12月7日水曜夜10時から日本テレビ系列で、ドラマ『ファーストペンギン!』10話(最終話)が放送されました。
前回、9話の感想はこちら。↓
おもな登場人物
- 岩崎和佳:奈緒…幼い一人息子・進(石塚陸翔)を抱え、さびれた港町・汐ヶ崎に移住。知り合いがいない中、苦しい生活を送っていた。片岡から浜の立て直しを頼まれ魚の種類も分からないまま、漁師の世界に飛び込む。
- 片岡洋:堤真一…父の跡を継いだ漁船団「さんし船団丸」を率いる社長。妻・みやこを亡くした男やもめ。和佳の機転を認め、浜の立て直しを懇願する。
<<さんし船団丸の人たち>>
- 永沢一希:鈴木伸之…都会から移住してきた若手船団員。よく気が付く青年で、漁師たちや和佳をさりげなくフォロー。子どもができ、漁師を辞めて神戸に移住。
- 山中篤:梶原善…片岡を「ひろ兄」と呼んで慕う船団員。勉強が得意じゃなく、話の内容を半分も理解していない。転覆事故の危機に片岡がかばってくれなかったため、さんしを去る。
- 山中たくみ:上村侑…篤の一人息子で船団員。高校卒業後、東京で就職するも戻って来た。船団に所属するも周りに反抗的な態度を取っていたが、東京の研修で漁師の仕事に誇りを持つようになり、現在は積極的に仕事をしている。
- 磯田高志:吹越満…地味な仕事も率先してやる船団員。心配性で危機管理能力が高く、片岡の右腕的存在。さんしが村八分にあったせいで母が歩行困難になるけがを負い、母の介護と仕事とに疲れ、気力が尽きさんしを去る。
- 大島大三:田中美央…さんし船団丸の船員。大さん。おやじギャグ好き。
- 中川忠次:山口祥行…さんし船団丸の船員。チュウさん。コワモテ。
- 小峠省一:松本実…さんし船団丸の船員。ショウさん。女好き。
- 小森賢太郎:北川尚弥…大卒。流通先をめぐり上司と対立し仕事をやめた過去あり。さんし船団丸の革命的な取り組みを知って今後の水産業界の発展に貢献したいと入社。
- 逢坂孝徳:矢崎広…おもちゃメーカーで元営業と言って入社。元政治家が送ってきた「針」。転覆危機後、さんしをやめる。
<<汐ヶ崎漁協の人たち>>
- 杉浦久光:梅沢冨美男…漁協組合長。漁協だけでなく、地元社会を牛耳っている。優秀な元漁師。よそ者の和佳が提案する「お魚ボックス」を幾度となく妨害してきていた。ようやく認めようとしたところに地元の有力者から圧力をかけられる。
- 安野茂:遠山俊也…漁協組合員。杉浦の腰巾着。和佳の動きを逐一報告し、とばっちりで叱られることもある。
<<農林水産省>>
- 溝口静:松本若菜…農林水産省の6次産業化プロジェクトを担当。漁獲量が減る水産業に危機感を抱いている。漁師のなかで孤軍奮闘する和佳を陰ながら後押しする。
<<その他>>
- 山藤そよ:志田未来…和佳のママ友。和佳の窮状を見て子育ての手伝いをする。事務処理能力がすこぶる高い。さんしの事務員として入社。和佳を仕事とプライベート両方を支える。
- 琴平祐介:渡辺大知…東京在住。和佳が汐ヶ崎に移住するきっかけを作った人物。進の主治医で、電話でよく相談に乗ってくれる。5話で片岡の義理の息子だと判明。ゆくゆくは地元に帰り、パートナーと医院をやりたいと思っている。
- 重森梨花:ファーストサマーウイカ…仲買人。口は悪いが、和佳に魚について教えてくれたり、漁協から目をつけられているところを助けてくれたりする。
- 岩崎進:石塚陸翔…和佳の息子。喘息持ちで体が弱い。汐ヶ崎の新鮮な魚を食べて以来、大好物になる。
- 片岡みやこ:中越典子…片岡の亡くなった妻。シングルマザーで子連れで移住してきた汐ヶ崎で片岡と結婚。突然の病で亡くなる。
- 辰海一朗太:泉谷しげる…汐ヶ崎の地盤を息子に譲った元政治家。さんしを潰すために「針」の漁師の工作員を送り込む。
- 波佐間成志:…農林水産省の元官僚のビジネスコーディネーター。東大卒後、農水省官僚に。政治家とやり合って更迭されたあと世界の海を漁体験しながら放浪。現在は日本の第一次産業の救済を目指している。
- 野々宮:寺泉憲…溝口の元上司。水産開発研究所で働く。
10話(最終話)のあらすじ
神饌オーガニクスは、日本を経済侵略しようともくろむ外国企業だった。
和佳(奈緒)から話を聞いた片岡(堤)は、和佳を騙した波佐間(小西遼生)に激怒。殴り込もうとしたが、永沢(鈴木伸之)とたくみ(上村侑)に「手を出したら終わり。」と止められる。
片岡が帰ってきたのは、他の船団がまだ漁をしている時間。
片岡は船を出し、さんし全員で浜尻(高杉亘)の船を見つけ出し、土下座。
神饌オーガを通じて外国に乗っ取られるかもしれないと言い、契約を破棄するよう説得。
ほかの船団も見つけ出し、次々に説得して回った。
神饌オーガと契約を破棄するには、資金提供を断ればいいと考えた和佳は、契約書を確認。
さんしの契約書には"融資"と書かれていたが、ほかの船団のものには"投資"と書かれており、船団側からは契約を破棄でない内容になっていた。
自分から契約破棄できないなら、向こうから破棄してもらえばいい。
漁協の組合長(梅沢冨美男)も巻き込んで、全員の連名で神饌オーガに契約を破棄してもらえないか?という要望書を出した。
すると、波佐間が慌てて汐ヶ崎にやってきて、浜尻(高杉亘)たちを言葉巧みに説得。
また波佐間側についてしまったほかの船団。
さんしは、単独で神饌オーガと戦わねばならないところまで追いつめられてしまった。
なすすべがないと思われた瞬間。
漁協に「要望通り契約を破棄する」と神饌オーガからファックスが届く。
全て元通りとなった。
溝口(松本若菜)が助けてくれた。と思っていた和佳だったが、以前、さんしに「針」を仕掛けた大物が裏で手を回し、神饌が手を引いたと教えられる。
皮肉なことに、さんしを潰そうとした勢力に、助けてもらうことになってしまった。
和佳は、溝口に「針」の逢坂(矢崎広)の身元について調べてもらうよう依頼するのだった。
和佳は、漁協を通じて地域の大物・辰海(泉谷しげる)に呼び出される。
漁協の安野(遠山俊也)と共に、辰海の屋敷に招かれた和佳。
漁協は潰してはならないと説く辰海は、お魚ボックスをやめるか?と迫る。
和佳は、お魚ボックスをやることがどうして漁協が廃れることとイコールになるのか?協力して栄えていく発想にならないのか?「ボックスをやめることは日本の漁業のためにならない。」と言い返す。
辰海は、さんしに廃業してもらうと脅しにかかる。
すがる和佳に、辰海は、神饌オーガを連れてきて、汐ヶ崎を、日本を、外国の経済侵略の危機にさらした重大さが分かっているのか?と怒りを露にする。
和佳は、これまでの政治が無策だったからじゃないのか?だからこそ波佐間は外国にすがったし、和佳も波佐間にすがってしまった。無策だったからこそ、ボックスは生まれた。と訴えた。
自分たちで勝手に暴れてすがったのだと突き放す辰海。
そこへ組合長が話に割り込み、ICレコーダー録音していた辰海からの指示の音声を再生。
さんしの船を転覆させようとし、さらに漁協に貸しはがしを指示したことを責める組合長。
しかし辰海は、音声に出てくる「先生」は自分じゃないとシラを切る。
そんな辰海に土下座し「さんしにボックスやることを許してやってください。おかしな者を連れてきたんはいけんです。浅はかです。でもこん子が考えてることは間違いじゃないんです!」と土下座する組合長。
安野も、漁協に手数料を一番振り込んでくれるのはさんしだと、ボックスが漁協を潰そうとしていない、漁師も漁協も救われると後押し。
組合長は「先生、こん国の水産業考えてくれるなら、どうかお願いします!」と泣いて訴えてくれた。
和佳は、ボックスは残すが自分は騒動の責任を取って去る。という条件でどうでしょう?と辰海に持ち掛け、了承された。
全ては元通りとなった。
夜。和佳のもとに、溝口から逢坂の身元が分かったと連絡が来る。
これをもって辰海に交渉に行くつもりだったが、全てが終わったあとだった。
さんしから去ることになった和佳に、また間に合わなかったと謝る溝口。
しかし和佳は、ボックスもさんしも残る。漁協がボックスには未来がある。とかばってくれた。大勝利だと喜ぶ。
「でも私は、私は岩崎さんを守りたかったです。」と泣く溝口だった。
さんしのみんなには自分が去ることを隠し、たくみには営業、小森(北川尚弥)には最新漁業と仕組みの本を渡す和佳。
漁師たちには、お店相手だけでなく家庭用のボックスも作ろうと提案。
密かに引き継ぎ作業を進めていく。
家庭向けボックスは、片岡の提案で、ずっとやりたがっていた浜尻に担当してもらうことになった。
進が保育所を卒園する春。
ボックスとさんしを続ける条件が、自分が去ることだとみんなに打ち明けた和佳。
和佳を残すために、ボックスをやめてほかの船団にさせればいいと言う片岡らさんしの漁師たち。
そんな漁師たちに、和佳は、出会った頃と同じ「浜を救う漁師になるかもしれないのに!」と言って続けるよう涙の啖呵を切る。
進を連れて浜を出て行った和佳だった。
片岡は、高知に行ってお魚ボックスを教え、たくみと小森は営業活動。
5年後。
お魚ボックスが少しずつ増えてきたなか、離婚して子供を連れたアイナ(足立梨花)がさんしの事務員としてやってきて、永沢と結婚。
結婚式で梨花(ファーストサマーウイカ)の魅力に気づいたたくみは、やがて梨花と結婚。琴平(渡辺大知)とラクちゃん(大貫勇輔)の医院で出産。
生まれた子供を、さんしの3人があやした。
一方。さんしを追いつめた辰海は死去。
漁協の組合長は、杉浦から安野に引き継がれた。
時間は流れ、世間がマスクをするのが当たり前になった頃。
農水省では、溝口が水産流通の規制改革に乗り出した。
そして、さんし船団丸に制服を着た少年(城桧吏)が片岡を訪ねてきた。
少年は、ペンギンのまねをしてみせる。高校に進学した進だった。
地方の活性化について勉強できる汐ヶ崎の高校に進んだ進。
和佳の現在は、林業のファーストペンギンなるべく動きつつ、さんしやお魚ボックスのことをずっと見守っていくのだったーーーー。
…というお話でした。
波佐間は和佳をだましていたのか!!
前回の9話を見て、波佐間は外国に乗っ取られるかもしれないことを分かっていたのか?疑問でした。
とても悔しい思いをして水産を変えようとしてる波佐間が、そんな日本自体を窮地に陥らせることが分かっていたのか?と。
でも10話が始まってすぐ、もう波佐間にだまされた!って話になっていたから、ああ、分かって和佳を陥れてたのね…と残念な気持ちになりました。
漁も血抜きも手早くて、漁師としては有望な人で、熱い思いも持っているいい人だと思ったのに!!
しかも、さんし以外の船団の書類を、断れないような仕組みにしてたなんて!!!
手が込み過ぎてる。
漁師はアホだとバカにしてた政治家に対して怒ってましたけど、波佐間だって、漁師が書類をよく読まないと踏んで、ズルい詐欺みたいなことやっていたという…。
なんて残念な。
残念過ぎました。
組合長に泣いた!
いや~、ドラマティックな最終話でした。
辰海に迫る組合長。カッコよかったですね!
針を仕込んどいて、勝手に暴れたって言う辰海に「あんまりじゃないですか!」って泣く組合長。
ずっとさんしに嫌がらせをしてきた組合長。
振り返ると、さんしの船を転覆させようとした辰海に「信じられんことするな。」と言った頃から変わって来てましたね。
ちなみにその時の感想はこちら。↓↓↓↓
「さんしにボックスやることを許してやってください。」「こん子が考えてることは間違いじゃないんです!」と泣いて辰海に土下座していた姿には泣きました。
散々邪魔してきたのにね!
でも、最後は浜を守るために神饌オーガに連名で契約破棄をお願いする書類を書いてくれるし、一丸となって動いてくれました。
この組合長がする嫌がらせに、何度も気持ち悪い思いをさせてもらいましたが、終わり良ければ全て良し!!
味方になってくれればいいよ!
統括さんが教えてくれた「三方よし」。
最後の最後で実現しましたね!!
よかった。
溝口さんに泣いた
最終回で泣かされたのは、組合長だけじゃありません。
溝口さんにも泣かされました。
溝口さんは、神饌オーガの狙いに気付いて教えてくれたのも遅く、「針」の正体を調べて教えたのも遅かった。
一歩差で和佳を救えなかった。
波佐間が神饌オーガとマッチングしてきた時、なんかうまくいき過ぎて怖いな。
もしなんかあっても溝口さんが助けてくれるだろう。と思って見ていた私もショックでした。
「私は岩崎さんを守りたかったです。」と声を震わせて泣くシーン。
ずっと毅然として冷静に振舞ってきた溝口さんの泣く姿。私ももらい泣きしました。
最初の登場の時は、こんなにまで密に和佳とさんしに関わってくれる人になるとは思いませんでした。
溝口さんもよかった。
感動した!!!
アイナが永沢君のもとに帰ってきた
あと、驚いたのが足立梨花さん演じる永沢君の彼女・アイナの再登場!
ほかの男と幸せになって、永沢君はさんしに戻ってチャンチャン!もう出てこないと思ったのに。
永沢君が引きずってきた、ずっと頑張ってきたのは自分なのに。突然来た間男に全部持っていかれたという、悔しい思いが報われましたね!!
和佳が浜に来てほしいと説得していたのが、時間差で効いてきた結果です。
でも、また次の男に行きそうな…。
しかも、子供も残していきそうな気がする…。
不安の残るカップルですが、とりあえず永沢君の思いが届いてよかった。
まさかの組み合わせ
東京で働いて、営業という仕事に思いが残っていた・たくみ。
和佳にそのトラウマを乗り越えるべく、営業の仕事に誘われた時の表情がよかったですね!!
正論を言い過ぎて嫌われていた小森君と一緒に組んで、営業活動してるのにはびっくりしました。
まさかの組み合わせ。
でもまぁ、小森君は水産の将来について考えて転職してきた人。
営業の仕事をするのは自然な流れだったのかも。
いい話の流れでした。
あと、まさかの組み合わせといえば、たくみと梨花。
ずっと知り合いだったはずなのに、これまでくっつかなかったのが不思議なくらい。
でも二人が結婚して出産を琴平の医院でするシーンは、意外なほどしっくりきました。
面白い組み合わせ!!
仲よくして欲しいなと思いました。
和佳の現在
和佳がさんしを去ると言っても、最後は戻るんでしょ?と思っていました。
が、林業に行ってて、もう戻らないのだと分かって驚きました。
新しい業界で新しくまたぶつかりながらやっていく。
和佳らしくていいなと思いました。
泣き笑いのハッピーエンドの最終回!
スッキリしました!
嫌がらせとかきつくて見るのやめようかな、と思ったことはありましたが、最後の最後は大団円!
いいドラマでした。
以上、『ファーストペンギン!』10話(最終話)のネタバレ感想でした。