2023年9月20日水曜夜10時からフジテレビ系で、ドラマ『ばらかもん』11話(最終回)が放送されました。
前回、10話の感想はこちら。↓↓↓
おもな登場人物
- 半田清舟(杉野遥亮)…27歳。高名な書道家・半田清明の跡継ぎとしてもてはやされて育ち、プライドが高い。本名は半田清。書道界の実力者・八神から「つまらない字。君は平凡の壁を乗り越えたことはあるか?」と言われ、皆の前で殴りかかってしまい、東京にいられなくなる。挫折をきっかけに長崎県の五島列島・福江島で一人暮らしを始める。島の人たちの言葉に感化され影響を受け、徐々に変わっていく。
<<七ツ岳郷のひとたち>>
- 琴石なる(宮崎莉里沙)…小1。清舟を慕い、清舟の家に入り浸る祖父と2人暮らしの自由奔放な女の子。柔軟な思考が清舟に影響を与えることに。
- 琴石耕作(花王おさむ)…70歳。なるの祖父。七ツ岳郷で農業を営む。島に来た清舟を村に案内する。
- 久保田育江(田中みな実)…30歳。看護師。陽菜の母。七ツ岳郷出身で看護師となり、上京後結婚。陽菜が2歳の時に離婚。七ツ岳に戻り陽菜を育てる。清舟の良き理解者。幼い頃から慕っていたヤスばを見送った時は普段のクールな姿とは変わって号泣した。
- 久保田陽菜(寺田藍月)…小1。なるのクラスメイトでいつも行動を共にする。なるとは違い、おとなしい性格。すぐ泣く。
- 木戸浩志(綱啓永)…高3。料理、子守など何でもできるが成績は普通。両親に平凡と呼ばれる。島に来た清舟の世話を担当することに。真剣に書道に取り込む清舟の姿を見て、自分の生き方を見直す。清舟のおかげで料理好きに気づく。
- 木戸朋子(山口香緒里)…49歳。郷長の妻で浩志の母。明るくおおらかな性格。昼ドラが好きで、清舟の世話に喜びを感じる。
- 木戸裕次郎(飯尾和樹)…55歳。七ツ岳郷の郷長で浩志の父で朋子の夫。清舟の家の管理人。世話好きな郷長で、島の人たちの面倒を見る。清舟にとって、島での父代わり。
- 野村ヤス(鷲尾真知子)…ヤスば。もちひろいで村一番多く餅を拾う。なるを優しく見守っていたが、体調を崩し亡くなる。
- 山村美和(豊嶋花)…中2。少々強引なところがあり、島の子どものリーダー。清舟を振り回しながらも、清舟のプライドをうまくくすぐり、コントロールできる賢さがある。なるにとってお姉さん的な存在。
- 新井珠子(近藤華)…中2。漫画家を目指すオタクな女の子。美和の親友でいつも行動を共にする。「書く」職業を持つ清舟に同じ匂いを感じ、意見を求めるようになる。
- 大浜謙太郎(加藤叶和)…小1。なるのクラスメイト。竹馬やコマが得意なガキ大将。
- パンチ(須永千重)…もちひろいで、拾った餅を横取りするが、もち拾い残れなかった人に餅を配ってあげるいい人だった。
<<東京のひとたち>>
- 八神龍之介(田中泯)…75歳。書道界の実力者で博物館館長。書展の審査員を務める。栄華賞を受賞した清舟の書を見て「型にはまった字。手本のような字。つまらない字。君は平凡という壁を乗り越えようとしたか?」と言い、清舟を憤慨させる。5話で清舟から謝罪を受け許し、今後の清舟の書に期待を寄せる。
- 神崎康介(荒木飛翔)…18歳。書道界のニュースター。清舟が書く字に感銘を受け書道の道に進んだ。自己中だが悪気はない。清舟の字が変わったことで手本がなくなり、スランプに陥る。
- 川藤鷹生(中尾明慶)…27歳。清舟の才能を信じる中学からの親友で、清舟が七ツ岳郷に行ってもマネージャーをしてくれている。
- 半田清明(遠藤憲一)…60歳。高名な書道家で清舟の父。優しいが不器用で無愛想。書で感情を表現する。清舟が書道に進むきっかけとなる人物。
- 半田えみ(長野里美)…清明の妻で清舟の母。清舟の五島行きをよく思っておらず。清舟が五島に戻るのを反対していたが、清舟の成長を目の当たりにし許可した。
11話のあらすじ
船に乗る清舟(杉野遥亮)が投げたテープを、少し髪が伸びたなる(宮崎莉里沙)が受け取る。
「これでお別れだな。」
寂しく見送る。
書道教室をはじめてたった3ヶ月でもう東京に帰るのか?清舟!と思いきや、清舟が持っていたテープは船に乗り込んできた浩志(綱啓永)に手渡される。
浩志が東京の調理師学校に通うための見送りだった。
感動のお別れなのに、清舟は、人が集まる港なら効果があると『半田書道教室』生徒募集の横断幕を持って来る。
そうとは何も知らずに、浩志に向けて横断幕を広げてしまった美和(豊嶋花)とタマ(近藤華)。
浩志は笑って旅立つことが出来た。
家に帰り、清舟に、空気が読めないと言って美和がダメ出しをしてそばで、スマホを持って思い悩むなる。
なるは、父の優一郎(岡田義徳)から送られてきたスマホで、電話をかけるかかけまいか悩んでいた。
なかなか電話をかけようとしないなるの代わりに、清舟は、自分がかけると言い出す。
なるに全力で拒否され、なるの親子関係に気を使っていた美和とタマが呆れるのだった。
書道教室の先生になった清舟は、書道タレントになった神崎康介(荒木飛翔)がテレビで活躍しているのにも興味なし。
美和とタマには、高校卒業するまでに実績を持たせたいと書道会に課題を送るよう熱心に指導。
なるたち小学生には、自分でお手本を書いて練習を積ませる。
そんな清舟になるは、前のように自分の字を書いて欲しいと言うが、教室の先生となった清舟は、教室の子どもたちが成長することが楽しみ。と言うのだった。
後日。
駆け出しのアイドル・ゆな(椛島光)が、カメラ担当のアキオ(今井悠貴)と共に島にやって来る。
田舎に来て、田舎の人に親切にしてもらう動画を撮るのが目的。
だが、パンチ(須永千重)には挨拶を無視され、清舟には泊まらせてほしいと頼み、ホテルをとった方がいいと断られる。
それでも引き下がらないゆなたちを、村の集まりに参加させる。
だが、テレビにも出ないネットだけのアイドルを誰も知らず。みんなホテルを取れと突き放す。
ショックを受けるゆなを見て、かわいそうになってきた清舟は、自分の家に泊めることにする。
自分も東京から来て村に人たちにうけいれてもらったから、今度は自分が受け入れる側になりたいと思ったのだ。
しかし、郷長(飯尾和樹)が清舟を受け入れたのは、清舟が友達の子どもだったから。
知り合いだったから親切にしてくれただけ。
今さら真実を知り、ショックを受ける清舟。
家には、美和とタマがいて、夕食は、パンチが差し入れてくれた。
夕食時。
ゆなに「宝物は何か?」と聞かれた清舟。
村になじむ気もなく、受け入れてほしいとも思っていなかった清舟。
「村の人が少しずつ一声をかけてくれるようになって、それが二声になって。」
「気づいたら会話になってた。今じゃ自分から話しかけてる。」
「全ては一声からはじまった。」
「一声は人を変えるんだよ。みんなからの一声が宝物。」
タマと美和には、くさいセリフに聞こえたが、ゆなは感動した様子。
翌日。
なるたち小学生たちが教室にやって来る。
話の流れで、清舟が有名な書道家だと知ったゆなたちが、記念に何か書いて欲しいとお願いしたが、教室の先生だからと全力で断る清舟。
ゆなたちは、諦めて帰って行った。
そんな清舟を、物足りなそうに見るなるだった。
新学期。
今年は新1年生がいない。
2年生になったなるは、陽菜(寺田藍月)の母・育江(田中みな実)に、先輩として新1年生を迎えたかったと不満を漏らす。
一方。
漫画の賞に応募したタマは、結果が載った雑誌を買って佳作を取ったと知り、大喜び。
そんなタマを見た美和は、父・巌(宍戸開)が、なるの父・優一郎の口利きでタンカー船に乗ることになり、父がいなくなる寂しさをぶつけられない。
巌に仕事を紹介した優一郎と連絡を取ろうと、なるにスマホを借りようとする美和。
頑なにスマホを貸そうとしてくれないなるに、父がいなくなる寂しさをぶつける。
普段しっかり者の美和が泣くのを見て、なるはスマホを貸した。
優一郎にまずは、仕事を紹介してくれたお礼を言い、仕事内容を聞く美和。
最後に、「一人で寂しくないですか?」と聞く。
「ざまな寂しかよ。早くなるに会いたかね。」
スピーカーにして、優一郎の答えをなるに聞かせた。
父の本音を聞いたなるは涙を目にためる。電話をかわりひととおり話したあと、
「お仕事ぎばってね!お父さん!」
やっと、優一郎を"お父さん"と呼べたなるだった。
東京では。
清明(遠藤憲一)が、なるがお茶こぼしたのをヒントにして、作品を完成させていた。
清明の作品の画像を見た清舟は、「俺には考え付かない。」と川藤(中尾明慶)に言う。
半田親子は、お互いのやる気に火をつける関係。
その二人のサポートに回る川藤。
島で一人、父の字を見て物思いにふける清舟に、分校の1年生歓迎会の招待状が届く。
歓迎会の日。
清舟が分校に着くと、新2年生が迎えに出てくる。
教室の一番前の席に座らされた清舟。
新1年生の代わりに、新1年先生である清舟を歓迎する会になった。
子どもたちの後輩になった清舟。
楽器の演奏、村の人たちが持ち寄った食事など、みんなに大歓迎された。
次に、新2年生が清舟に目隠ししてある教室に連れて行く。
目の前には大きな半紙と、大きな筆が準備してあった。
子どもたちがお金を出し、郷長が長崎で買ってきたものだ。
子どもたちが書くと思っていた清舟だったが、
「先生には、ずっと先生でいてほしい。先生が、先生の字を書くのを見たい。」
なるが言うと、他の子どもも字を書くカッコいい清舟が見たいと口々に言った。
筆を持った清舟は、久しぶりの感覚に身を震わせる。
「おおきんな。」
そう言うと、清舟は紙いっぱいに字を書いた。
字が完成すると、みんなが歓声を上げた。
同じ頃。
東京では、調理を勉強中の浩志と川藤、康介が会っていた。
なるから送られてきた清舟の字を見て
川藤は「あいつやる気満々じゃないか。」
康介は「ライバルが減ったと思ってたのにな。」と喜ぶ。
浩志は、清舟に勇気づけられた。
島では。
清舟が、第一村人のなるのおじいさん(花王おさむ)にトラクターに乗せてもらって島を走る。
川藤から書展に作品を出すよう催促され、答えた清舟。
川藤は、これからも仕事を取ってくると宣言した。
次は、防波堤の上にのぼってなると夕日を眺める。
そうやって島の生活を続ける清舟だったーーー。
…というおはなしでした。
面白かった!
このまま習字の先生だけになったらどうしようと思いましたが、ちゃんと最後作品を書いていてよかったです。
最初の怒ってばかりいる清舟は、人に当たり散らしてばかりで嫌でしたけど、書道を辞めると宣言したあとの清舟は、穏やかにはなっても楽しいのかな?と思ったから。
振り返ると。
4話の物々交換、わらしべ長者みたいに物がどんどん変わっていく回は面白かったですね!
暗闇でひとり、山に残されて星を見て感動するシーン。
よかったです。
周りが暗いと、星がキレイに見えるんですよね。
この回は、どんどん島の人たちと清舟がなじんできて、島の生活が楽しくなっていく様子がよく分かる回でした。
素直になっていく清舟がかわいかったです。
なるもお父さんと呼べてよかった
美和のおかげで、父・優一郎を「お父さん」と呼べたなる。
初回からずっと謎だったなるの親子関係。
優一郎はいい人だったし、思っていたより深刻な問題でもなく、平和で安心しました。
お母さんの話が出てこず終わりましたね。
続編があるならお母さんのこともやるのかな?
11話もあって出てこないのだから、もういないのかもしれないけど。
第一村人・なるのおじいさん
なるのおじいさんも、嵐の日に清舟を助けてくれて、神社の寄付者の名前を書くのを頼んできたり、石垣積みを頼んできたり、重要な時に関わるキャラでしたね!
最後もちゃんと清舟をトラクターに乗せてくれて、のんびり島を走る。
いい風景を見せてもらいました。
なると優一郎が絡むのも見たかったな。
育江さん
田中みな実さん演じる育江さんも良かったです。
すっかり女優さんになりましたよね。
『最愛』でも、重要なキャラを演じて演技力を発揮されていましたけど、『ばらかもん』の、ヤスばが亡くなって、霊柩車を追いかけたシーンは泣きました。
しっかり者の育江が、もう本当に会えないと分かって泣く。
そう、焼き場に行く時になって初めて、ああ、もう取り戻せないんだと思うんですよね。
焼かれるって、一番現実を突きつけられます。
浩志は東京に
浩志は予想通り、東京へ行きましたね!
ただ料理が好きなだけで、就職までは出来ない。
ちゃんと基本を勉強してからと考え直したんですね!
いきなり長崎の料亭に就職ったって、その料亭だって料理を最初から教えるより、基本を知ってる人の方を採用するだろうし。
東京での生活もどうなるのか?
康介と川藤がいるから大丈夫でしょう!
それにしても。
康介とのBLは、タマのただの妄想だったのか、ちょっとがっかり。
タマすごい!
タマちゃん、初めて漫画を出して佳作ってすごいですね!
これで本当に漫画家になるのかはこれからのお楽しみですけど、題材がBLとホラーじゃなくて、清舟となるがモデルだったんとは!
前に描いていた漫画も見てみたかった!
美和ちゃんが泣く
いつか店を継ぐと言っていた美和ちゃん。
お父さんがタンカーに乗ると聞いて、かなり取り乱していました。
本当にお父さんが好きなんですね!!
なるに心を開いて!と言っておきながら、実は自分が心開いてないと気づいた美和ちゃん。
素直に泣いている姿は、胸を打ちました。
なるだけが問題かと思ってたけど、美和ちゃんも素直に人に頼れない人だったのか。
最終回でみんないい方向に向かっていったと思います。
今週の字
清舟が書いていたのは、小学生に書いていた見本の『げんき』。
紙と筆を用意された書いた『楽』
でした。
『楽』は、初回でも書いていましたね!!
最初の頃は素直じゃなくて、ちょっと腹立つところもありましたが、字は嘘をつけない。
また原点に戻る字を書いて最終回おわり!
面白かったです。
毎週、どんな風景を見させてくれるのか、なるが何を言うのかを楽しみにしていたので、終わるのが寂しいです。
主演の杉野遥亮さんは、『ヤンキー君と白杖ガール』、『罠の戦争』、『どうする家康』ででも見たことありましたが、どの役も全力で、どの役も印象に残っています。
いい俳優さんです。
『罠の戦争』で杉野さんが話していた竹の花の話が、『らんまん』でも出てきた時には震えました。
『らんまん』には杉野さん出ていないけど。
もっともっと杉野さんを見てみたいです。
『ばらかもん』の続編も期待しています。
以上、ドラマ『ばらかもん』11話(最終回)を見たネタバレ感想でした。