コナリミサトさんの漫画『凪のお暇』10巻が、2022年8月16日に発売されました。この漫画は、2019年黒木華さん主演でドラマ化もされてます。
10巻のネタバレ感想を書いていきます。
円の活躍に追い詰められる慎二
前巻の9巻で、都合のいい女だと思っていた円に居心地の良さを感じ、プロポーズした慎二。
なぜなら、勤勉に働く父を明るく支える母。という慎二の理想的な家庭が、円となら築けると思ったから。
しかし、慎二が理想の家族と思っていた円の両親が、実は、バリバリ働く母に、専業主夫で支えていた父。だった。
円は、両親と同じようになりたいと思い、慎二に家庭に入って欲しいと考えていたのだった。
…というところで9巻は終わっていました。
今まで慎二のことを、女性を下に見てて腹立つな~と思ってきたので、この展開に正直よし!!と喜んでいた私。
そんな9巻の感想はこちら。↓
10巻では、そんな慎二が円に次々に顧客をとられていく。
さらに円に『働く女性への直撃インタビュー』というネット記事のなかで、働く自分を支えてくれる理解ある彼氏にプロポーズされた。と話を広められてしまう。
円に仕事をとられ、会社内でどんどん居場所がなくなっていく慎二。
しかし慎二は、円から逃げようとしない。
なぜなら、逃げてもどうにもならなかった人生を送ってる、父や兄のようになりたくないと考えているから。
自分からプロポーズした手前、働く母を支える父という結婚の形を望む円に本音を言えない。
円にとって、いい彼氏を演じ続けてました。
円に会社中に自分たちの仲を言いふらされ、周りの堀を埋められる慎二。円の思う、"夫に支えられる結婚”へ向かっていくのを止められないのだった…。
ーーー正直私は、慎二の凪へのひねくれた態度が好きじゃなかったので、円に追い込まれていく状況はザマーミロって感じです。
せいぜい男のプライドを大事にして頑張れ!
でも…
プライベートで追い込まれるだけじゃなくて、仕事まで恋人に奪われていくのは哀れです。
話が進むにつれ同情する気持ちになってきました。
凪の母をもてなすゴンさん
凪にお膳立てされて、東京生活を満喫中の母・夕。
エステ行って、行きたいところへ行って、ウキウキの毎日。
でもどれだけやりたいことをこなしても、欲は尽きません。
そんな夕を、好きな凪のお母さんだからと尽くす隣人・ゴンさん。
ゴンさんの尽くし方は独特。
バックハグしたり、家具屋さんでベットの感触を見るのに夕に添い寝をさせようとしたり…。
元々ロン毛のヒゲという見た目の人が好きなお母さん・夕は、そんなゴンさんにドキドキしっぱなし!!!
凪のお父さんと重ね合わせて見てしまってます。
ーー9巻に続き、凪のお母さんに変なもてなしを続けるゴンさん。
凪のお母さん・夕は、ゴンさんを見るだけで肌通ツヤが良くなるくらい。刺激を受けてしまってます。
うーん。
ゴンさんって、凪のこと本気で好きになって恋をしたい。独占したいって思ってるんですよね???
なーんで、凪の母親とはいえ別の女に軽くスキンシップしたり出来るんかなぁ??
凪が最初好きになった相手だし、真面目に凪のこと考えて北海道にまで行って、このままうまくいって欲しいなと私は思ってました。
慎二よりゴンの方が、凪にとっては幸せだと思うし。
けれど…。
お母さんにまで、同じ態度とは!!
私は最初からゴンさん派で、真剣に恋をしたゴンさんを応援してましたが、ちょっと嫌になってきました。
夕の行動に衝撃!
ゴンさんの、メンヘラ製造機を作ってしまうほどの優しいもてなしのせいで、夕がとうとうある行動に出ます。
ーーこれにはかなり衝撃を受けました。
夕って、夢見る夢子ちゃんで前から危ういところはあったけど、どうしてそう自分の思うままに行動してしまうのかな??
ゴンさんが好きなのは凪!!!
ゴンさんも信じられないけど、夕も信じられない!!
ゴンさんもそんな夕に触発されたのか、おかしな行動するし。
10巻は変なことが起こり過ぎて、頭が大混乱!!!です。
ーーーこれから読もうと思ってらっしゃる方!!
心してお読みください。
何回か読み直さないと、理解が追い付きませんよ!
明かされるみすずさんの過去
前々からゴンさんと夕が話してるのを見て、危機感を持っていた凪の東京のアパートのもう一人の隣人・みすずさん。
建設会社で働き、娘のうららちゃんと二人暮らしをしてるお母さんです。
みすずさんは、うららと暮らす部屋に夕を呼び、食事をしながら、夕に自分の母の話をします。
夕は白石家の部屋の様子を見て、みすずさんを夫がいて娘がいる、満たされた女だと勘違いして警戒。
夕は田舎で一人親で娘を育ててきて、実母に抑圧されて暮らしてきたのだと話し、みすずに何も探られまいと先手を打ちます。
しかし…!?
みすずさんは、満たされた女ではなかった。
私は、前々からみすずさんのことは、クレーン車を乗りこなしリーダーとして男性社員たちに指示をする、うららちゃんにとって自慢のお母さんとして描かれていて、カッコいいなと思ってました。
夫が亡くなった時点で、実母に頼りそうなものなのに、自分の力だけで頑張ってきたみすずさん。
みすずさんの意外な過去にビックリしました。
カッコよすぎる!!
しかも凪のことまで気にかけてくれて、お世話してくれたり。
なんて強くて優しい女性なんでしょう…!!!
みすずさんがクレーンを動かすのを、うららちゃんが自慢げにしてた時と同じくらい感動しました。
満たされない夕の欲の核
みすずさんは、夕が東京に来てからゴンさんに近づいていっているのをハラハラと見守ってきてました。
そして夕に「あなたがこのお暇で満たされないのは 欲の核から目を逸らしてるからじゃないですか?」と指摘。
ゴンさんと近づいているのは、欲の核からわざと遠回りしてるんじゃないか?と見抜いていました。
凪の母・夕の欲の核って……???
ーーー
みすずさんと夕の対決が一番面白かった10巻。
みすずさんから見たら、夕があまりに幼すぎる!!
凪が夕に気付かせられなかったことを、みすずさんが見事に言い当ててくれてました。
スゴイ人だな~~。みすずさん。
これまではうららちゃんが一番好きなキャラと思ってたけど、みすずさんが一番好きなキャラに変わりました。
最後に
円のことで悩む慎二。
そんな慎二を励ましてしまう凪、も10巻では描かれてました。
その凪の存在に円が気づいているシーンがあったので、11巻は波乱になるかもーー??
あと、凪がいる北海道に、スナックバブルのみんなが会いに行ったりしてて。これも何か変化が起こるのでは??
マサルくん、愛恋ちゃんの高校生たちも、周りの人間関係やこれからの人生に辛さを感じてるし。
登場人物それぞれに動きあり、です。
色々火種を作ってる10巻でした。
続きの11巻が楽しみです。
以上、『凪のお暇』10巻を読んだ感想でした。
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これまでの『凪のお暇』の感想です。↓