11月30日水曜夜10時から日本テレビ系列で、ドラマ『ファーストペンギン!』9話が放送されました。
前回、8話の感想はこちら。↓
おもな登場人物
- 岩崎和佳:奈緒…幼い一人息子・進(石塚陸翔)を抱え、さびれた港町・汐ヶ崎に移住。知り合いがいない中、苦しい生活を送っていた。片岡から浜の立て直しを頼まれ魚の種類も分からないまま、漁師の世界に飛び込む。
- 片岡洋:堤真一…父の跡を継いだ漁船団「さんし船団丸」を率いる社長。妻・みやこを亡くした男やもめ。和佳の機転を認め、浜の立て直しを懇願する。
<<さんし船団丸の人たち>>
- 永沢一希:鈴木伸之…都会から移住してきた若手船団員。よく気が付く青年で、漁師たちや和佳をさりげなくフォロー。子どもができ、漁師を辞めて神戸に移住。
- 山中篤:梶原善…片岡を「ひろ兄」と呼んで慕う船団員。勉強が得意じゃなく、話の内容を半分も理解していない。転覆事故の危機に片岡がかばってくれなかったため、さんしを去る。
- 山中たくみ:上村侑…篤の一人息子で船団員。高校卒業後、東京で就職するも戻って来た。船団に所属するも周りに反抗的な態度を取っていたが、東京の研修で漁師の仕事に誇りを持つようになり、現在は積極的に仕事をしている。
- 磯田高志:吹越満…地味な仕事も率先してやる船団員。心配性で危機管理能力が高く、片岡の右腕的存在。さんしが村八分にあったせいで母が歩行困難になるけがを負い、母の介護と仕事とに疲れ、気力が尽きさんしを去る。
- 大島大三:田中美央…さんし船団丸の船員。大さん。おやじギャグ好き。
- 中川忠次:山口祥行…さんし船団丸の船員。チュウさん。コワモテ。
- 小峠省一:松本実…さんし船団丸の船員。ショウさん。女好き。
- 小森賢太郎:北川尚弥…大卒。流通先をめぐり上司と対立し仕事をやめた過去あり。さんし船団丸の革命的な取り組みを知って今後の水産業界の発展に貢献したいと入社。
- 逢坂孝徳:矢崎広…おもちゃメーカーで元営業と言って入社。元政治家が送ってきた「針」。転覆危機後、さんしをやめる。
<<汐ヶ崎漁協の人たち>>
- 杉浦久光:梅沢冨美男…漁協組合長。漁協だけでなく、地元社会を牛耳っている。優秀な元漁師。よそ者の和佳が提案する「お魚ボックス」を幾度となく妨害してきていた。ようやく認めようとしたところに地元の有力者から圧力をかけられる。
- 安野茂:遠山俊也…漁協組合員。杉浦の腰巾着。和佳の動きを逐一報告し、とばっちりで叱られることもある。
<<農林水産省>>
- 溝口静:松本若菜…農林水産省の6次産業化プロジェクトを担当。漁獲量が減る水産業に危機感を抱いている。漁師のなかで孤軍奮闘する和佳を陰ながら後押しする。
<<その他>>
- 山藤そよ:志田未来…和佳のママ友。和佳の窮状を見て子育ての手伝いをする。事務処理能力がすこぶる高い。さんしの事務員として入社。和佳を仕事とプライベート両方を支える。
- 琴平祐介:渡辺大知…東京在住。和佳が汐ヶ崎に移住するきっかけを作った人物。進の主治医で、電話でよく相談に乗ってくれる。5話で片岡の義理の息子だと判明。ゆくゆくは地元に帰り、パートナーと医院をやりたいと思っている。
- 重森梨花:ファーストサマーウイカ…仲買人。口は悪いが、和佳に魚について教えてくれたり、漁協から目をつけられているところを助けてくれたりする。
- 岩崎進:石塚陸翔…和佳の息子。喘息持ちで体が弱い。汐ヶ崎の新鮮な魚を食べて以来、大好物になる。
- 片岡みやこ:中越典子…片岡の亡くなった妻。シングルマザーで子連れで移住してきた汐ヶ崎で片岡と結婚。突然の病で亡くなる。
- 辰海一朗太:泉谷しげる…汐ヶ崎の地盤を息子に譲った元政治家。さんしを潰すために「針」の漁師の工作員を送り込む。
- 波佐間成志:…農林水産省の元官僚のビジネスコーディネーター。東大卒後、農水省官僚に。政治家とやり合って更迭されたあと世界の海を漁体験しながら放浪。現在は日本の第一次産業の救済を目指している。
- 野々宮:寺泉憲…溝口の元上司。水産開発研究所で働く。
9話のあらすじ
波佐間(小西遼生)のおかげで、神饌オーガニクスという食品商社から資金提供を受け、倒産を免れたさんし船団丸。
片岡(堤)は、救世主・波佐間を囲む篤(梶原善)たちを見て、自分の居場所はないと今度は荷物をまとめ、東京の琴平(渡辺大知)のマンションに戻ってしまう。
琴平のパートナー・ラクちゃん(大貫勇輔)も優しく迎え入れてくれた。
喧嘩して置き去りにしてしまった和佳(奈緒)は、片岡が戻って来るか心配だったが、漁師たちはいつものことだと気にとめずそのままにすることに。
片岡と入れ替わるようにして帰ってきた永沢(鈴木伸之)。
彼女のアイナ(足立梨花)理解を得て帰って来たのかと思いきや、妊娠した子が自分の子でなく、別の男の子どもだと分かり、彼女と別れてさんしに戻ってきたのだ。
片岡不在で困っていた和佳は、永沢を大歓迎。すぐに復帰してもらうことになった。
片岡が担当していた血抜きを、永沢が代わりに担当したが、顧客から片岡がやった方ものより状態がよくないとクレームが来る。
片岡の抜けた穴は大きいと思っていたところに、漁師もやっていたという波佐間が漁を手伝ってくれることになった。
波佐間は、片岡の運搬船を操縦。ボックス用の魚のリストは一度見ただけで覚え、一番の難題だった血抜きも、箱詰めも混獲魚のSNSアップも、手際よく完璧にこなした。
波佐間と一緒に作業していた永沢は、その手際よさに脱帽しつつも、片岡がいない寂しさを感じていた。
波佐間には、みんなの期待に応えて、しばらく波佐間に手伝ってもらうことになった。
波佐間は、東北の漁村生まれ。
15歳の時に浜が潰れてしまい、父は酒浸りとなり母は出て行った。父は酔っぱらって船に落ちて亡くなったという。
その後農水の官僚時代に、政治家に父の話をして「まぁアホだからな漁師は。魚をとるしか能がないから。」と言われた波佐間。
「でもアホでも、だからこそ生きて行けるようにしてやらなきゃいけないじゃないですか。それが選ばれた民たる賢い先生方の仕事なんじゃないですか?」と言い返して官僚を辞めていたのだ。
波佐間は、政治家に対して強い嫌悪感を持っており、民の力で現状を変えていくしかないと語る。
そして和佳に、浜の船団を一つにまとめないか?と持ち掛けてきた。
早速浜を一つの会社にする話を、さんしのみんなに話す和佳。
ほかの船団もみんな神饌オーガニクスから資金提供を受け、漁協からの借金をなくしてから、さんしをトップに一つの会社に統合するのだと説明。
うまくいかないと考える高志(吹越満)に、和佳は、前に片岡から聞いていた、浜尻(高杉亘)がボックスをやろうとして、漁協に拒まれた話をする。
浜尻がOKを出せば進むかもしれないと言う和佳に、片岡がいないあいだに話を進めてもいいのか?と言う篤。
和佳は、浜を立ち直らせて、生き返らせることが片岡の夢。冷静になればわかってもらえると説得。
片岡の説得は、高志と篤が引き受けてくれることになった。
しかし片岡は、琴平のマンションから戻って来ない。
前に水産フェアで勧誘した漁師から、ボックスをやりたいから教えて欲しいと連絡が来ていて、そちらに転職しようと考えていたのだ。
そんななか波佐間は、浜尻などほかの船団とも積極的に交流を図り、信用を得ていく。
そして、仲買人を含めた浜の船団を一つにする話を和佳に代わって説明。和佳の話では納得してくれなかった漁師たちが、話に引き込まれていく。
さらに、漁協が話を聞きつけ、組合長(梅沢冨美男)が話し合いの場に怒鳴り込んできたが、波佐間は漁師たち組合員が解任動議を出せば立場がひっくり返せると言って撃破。
波佐間は、一気に浜の人たちを引き込んでしまった。
神饌オーガニクスとの契約を終えた和佳。ほかの船団も次々契約していく。
ただ、漁協が潰れてもいいと考えている波佐間に、「三方よし」と学んできた和佳は、戸惑いを隠しきれない。
そんな和佳と波佐間が話す様子を見て、永沢は琴平に連絡。片岡に汐ヶ崎に戻ってもらおうとある行動に出た。
一方。農水省の溝口(松本若菜)から連絡を受けた和佳は、神饌オーガニクスの実態を聞かされることに。
溝口の話は、和佳を震え上がらせるものだったーーーーー。
…というお話でした。
永沢君のキャラ変
前回の終わり、片岡と入れ替わるように帰ってきた永沢君。
彼女と別居婚でもするのかと思ったら、とんでもない!
妊娠した子が、別の男の子だと判明して戻ってきた。というのが真相でした。
えー?
身に覚えあるから彼女が妊娠したと聞いて、さんし辞めたんじゃなかったの?
もう一人の男は、自分の子じゃないの?ってちゃんと計算もしてたみたいだし。
永沢君、なぜ最初に疑わなかったんだろう…。
でもそのあとの小森君の言葉が面白かったですね!
「分からなければ、この先数十年間他の男の子どもを知らずに扶養するはめになってましたし。その女性は簡単に浮気するような女性ってことですから。」
って。
でも彼女は寂しかったんだってまだかばってた永沢君。
優し過ぎますよ。
好きになった人はとことん信じるタイプなんですね!!
まぁ、遠距離でいつ子供が出来るんだよ!とは思いましたが、永沢君が受け入れていたんで身に覚えがあっての妊娠なのかと思ってたのにな。
あと、永沢君がいたら、小森君とうまくやると期待してましたが、いきなり小森君に失礼なことを言われて、永沢君が怒っていたのが意外でした。
予想に反して、うまくいってませんでした。
面白かったです。
あと、すっかり変わってしまっていたさんしに、片岡の影をずーっと追い続ける永沢君。
波佐間が好きになれない。と言い切る永沢君。
ちょっとキャラ変しました?
好きになれないとかいう人でしたっけ??
誰とででも仲良くして、人と人のあいだを調整できる人だと思っていました。
でも、好きな人には妄信するけど、好きになれない人は断固受け入れないタイプの人だったんですね。
好き嫌いで生きるタイプの人間だったなんて、意外でした。
永沢君の言葉に感動した
永沢君の意外な一面を知りましたが、片岡を連れ戻そうと必死に説得する言葉には感動しました。
波佐間を好きになれないのは、波佐間といる時の和佳が好きになれないってこと。
波佐間といる時の和佳はずっとのまれっ放し。
波佐間を好きになれないのは、知識を盾に強く言われると認めてしまう和佳。
「嫌がらせされても、ここまで頑張ってきたのは社長なのに。片岡さんなのに、さんしなのに!」
「結局最後は持ってかれるなんて。ポッと出てきた間男に全部持ってかれるなんて。」
この言葉には感動しました。
永沢君の話の合間合間に、篤が「まぁ、ちょっとよろめいちょるところもあったかのう。」と言ったり、高志が「なんか、混ざっとりゃせんか。」とツッコミを入れてるのも面白かったです。
そうですよ!!
本当に漁協の嫌がらせは大変だったんですから!
ホストと遊んでる合成写真ばらまかれたり、アパートに落書きされたり、息子の絵にまで落書きされたり。
箱詰めされた魚を捨てられたこともありました。
ヒドイ嫌がらせに耐えて、それでも漁協と仲良くして行こうと努力してきたのは和佳とさんしですよ。
まぁ、波佐間さんも政治家に嫌な目にあってるから、仕返ししたいって気持ちはわかりますけど。
ずっと和佳を支えてきた永沢君の言葉は、重みがあって心に響きました。
資金提供者の実態
前回、漁協の貸しはがしの危機に遭い、助けてくれた波佐間さん。
まさか仲介してくれた会社が、日本を経済侵略しようとしてる外国資本の会社だったなんて!!!
溝口さんが紹介してくれた人が仲介してくれるから、うさん臭いけど大丈夫なんだろうと思ってました。
実際、神饌にお金を提供してもらわなければ、さんしは潰れてましたし。
高志が「他に金の当てもねえし。」と冷静に言ってた通りです。
でも、溝口さんが調べてくれて、神饌オーガニクスの実態が分かってきてゾーッとしました。
外国資本の会社が経済で侵略して、沿岸を自由に航行できる船が実質外国資本に牛耳られることになれば、外国から簡単に侵入されてしまうことになるかもしれない。
防衛上の問題にも発展することになる。
と言うのが一番恐ろしかったです。
日本の領地を外国に取られる。海も取られる。じわーっと侵略されると想像すると、怖くなりました。
片岡の言葉が響く
今になって、8話で片岡が波佐間への嫉妬紛れに言っていた「目の前のことを見ていない。目の前の現実と向き合え。」と言う言葉が響きます。
片岡自身にそんな見通しがあって言ったとは思えないですが、未来にばかり目をやっていては、目の前を見失うってこともあるんだとこのドラマを通して教えられました。
片岡がいない方がうまくいってる。と正直な気持ちをポロっと言っていた高志ですが、こういう片岡のような、いちいち引っかかる人も会社には必要なんだと分かります。
今までにはない大きな敵。
泉谷しげるさん演じる元政治家・辰海も警戒してました。
辰海は敵だけど、政治の力を使って立ち向かえないのかな??
予告では、ボックスを辞めさせるのを条件に、和佳に援助する話をしてましたが。
もう、ボックスがどうのこうのいう段階の話じゃないのに。
話が防衛上の問題にまで発展する、大きな問題になってきてびっくりです。
次回は最終回!!
こんな恐ろしい事態になって最終回だなんて、ちゃんと1話で終わるのかな?
ていうか、波佐間さんは外国に日本を売ってもいいの?
分かって神饌を紹介してたのなら、大問題ですよね?
どちらにせよ、戦わないといけないのは確か。
次回が最終決戦!!
見届けたいと思います。
以上、『ファーストペンギン!』9話のネタバレ感想でした。