巻き込み破産の危機に瀕したが、小野組の犠牲により危機を乗り越えた。大蔵省による西洋式の銀行監査の末、三井への特権が剝奪され栄一が第一国立銀行の頭取に就任。次に外国人商人の蚕卵紙の買い控え問題起こり、大久保に用意してもらった政府のお金で売れ残った蚕卵紙を買い集め外国が逆に買うというまで燃やすという奇策をし、栗本、福地に新聞報道してもらい世論を動かし外国政府をも動かす。また、銀行を作ったことで金中心の世の中となり貧民や職のない者が増えたことに責任を感じた栄一は、養育院を引き受けることにした。三菱の創業者・岩崎弥太郎から手を組まないかと誘われたが、個人か合本かで大激論の末断る。三菱が独占する海運業に対抗するため合本で海運会社を作ることにした。
渋沢家・中の家
- 渋沢てい:藤野涼子さん…栄一の年の離れた妹。お兄ちゃん子。平九郎と結婚の約束をしていた。平九郎の死後婿を取り中の家を継いだ。
- 渋沢市郎:石川竜太郎さん…ていの夫。
- 吉岡なか:村川絵梨さん…栄一の姉。はっきりとした物言いをする。同じ村の人に嫁ぐ。
尾高家
- 尾高惇忠(新五郎):田辺誠一さん…栄一の従兄。尾高家の長男。従弟である栄一たちに剣術などを教える。水戸の斉昭の尊王攘夷の考えに傾倒。各地から来る若者らを受け入れて尊王攘夷の考えを広めている。老中安藤を討つ計画に走ろうとしていた弟・長七郎を引き留め、自分の計画に参加するよう説得した。その後、逆に長七郎に自分の計画を命がけで止められる。上京の途中で殺人事件を起こした長七郎を救おうと動いてる。水戸の騒乱に関わりがあると疑われ、岡谷の陣屋に捕らえられる。村の人たちの訴えのおかげで放免された。篤太夫と成一郎が一橋家家臣から幕臣となったことに理解を示し、篤太夫がパリに行くための見立て養子として弟・平九郎を立てたいと申し出てきたことを受け入れた。鳥羽伏見に始まった幕末の戦いを見て、自身も江戸に出て戦に加わり関東の戦いで成一郎となんとか逃げ延び、成一郎が東北に行くのについて行かず故郷に戻る。弟たちの死で新政府を恨んでいた。栄一が「俺の手でこの国を救えるならなんだってやる。」という言葉に自分も新政府で働くことを決意。富岡製糸場の設立に尽力。フランス人講師・ブリュナとの話や地元住民との調整などをし、娘の勇に工女になってもらうことで多くの工女を集めることが出来た。工女たちには学問を教え、女性の社会進出の場を作った。
- 尾高やへ:手塚理美さん…栄一の伯母。惇忠、長七郎、千代、平九郎を育てた母。
- 尾高きせ:手塚真生さん…惇忠の妻。
- 尾高勇:畑芽育さん…惇忠の娘。
渋沢の家族
- 渋沢千代:橋本愛さん…栄一の従妹で惇忠、長七郎の妹。栄一の妻。口数少なく控えめだが芯は強い。
- 渋沢うた(歌子):小野莉奈さん…栄一の長女。
- 穂積陳重:田村健太郎さん…元宇和島藩士。歌子の夫。東大法学部講師。
- 渋沢こと:森美理愛さん…栄一の二女。
- 渋沢ふみ:山本理楽さん…栄一とくにの娘。
- 渋沢篤二:齋藤絢永さん…栄一の次男。
- 大内くに:仁村紗和さん…栄一が大阪出張で出会った女性。栄一の子を出産することになる。
- 伊藤兼子:大島優子さん…家族を養うために芸者となる。栄一の後妻。
- 渋沢喜作:高良健吾さん…栄一の2歳年上の従兄で幼馴染。渋沢一族「新屋敷」の長男。千代との結婚を望んでいたが、千代と栄一が思い合ってると知り身を引き、自分はよしと結婚。江戸に出て尊王攘夷の考えに触れ攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために栄一と京へ旅立つ。栄一共に一橋家に仕官する。上洛しようとする水戸天狗党に慶喜の密書を届けに越前に行った時に、天狗党の軍が疲弊しているのを目の当たりして攘夷運動の成れの果てを見たとショックを受け、これからは一橋と慶喜を守るために生きると決断する。朝敵とされた慶喜の汚名を雪ぐため戦うことに。京から大坂、江戸武蔵、箱館へと転戦。箱館の戦で土方に生きろと背中を押され逃げ延び、2年半投獄されていた。名前を「喜作」に戻し栄一の推薦で新政府に入った後イギリスで製糸を学ぶ。帰国後政府を辞め横浜で商いを始める。
- 渋沢よし:成海璃子さん…けんかの仲裁をした喜作に一目惚れし、自ら結婚を申し出る。結婚後は喜作を尻に敷き、栄一と喜作が上京してからは千代を支え夫の留守を守る。
第一国立銀行
- 佐々木勇之助:長村航希さん…小野組から第一国立銀行に移籍。のちに第一国立銀行を任されることになる。
静岡
- 徳川慶喜:草彅剛さん…水戸藩藩主・徳川斉昭の七男で徳川幕府最後の将軍となる。父・斉昭の期待を一身に受け、厳しい教育を施される。一橋家当主の後継が亡くなったことで、老中阿部正弘の推薦で一橋家に養子に入る。刑部卿となった自分を政界に復帰した父・斉昭が頼ってくるが将軍になる望みはないと言い切るが、いざ家茂が将軍となると寂しさを感じる。井伊直弼から隠居を言い渡され邸内の一室に籠る。謹慎中に父斉昭が亡くなり、親不孝をしたと泣いた。井伊大老が亡くなったことで政界復帰。将軍後見職に就き京に入ったが、攘夷ばかり口にする公家や天皇をどう説得すればよい分からない。自分を政界復帰に推してくれた島津久光とは合わない。栄一と出会ったことで徳川を守ると覚悟を決め、薩摩の政治介入を阻止しようと、中川宮の前で久光、春嶽、伊達を「天下の大愚物」と言って朝議参与を解散させてしまう。その後禁裏御守衛総督となる。家茂逝去で徳川宗家を継ぎ、家茂に代わり長州征伐をしたが敗戦の色が濃くなると退却。孝明天皇の強い願いに応え、征夷大将軍となる。パリ万博に派遣する弟の昭武の一行に篤太夫(栄一)を加えた。大政奉還をして朝廷に政権を返上。朝敵のみなされ大坂城を出て江戸に戻り上野の寛永寺で謹慎。のち水戸から駿府へ移る。静岡で趣味に生きることになる。
- 猪飼勝三郎:遠山俊也さん…慶喜の家臣。
- 川村恵十郎:波岡一喜さん…一橋家の家臣ののち幕臣となり、明治以降は駿府へ。
- 徳川美賀子:川栄李奈さん…慶喜の正室。慶喜が謹慎が解かれたのち静岡に移り、側室と共に同居することになる。
新政府
- 岩倉具視:山内圭哉さん…公武合体のメリットを孝明天皇に説く。政争に負け浪人生活。政界に復帰したのちは薩摩の人たちと王権復古を遂げ、そのまま新政府に入る。
- 三条実美:金井勇太さん…攘夷志士たちに押され、幕府に攘夷せよと言う。明治以降は新政府に入る。
- 明治天皇(睦仁親王):犬飼直紀さん…
- 井上聞多(馨):福士誠治さん…尊王攘夷派の長州藩士だったが、伊藤俊輔らとロンドンに渡り開国派に。維新後は大蔵省に入り、栄一はその右腕となる。
- 井上武子:愛希れいかさん…井上の妻。
- 井上末子:駒井蓮さん…井上の娘。
- 伊藤俊輔(博文):山崎育三郎さん…長州藩士。のち初代首相となる。
- 大隈重信:大倉孝二さん…佐賀藩士族。明治2年新政府で大蔵省の実質トップに就任。栄一を新政府に誘う。
- 大隈綾子:朝倉あきさん…大隈重信の妻。
- 杉浦愛蔵(譲):志尊淳さん…外国奉行支配調役。徳川昭武のパリ派遣随行員の一人。栄一と親交を深めて維新後は静岡に行き、のちに栄一が明治政府で栄一が立ち上げた民部省改正掛の一員となる。
- 前島来輔(密):三浦誠己さん…遠州中泉奉行。元幕臣たちの働き口や住まいを与えようと奔走。栄一の要請で新政府に入り近代的な郵便制度を確立。日本郵政の父となる。
- 赤松則良:上村海成さん…元幕臣。造船の父となる。
- 玉乃世履:高木渉さん…岩国藩出身。改正掛で旧幕臣の栄一に反発していた。のち司法官となる。
商人
- 五代才助(友厚):ディーン・フジオカさん…薩摩藩士。長崎遊学の経験から世界情勢に精通。貿易による富国強兵を唱えてイギリスに留学中、フランス万博の情報をいち早く得て薩摩藩として参加を実現。幕府の威信を落とす。この時幕府側として参加していた栄一とは、のちに「西の五代、東の渋沢」と呼ばれる実業家となる。
- 岩崎弥太郎:中村芝翫さん…土佐出身。三菱商会を創業。
- 岩崎弥之助:忍成修吾さん…弥太郎の弟。
- 益田孝:安井順平さん…三井物産総括。
- 大倉喜八郎:岡部たかしさん…大倉財閥の創業者。栄一と鹿鳴館、帝国ホテルを設立。
第36回のあらすじ
栄一は、一社で日本経済を動かそうと独走する三菱に対抗して、海運業者の合本組織・東京風帆船会社を設立した。
営業開始に向け準備を始めたが、栄一が銀行が上手くいかなくなって首をくくったという新聞記事が出るなどして風帆船会社に悪評が立てられ、開業しないうちに暗礁に乗り上げる。
ほか、三菱の岩崎は商人たちを集めて海運業より商社を作ろうと持ち掛け、合本に人が集まらないように根回ししていた。
一方。栄一が院長を務める東京養育院では物価の上昇や収容者が増え、さらなる財政難に陥っていた。
東京府会では「貧困は己の責任」とし、貧民を税で助けて努力を怠らせることになる。という意見が支持されていた。
それに栄一が、養育院は経費削減に努めているし救済せねばならぬと主張したが、税収がひっ迫している現状をみない理想論だとはねのけられる。
しかし栄一は「国が一番守らなけらばならないのは人だ。」と食い下がったが「未熟な日本には、全ての人間に手を差し伸べている余裕はない。」と一蹴され、岩崎が言うような優秀な人間が国を支えねばならぬという意見が大半という事実に直面。
栄一の理想論は負けた。
栄一の長女・うたに、元宇和島藩主である伊達宗城(菅原大吉さん)が縁談を持ってきた。
相手は、伊達家の旧臣の家柄で元宇和島藩士である穂積陳重(田村健太郎さん)。国の命令で留学したのち、東京大学に法学教員として勤めることになっていた。
穂積とうたは見合いの席で話が合い、結婚が決まった。
その頃。北海道開拓使の官営工場が薩摩の五代友厚に不当に安く払い下げられていると報道が出て、報道薩長の藩閥政治を許すなという声が強くなってきていた。
実際は、大隈が北海道開拓に乗り出そうとしている三菱に便宜を図っていたというものだったが、民権運動家は払い下げに反対した大隈重信をたたえ、薩長を批判。
伊藤博文らによって大隈を排除する動きが出て、大隈は政府を追い出された。
これが明治十四年の政変。伊藤博文が権力を握り、それを井上馨たち薩長の人たちが支える体制となった。
五代友厚はでたらめな記事を書かれたことで北海道での商売が出来なくなったが、大隈が叩かれることを良しとせず、反論しなかった。
名誉や金より目的だという五代。皆が協力一致して豊かな日本を作ることが正義だと言い、岩崎の方が自分より商売人として優れてると冷静に分析。栄一にも負けてると言い「おはんは、おいに比べてずっと欲深か男じゃ。」とバッサリ。
岩崎とは違うと言い返す栄一に「岩崎君もおはんも己こそが日本を変えてやるという欲に満ちている。」と言うのだった。
三菱の横やりで暗礁に乗り上げていた東京風帆船会社に、北海道運輸会社と越中風帆船会社などの各社を合同させるために、資本金は600万円のうち260万円を政府が融通すると井上馨が持ち掛けてきた。
政府を辞めた大隈が政府に対抗して新しい政党を作ろうとしており、その資金源となっているのが三菱。政府は栄一たちに三菱の独走を打ち破る新会社設立を期待していたのだ。
夫たちの争いをよそに、大隈の妻・綾子は井上の妻・武子を通じて、千代に歌子の祝言の準備の参考にと、以前大隈家の養子取りの時の献立を託していた。
妻たちは歌子の嫁入りを心から喜んでくれ、栄一の妹・てい夫妻も歌子の結婚に東京まで駆け付けてくれた。
明治15年春。歌子と穂積陳重は結婚した。
栄一は歌子の結婚で自分の若い頃を振り返り、正しい道を突き進んできた若い頃と違って、今は五代に欲深いと言われたと嘆いていた。
そんな栄一に千代は「お前様は昔から欲深いお方でしたよ。」と笑う。
正しいと道に進むためには妻子も置いてどこでも行ってしまい、働いたお金を攘夷に使い、思う道に近づけると思えば敵と思う家にも平気で仕官した栄一の過去を振り返った。
千代は、栄一の考えが分からず寂しい思いをしたと言ったが、栄一の心が「誰よりも純粋で温かいことも知っております。」と微笑む。
そして栄一が若い頃に異人たちと商いをして父に褒めてもらった夢を思い出話をし、心根はあの頃と変わらない。両親もきっと褒めてくれる。と励ました。
千代は歌子夫婦の孫を楽しみにし、苦手な牛乳を健康のために飲んでみせるのだった。
しかし千代が突然病に倒れた。コレラだった。
コレラは感染力が強く、子供達は母に近づくのを禁じられた。
栄一は千代に寄り添い、共同運輸会社の発起人大会を欠席。喜作は涙をこらえての出席だった。
子供達とくには、千代と会えずにただ祈ることしかできずにいた。
栄一は病床の千代に「死ぬな。お前がいなくては俺は生きていけねえ。もう何もいらねえ。欲も全部捨てる。お前さえいればいいんだ。」と言う。
しかし千代は「生きて…生きてください。生きて…必ずあなたの道を…。」と言いかけて息絶えた。
栄一は「逝くな。逝かねえでくれ。置いてかねえでくれ。お千代!逝くな!」と泣きじゃくった。
歌子が駆け寄ろうとしたが、医者と夫の穂積に押さえられ近づけず。
ことと篤二は動けず。ふみは母のくにと寄り添って耐えた。
千代は火葬され、駆け付けた惇忠は千代の突然の死に驚いた。
歌子は、母の死が受け入れられず泣き続けた。
よしと喜作夫婦は、歌子夫婦と惇忠に寄り添った。
くには、呆然となっている栄一を遠くからそっと見守ることしかできなかった。
…というお話でした。
五代様言い訳せず
三菱の策略で、北海道の官営工場を安く払い下げられていると新聞報道された五代友厚。
栄一が反論するように言っても、大隈が叩かれるからと否定しなかったです。
名誉よりもお金よりも目的。国が豊かになればと北海道の開拓事業をするのが自分じゃなくて岩崎でもいいってことを言いたかったのかな?
岩崎も渋沢も自分がやるんだと思ってる、って指摘した場面は面白かったです。
そのためには自分が汚名を着せられていても構わない五代。
『あさが来た』でも新聞報道で五代が追いやられる姿は描かれていましたが、当時朝ドラを見ていた時は本当にそんな商売をしてるのかと思ってました。
それが今もよくある報道や噂で人を追い落とす作戦だったとは…!!
反論しても薩長の強い守られた立場の人間が何を言ってる!?ってかえって信じてもらえない事態になっていたかもしれない。
今も皇族だった人がどれだけ反論しても、守られてる存在で強い立場が何を言ってる?って聞く耳を持たない人がいらっしゃるし。
強い人は叩かれてもいいという雰囲気は、今も昔も変わらないんだな…と思いました。
五代も国のお金で儲けさせてもらってるのに…!とか、薩摩の人間は政府と組んで悪い商売をしてるはずだ。自分たちが儲けられないのは薩長が経済を牛耳ってるからだって思わされてたんでしょうね、当時の国民の人は。
実際、薩長が政治を牛耳ってたし経済は良くならないし。理由を突き止めた!と新聞が報道すれば信じてしまいますよね。
それでそれを倒すという名目で現れた三菱にますます人気が高まって、支持されて大きくなっていく。
三菱の一人勝ちを民衆が支持していく…。
いつの時代も報道で人が動かされるのは変わらないなと思いました。
言い訳しない五代様がカッコよくもあるけど、いつか分かってくれたらいいって、いつまでも誤解する人は誤解し続けるのに…反論した方がいいのになと思いました。
歌子の結婚
栄一の長女・うたさんが結婚しました。
相手は学者さんで、商売人じゃないんだ…と驚きました。
栄一が娘を嫁に出したくないからって、見合い話を持って来てくれた元宇和島藩主の伊達宗城さんにふてくされた態度を取ってるのが面白かったです。
でも、元藩主の人が訪ねて来てくれるほど栄一ってスゴイ人だったんだなと驚きました。
栄一が政府にいた時も特に交流があるようには思えなかったし、縁談を持って来てくれるほど栄一を買っていたんですね!
そういえば、栄一が改正掛で次々と制度を整えて行っている時に伊達さんは「改正掛はよくまとまり、仕事が早いですな。」って褒めてた場面がありましたよね!
歌子も相手の人を気に入って楽しそうにしてたし、二人で話してる姿もいい雰囲気だったし、若い可愛い夫婦だな~と思いました。
幸せそうだったのに…
娘の結婚、子供達もお母さんの言うことを聞いて素直だし、言うことないくらい幸せだったのに、千代が突然病に倒れました。
亡くなった後に惇忠さんが駆けつけて「なぜこんな急に。」と言ってたのが全てだと思いました。
流行り病ってこうやって急に襲ってきて人の命を奪っていく。
千代だって楽しく過ごしていたのに。孫が生まれるかもしれないと楽しみにして。
「楽しみだいね。」って言葉、ゑいさんもよく言っていた言葉を千代も言っていて、千代のお母さんぶりがよく分かるいい回だなと思ってたのに。
栄一が「逝くな。逝かねえでくれ。置いてかねえでくれ。」と泣きすがる姿にはもらい泣きしました。
置いていかないでほしい。ずっと一緒にいてくれるだろうと思ってた人が突然亡くなるなんて、寂しくて怖くてそう思うと思います。
それにしても本当に千代さんはいい奥さんでした。
ずっと栄一を信じて待ってくれて、子供達にもしっかり教育をして義理の両親にも尽くしてくれて。
いい人でした。
善人の早死にって言いますけど、千代さんはまさにその通りの人でした。
来週からいなくなるのは寂しいです。
次回の予告ではもう後妻役の大島優子さんが登場してました。
早くない??
いつもそっと見守ってくれていたくにさんの立場はどうなるの??
色々気になる次回です。
以上、『青天を衝け』第36回の感想でした。
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