コナリミサトさんの漫画『凪のお暇』8巻が2021年1月に発売されました。2019年黒木華さん主演でドラマ化もされてます。
8巻のネタバレ感想を書いていきます。
凪に会いに北海道へ行くゴン
前の巻・7巻の最後では、PCでビデオ通話した時の凪が怖い表情になっているのに気づいたゴンが、凪のいる北海道まで駆け付けたものの、凪の実家の住所も分からず、スマホも壊してしまって途方にくれる…。
…というところで終わっていました。
ゴンはメンヘラ製造機で、誰のことも好きでないのでは?
いやいや!
これまでは来るもの拒まずでどの女の子も受け入れていたゴンが、凪への恋心に気づいたからなのでした…。
7巻の感想はこちら。↓
昔のあだ名
凪は実家にいる間も、家にたくさんあるミカンを焼いてみたり色々工夫して食べようと頑張っていた。
昔の通学路を歩いていてふと入ったパン屋が、小学校の時の同級生・布施くんが親のあとを継いでやっていた店だった。
小学校時代の布施くんのあだ名は"フケ"。凪は天然パーマの菌が移るとからかわれて"大島菌"と、それぞれあだ名をつけられていたことを思い出す。
子供時代の残酷なあだ名のせいで、今やってるお店も儲かっていない。
「地元は一回しくじったらおわり。ずっと地獄。」と言う布施くんに凪は青ざめるのだった。
ーーー小学校時代のあだ名をずっと引きずりますかねぇ?
私の場合、地元に仲がいい子が少なかったので、覚えてくれてるだけでも驚きです。
顔を見ても誰って名前まで言えるかな?
一回しくじったらおわり、って言葉ちょっとわからなかったです。
たった2駅で別の国
家に帰ってきてからも「地獄」という言葉が頭から離れない凪。
家にたくさんあるミカンを焼いたり、絞ってドレッシングにしたり…。あるもので色々工夫してなんとか生活をよくしようとします。
朝の雪かきでは、地面に根強く残る根雪をなんとかしたり…。
スーパーでまた高校の時のヒエラルキー上位のキラキラ女子3人に遭遇。今度は学生の時とは違って頑張って会話に入ろうとして弾かれます。
地元ではずっと立ち位置が変わることがないのかと諦めかけていた頃、移動販売の帰りの布施くんに再会。他の町では布施くんのパンが売れたという。
「地元では一回でもしくじったら地獄って。でもたった2駅離れるだけでもう別の国なんだよ。」と意外と突破口はある、と教えてもらって大喜びする凪でした。
同級生の言葉に落ち込んだり悩んだり、喜んだり…。
凪は本当に純粋だなぁと思います。
エリィの行動に感動!
凪に会いたい一心で、凪の実家の住所も何も知らずに北海道に降り立ったゴンさん。
スマホも壊れてしまって、どうなるの?と7巻を読んだときは思いました。
しかし!ここでゴンさんに奇跡が起こります!!
どういう奇跡かというと…。
ネットカフェで調べた東京のライブハウスに電話をかけエリィ連絡を取ったゴンさん。
イベントで使う機材を入れた段ボールをエリィに預けてたのです。
その段ボールは、凪の実家から送られてきたとうもろこしが入っていた段ボールで、ゴンがもらっていたもの。
ずぼらはゴンは、送り伝票を張り付けたままでエリィに渡していました。
エリィは、まだゴンに未練がありました。
でも、周りの女の子たちが次々にゴンにハマってはメンタルをやられていくのを見ていられず、失恋した女の子たちをフォローする役割をずっとやって来ていたのです。
「みんなのゴン」にすることでなんとか気持ちを落ち着かせてきたのですが、ゴンが恋する相手に出会ったと知り、みんなのゴンを終わらせる事を決断。
ゴンに、段ボールに張り付けてあった凪の実家の住所を教えてくれたのです!!!
奇跡!!
ゴンのずぼらさがこんなところで役に立ちました!!
そして、エリィの優しさに感謝です。
エリィもちゃんと失恋したかったんだね!!
このエリィの決断、割とサラッと流されていましたが、私はこの8巻の中で一番感動しましたよ!
ずっと達観したキャラで通してきて、本当はゴンさんを渡したくないのに、ゴンさんが好きな人に会えるように教えてあげた。
偉いです!!
ゴンさんが好きだから、そのゴンさんがうまくいくように助けてあげた。
偉いぞ!!エリィ!
大好きなキャラになりました。
凪の両親の話
こうして、凪の実家が分かってようやく凪の実家にたどり着いたゴンさん。
でも、凪の母・夕が怪しんで追い返してしまいます。
ーーなんで追い返したのか??
8巻では、凪の両親の話が出ていました。
おばあちゃんの話によれば、東京に出て男に騙されて子供作って地元に帰ってきたっていう話でした。
凪のお母さん・夕は、東京で音楽をやっている凪と髪の毛がそっくりな男と出会って恋をして、ビッグになる!というその男の言葉を真剣に信じて応援してました。
でも子供が出来たと告げると、「幸せにする!」と約束したのにある日突然姿を消してしまった。
途方に暮れた夕は、凪をお腹に抱えたまま北海道へ帰郷。凪を生んだ。という話でした。
夕は、いつか凪の父が自分を迎えに来てくれる妄想を抱いていたのに、実際にやって来たのは、凪を迎えに来たゴンさん。
自分にはいつまでたっても王子様が迎えに来ないのに、凪には迎えがやって来た。
娘に出し抜かれた!と思った夕は思わずゴンさんを追い返してしまったのでした。
ーーーもう最悪!
この母親なに?娘に依存しすぎじゃない?
「私はあの子を私の王子様にしたのに。」ですって。
怖い!怖すぎる!!
凪の父との思い出話の回想シーンでも、父の友達に「アンタ自分がなさすぎ。もっと自分を持ちなよ。」と言われていました。
既に若い時に指摘されてたのに、変わろうとしなかった母自身の問題ですよねー?
凪に全部背負わせるのはかわいそうだなーと思いました。
感動の再会
お母さんに追い返されたゴンさんでしたが、腰を打って路上に倒れてたところに通りかかった近所の高校生・マサルくんに発見されます。
そして、凪と凪を主人公に映画を撮りたいという女子高生・宇堂愛恋のもとに連れていかれます。
久々に凪と会えたゴンさんは言葉が見つからず「来ちゃった。」とだけ伝えました。
やっと会えたーーー!!
7巻を読んだときは本当に会えるのか心配でしたけど、会えてよかったーー!!!
ゴンさん、凪が布施くんと仲良く話してる間にスッと入って邪魔したりして、とーってもかわいかったです。
愛恋ちゃんと布施くんは、わざわざ凪に会うためだけに東京から北海道までやって来たゴンさんを見て「愛ですね。」と大騒ぎ。
私も読んでて嬉しかったです!!
自分のゆがみに気づく夕
北海道の観光地にゴンを連れていこうとする凪に、「近場でプラプラしてまったりしたい。」というゴンさん。
布施くんのすすめで凪の実家に連れていくことになりました。
祖母と母の反応が怖い凪は、はしごを使って2階に上がって来てもらい、部屋にゴンを通します。
2人きりで緊張する凪とゴンの描写がかわいかったです。
凪との楽しい時間を過ごしながらゴンさんは「俺、凪ちゃんとの未来が欲しい。」と思うゴンさんでした。
東京でしっかり体の関係まであった二人とは思えません…。
そんな二人を家の外から見てしまった凪の母・夕。
急いで部屋に駆け上ってきて、凪は慌ててゴンに出て行ってもらってました。
夕は自分も音楽関係の自由人のたれ目のヒゲが大好きだから、自分と同じような男を好きになって子供でもできて捨てられるのが見てられない!と全力で止めようとします。
しかし、自分が出来たことが失敗だったのか?と逆に問い詰める凪。
「なんてこと言うの?そんなわけないでしょう。」と全力で否定する夕でした。
夕は凪を生んだこと以外、失敗続きの人生だと思ってるみたいです。
なんかもう哀れでした。
凪を愛してるのか依存してるのか、自分のことは自分で解決してほしいです!凪に期待をかけて自分の代わりにしないで欲しい!!
そんな事を思っていたら、偶然整骨院で隣り合わせる夕とゴンさん。
夕は、凪をどうしたいのか?とゴンさんを問い詰めます。
「凪ちゃんとの未来が欲しい。」と正直な気持ちを言うゴンさん。
自分と凪は違う。お父さんとゴンさんも違う。
やっとそのことに気づき始めた夕。
捻挫した足を手当てしてもらいながら、歪んだ体を指摘される夕。
歪んだ体を通して、自分の考えも歪んでいるのでは?と気づいていました。
お母さん!!
やっと分かってくれたのかな?
凪に何かしてもらうことばかりで自分では何もしないお母さん。
凪は自分で気づいて自分で何とかしようと変えようと頑張ってるよ!!
お母さんも変わって欲しいなぁ…と思いました。
ゴンさんがとうとう…
凪との未来が欲しいと言って、凪の母・夕に「保証がないことをよくも。」と言われたゴンさん。
凪に対してある言葉を言うのでした………。
ここで8巻の本編の話は終わり!!
いいところで終わってましたよ~~!
凪もゴンさんに北海道まで来てくれて、ちょっと期待してたし、ゴンさんを受け入れてあげて欲しい!
ちゃんと信じてあげて欲しい!
もうメンヘラ製造機じゃないぞ!ゴンさんは。
ドラマでは、ゴンさんと慎二が2人で北海道に迎えに来てましたけど、原作ではゴンさんだけ!!
そりゃあもうゴンさんを選びますよね?
私は最初からゴンさんがいいと思ってたんで、本当にゴンさんとうまくいって欲しい!!
ゴンさんを選ぶことで、お母さんも浄化されるような気がする。
お母さんだって、凪のお父さんがまだ迎えに来る可能性もあるし!!
いい終わり方して欲しいなぁと思います。
最後に
第8巻では、お母さんから見た凪への本音、ゴンさんから見た凪への思いが中心に描かれていました。
凪本人は、ゴンさんから思われていることに気づいてないし、お母さんが自分にかなり依存しているのも気づいていません。
近所の高校生・マサルくんも凪に興味津々で、勝手に凪に一目ぼれして追ってきた女子高生・愛恋ちゃんも初登場!で、みんな凪のことが好きなんだな~と思いました。
高校時代のキラキラ同級生たちも、地味な凪のことなんて覚えてないのかと思いきや、ちゃんと覚えてくれていたし、実は凪って自分が思ってる以上に魅力的な人じゃないですか?
私は自分と仲良くしてなかったクラスの子のことなんて、全く覚えてません!
覚えられているだけでも、目を引いたってことだと思います。
8巻も面白かったです。
以上、『凪のお暇』第8巻を読んだ感想でした。
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