毎週土曜夜10時から放送中の柴崎コウさん主演ドラマ『35歳の少女』。
11月28日に第8話が放送されました。
第7話の感想はこちら。↓
おもな登場人物
時岡望美:柴咲コウさん…1995年。10歳当時の夢はアナウンサー。自転車の事故で意識不明となり25年後35歳で目覚めた。心は10歳のままで、35歳の自分を悪夢だと思う。初恋の相手・結人がすっかりやさぐれたおじさんになってるのを目の当たりにしショックで大泣きする。
時岡多恵:鈴木保奈美さん…望美の母。望美が目覚めると信じ、手足のリハビリを欠かさずやってきた。望美が意識不明となった5年後に夫・今村信次と離婚。30歳となった望美の妹の愛美と別に暮らしている。
時岡愛美:橋本愛さん…望美の妹。意識不明となった姉のにつきっきりで看病をする母に相手にされず寂しく育った。同じ職場の同僚・相沢を部下の林田に取られ失恋。
今村信次:田中哲司さん…望美の父。離婚して今は昔からの知り合いだった加奈と再婚。引きこもってる加奈の息子・達也との関係に悩んでる。
今村加奈:富田靖子さん…信次の現在の妻。嫉妬深い。引きこもりの息子・達也にビクビクする毎日。
今村達也:竜星涼さん…信次の義理の息子。引きこもり。
広瀬結人:坂口健太郎さん…望美の初恋の相手。望美に『モモ』を貸していた。望美に勉強を教え「教え方が上手。先生になったら?」と言われ、一度は教師になるものの今は辞め、代行業をやっている。再会した望美が10歳の少女のままで戸惑う。
相沢秀男:細田善彦さん…愛美の同僚。元彼。
林田藤子:大友花恋さん…愛美の部下。
変わってしまった望美
7話で周りの人間たちに絶望し、孤独を感じた望美は「これからは一人で生きていく。もう誰の幸せも祈らない。みんなを笑顔にしようとも思わない。」と言って姿を消していました。
何も持たない人が急に家出して、どこかの宗教施設にでも身を寄せているのかと思いきや、望美は何故か結構広めのマンションで一人暮らし。
そこからYouTube配信をして、無駄に時間を過ごしている人から時間を買い、逆に忙しくして時間が足りない人に売るというビジネスをして生きていました。
YouTubeでお金を稼げるようになればお金が入ってくるでしょうけど、どうやって部屋を借りれたのか?
保証人はいたのか?
家具は?カメラや道具はどこから手に入れた?
ネットで稼ぐという知識はどこから手に入れた?
とか色々細かい説明は何もなしで、いきなり簡素な部屋に一人で暮らしてひたすら動画配信してる気持ち悪い望美。
喋り方もこれまでの甘ったれた感じは一切なし。
鈴木保奈美さん演じるお母さんの冷たい喋り方にそっくり。
心配して駆けつけたお父さんに、どうやってお金を稼いでいるか説明した後に「素人には難しいだろうけど。」とお母さんと全く同じことをサラッと言ってのけてました。
成長して変わるって言っても、お母さんみたいになっちゃうなんて、想像してませんでした。
お母さんも最初はニコニコしてたはずなのに、一人で望美を看護してるうちに、こんな冷たいかんじになっていってしまったのかな?
望美の変化を見て、お母さんがなんで冷たい感じになっていったかが分かる気がしました。
愛美ちゃんへの言葉は納得
お父さん以外にも、愛美が来れば「もうやめれば?そうやって自分をごまかすの。」と言ってました。
グラフィックデザイナーになりたいのに代行業をやって逃げる事も、本当はお母さんと一緒に暮らしたいことも、結人君が好きなことも全部見抜いて「このままだと一生幸せになれないわよ。」とバッサリ。
愛美ちゃんへの言葉は、ひどい!とは思いませんでした。
全部その通り!!
お母さんのそばにいたいくせに、カッコつけたいのか、望美のせいにしてこれまで逃げてきたわけだし。
結人君のことも好きなんじゃないかな?って思ってました。
愛美ちゃんはちょっと素直になった方がいいよ!!
でも本当に望美が死ぬかなんかしないと、愛美ちゃんは変われないんだろうな。
ライバルが完全に消えてくれないと、どっかでまたお母さんを取られて傷つくと思ってるから、優しくも出来ない。
お母さんの愛を独り占めしないといけないの?
分け合うことは出来ないのかな?
愛美ちゃんこそ成長して欲しいです!
お父さんの家庭
望美にいろいろ言われて、義理の息子の達也君にも言われて、やっと正直な気持ちを再婚相手の加奈さんに話したお父さん。
家を建てて望美が事故に遭うまでの時間が自分の人生で一番よかったと思う時期。
望美が意識を取り戻した時は、多恵とよりを戻して家族がまた一緒に暮らせると思ったと言ってました。
そんなこと考えてたんですね!
引きずってるとは思ってましたけど、より戻して家族一緒にまた暮らそうと思ってるとまでは思いませんでした。
加奈との離婚も受け入れる。と言った途端、部屋から出てきて掃除を始めた加奈さん。
自分から離婚するのはいいけど、夫から言われるのは許せなかったのかな?
分からんでもない。
なんだかんだ言って、最初に引き籠っていた達也君とお父さんが、話せるようになってるのが面白い!!
仲良く競馬場に行って、実のお父さんからもらった200万円を全部つぎこんでるシーンは笑いました。
加奈さんが引きこもったけど、息子が部屋から出ても前みたいに暴れないようになったんだから、一歩前進はしてると思います。
全部がうまくいってませんが、いい方向に向かってると思いました。
加奈さんは、きっとお父さんがちゃんと向き合えば出て来てくれると思うし。
全部お父さん次第。
きっとこの家庭はまだ救える気がします。
結人君への言葉
結人くんには「私はあなたたちと同じになったの。これからの時代は、心地いい言葉や都合のいい情報だけを与えて、大衆の心を操作し、自分の利益を上げる者だけが生き残ることが出来るの。」と余裕の言葉を浴びせた望美。
これは正論ばっかり言うなって、望美に言ってきた結人くんにも問題があったわけだけど。
これはもうお手上げって感じ!!
結人君も自分は逃げて望美にだけ、前の人の幸せを願う望美に戻って欲しいなんて都合よすぎ!!
教師には戻れたけど、勉強が遅れてしまってる一人の生徒を救うことも出来なくてイライラしてるし、仲の悪い両親を仲直りさせることも出来ない。
このドラマを見てると、自分の嫌なところを見せつけられるようで、見てられません!!
変わってしまった望美は、前の正論ばかり言う望美よりもっとタチが悪い!!
大事にしていたカセットデッキも、亀のぬいぐるみも『モモ』も放り投げてしまいました。
今までの自分を捨てたってことでしょう!
さらに結人君に「私たちはさよならを言うために出会ったの。」という言葉まで浴びせてました。
あーあ!
初恋まで終わらせて、どうするつもりなんだ?望美。
25年振りに目覚めて、急激に成長したからパンクしておかしくなるのかな?と思ってましたが、まさか達観して人を見下すようになったとは!
こういう方法でしか自分を守れないからかな?
精一杯やったけど、皆に嫌われて孤独になって、馬鹿らしくなったか。
もうこうなってしまってはダメだ!
結人君は望美のお母さんに頭を下げて、元の望美に戻して欲しいと言ってました。
最後の砦はお母さん
一人一人、家族と恋人が会いに行ったけど、全く心動かされなかった望美。
最後は結人君から頼まれたお母さんが望美の部屋に行っていました。
25年間看護してきたことを「母親の愛で目覚めさせた自分に酔ってるけど、ママは所詮私の為じゃなくて、自分のため頑張っただけじゃない。」と言い放ってました。
これまで何を言われても余裕ぶって、表情を変えてこなかったお母さんでしたけど、さすがに涙ぐんでました。
他のどのキャラクターが動揺してるのよりも、このお母さんが涙ぐんでるのが一番グッときました。
情けなくなったのか、悲しくなったのか…。
余りにひどい悪態をつく望美の胸ぐらをつかんで窓まで押し付けて連れて行き、本当に突き落とそうするお母さん。
お母さんは望美が意識不明で眠ってる時も、同じように望美を殺そうとした。
でもその時はトンボが飛んできて思いとどまった。
望美の爪や髪が伸びるを見て「生きてる。生きたがってると思ったから、25年毎日体を拭き、手足を動かし話しかけ歌ってきた。」と思いとどまった理由を話していました。
「私は、あなたをこんな人間にするために25年頑張ったわけじゃない!」と本気で体を抱きかかえて落とそうするシーンは迫力がありました。
「こうやって死ぬんだ。」と望美が思った瞬間、お母さんの力が抜け、その場に倒れたところで8話が終わりました。
衝撃的な8話のラストでした。
この話の中でも、何回か死のうとしてきた望美。
本当に死を受け入れようとした瞬間、お母さんの方が倒れてしまった。
望美はお母さん見てどうなる?
次回の予告では、今度はお母さんの方が昏睡状態に入るみたいです。
死ぬことで、お母さんの、望美への最後の教育をするのかと思ってましたが、まさか立場を逆転して見せるとは!
望美は散々お母さんが25年看護して来てくれたことを感謝するどころか、批判してきました。
けど、いざ自分が逆の立場になれば、それがどんだけ大変なことか分からせるつもりなんでしょうか?
予告を見てみると、望美はお母さんの看護から逃げるみたいです。
殺すつもりなのかな?今度は自分がお母さんを。
全然話はズレますが。
昔放送していた『ヤヌスの鏡』というドラマを思い出しました。
祖母の折檻に逆らえず、苦しんで多重人格者になり、ただただ死のうと考えていた主人公。ラストでその祖母が目の前で死んでしまい、死への恐怖が初めて芽生えていました。
それで生への執着が初めて芽生え、人格も統合されて生きていくという終わり方でした。
『35歳の少女』でも、明るく人を信じていた少女時代と、誰も信じられず一人で生きて行こうとする大人の女性が一人の女性の中に混在してる。
極端な人格が出て来ていますが、同じ人の中にあるもの。
人間って、どっちかでしか生きていけないわけじゃないでしょう…。
そんな極端な考えの境目をはっきりさせず、混ぜながら生きていってるはず。
どうしてこうも極端に生きていこうとするのか?
やりきれない気持ちにさせられるドラマです。
私の勝手な希望としては、周りの幸せを願う望美と、自分しか考えない望美、どっちもある望美になって欲しいと思ってます。
さぁ、そんなにうまくいくのか?
しっかり最後まで見ていきますよ!!!
以上、『35歳の少女』第8話の感想でした。
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