NHKで放送中の吉沢亮さん主演の大河ドラマ『青天を衝け』。5月23日に第15回が放送されました。www.nhk.or.jp
前回、第14回の感想はこちら。↓
おもな登場人物
- 渋沢栄一(篤太夫):吉沢亮さん…渋沢家中の家(なかんち)の長男。剛情に自分の意思を通す強さがある。よくしゃべる。成長して商売の面白さを知り意欲的に働く一方で、百姓が武家に虐げられる社会の仕組みに疑問を持ち、世の中を変えたいと考えだす。長七郎から聞く江戸の話を聞いているうち、尊王攘夷の考えに目覚め、喜作も江戸に行った時かされたところで自分も江戸に行きたいと父に願い出て、江戸に出る。江戸で出会った志士たちに影響を受け、攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために喜作と旅立ち、以前知り合った一橋家家臣の平岡のおかげで無事京に入り長七郎に文を送って呼び寄せる。が、長七郎が上京途中で殺人事件を起こして捕らわれ、幕府に攘夷の思いを書いた文が幕府に渡ってしまう。栄一と喜作が上京の際に、平岡の家臣として上京したため幕府から一橋に問い合わせが来て、平岡から改めて一橋に仕官するかどうか?の決断を迫られる。長七郎を助ける手立てが見つかるかもしれないと思い、一橋家の仕官することになった。
渋沢家・中の家
- 渋沢市郎右衛門:小林薫さん…栄一の父。中の家を立て直すために婿養子に入る。勤勉家で一日中働いている。栄一が幕府批判し出したことを何度も叱る。
- 渋沢ゑい:和久井映見さん…栄一の母。「みんなが嬉しいのが一番」と栄一に教える。
- 渋沢千代:橋本愛さん…栄一の従妹で惇忠、長七郎の妹。栄一の妻。口数少なく控えめだが芯は強い。
- 吉岡なか:村川絵梨さん…栄一の姉。はっきりとした物言いをする。同じ村の人に嫁ぐ。
- 渋沢てい:藤野涼子さん…栄一の年の離れた妹。お兄ちゃん子。
渋沢家に関わる人たち
- 伝蔵:萩原護さん…中の家の作男で、栄一らと共に勉学や武芸を学ぶ仲。のちに一橋家の家臣となった栄一と喜作に呼ばれ、一橋家家臣となる。
渋沢家・新屋敷
- 渋沢よし:成海璃子さん…けんかの仲裁をした喜作に一目惚れし、自ら結婚を申し出る。結婚後は喜作を尻に敷き、栄一と喜作が上京してからは千代を支え夫の留守を守る。
渋沢家:東の家
- 渋沢宗助:平泉成さん…栄一の伯父。東の家の当主。血洗島村の名主として市郎右衛門と共に村をまとめる。
- 渋沢まさ:朝加真由美さん…栄一の伯母。一言多いが根はいい人。
尾高家
- 尾高惇忠(新五郎):田辺誠一さん…栄一の従兄。尾高家の長男。従弟である栄一たちに剣術などを教える。水戸の斉昭の尊王攘夷の考えに傾倒。各地から来る若者らを受け入れて尊王攘夷の考えを広めている。老中安藤を討つ計画に走ろうとしていた弟・長七郎を引き留め、自分の計画に参加するよう説得した。その後、逆に長七郎に自分の計画を命がけで止められる。上京の途中で殺人事件を起こした長七郎を救おうと動いてる。
- 尾高やへ:手塚理美さん…栄一の伯母。惇忠、長七郎、千代、平九郎を育てた母。
- 尾高長七郎:満島真之介さん…栄一の従兄。神道無念流の剣豪として名をはせるようになっていく。剣術修業しに来た真田に誘われ江戸に行き、尊王攘夷を掲げる若者たちと交流する。志士の河野と共に坂下門外の変に加わるつもりだったが、惇忠の説得により断念。上州に逃れたのち京へ逃れていたが故郷に帰ってきて惇忠らが立てた横濱焼き討ち計画を知り、命がけで中止させた。以後、情緒が安定しない様子。上京した栄一からの文で上京する際、気の迷いから人を斬ってしまい、幕府に捕らえられる。
- 尾高平九郎:岡田健史さん…栄一の従弟。
- 尾高きせ:手塚真生さん…惇忠の妻。
- 尾高勇:和田葵さん…惇忠の娘。
一橋家
- 徳川慶喜:草彅剛さん…水戸藩藩主・徳川斉昭の七男で徳川幕府最後の将軍となる。父・斉昭の期待を一身に受け、厳しい教育を施される。一橋家当主の後継が亡くなったことで、老中阿部正弘の推薦で一橋家に養子に入る。刑部卿となった自分を政界に復帰した父・斉昭が頼ってくるが将軍になる望みはないと言い切るが、いざ家茂が将軍となると寂しさを感じる。井伊直弼から隠居を言い渡され邸内の一室に籠る。謹慎中に父斉昭が亡くなり、親不孝をしたと泣いた。井伊大老が亡くなったことで政界復帰。将軍後見職に就き京に入ったが、攘夷ばかり口にする公家や天皇をどう説得すればよい分からない。自分を政界復帰に推してくれた島津久光とは合わない。栄一と出会ったことで徳川を守ると覚悟を決め、薩摩の政治介入を阻止しようと、中川宮の前で久光、春嶽、伊達を「天下の大愚物」と言って朝議参与を解散させてしまう。
- 美賀君:川栄李奈さん…慶喜の正室。気性が激しい一面がある。
- 徳信院:美村里江さん…一橋家当主・徳川慶寿の正室となるが死別。徳信院と名乗る。慶寿の後継が亡くなり、養子に来た慶喜にとっては養祖母となる。
- 中根長十郎:長谷川公彦さん…慶喜の側用人。
- 平岡円四郎:堤真一さん…慶喜の側近。安政の大獄で甲府にやられたのち、一橋家に戻りたいと懇願。慶喜のもとに戻る。その後、川村が見つけてきた栄一と喜作を一橋家の家臣にスカウト。一度は断られたが、長七郎の事件をきっかけに再び誘い、一橋家に仕官させた。黒川と共に政で慶喜が有利になるよう働く。
- 平岡やす:木村佳乃さん…円四郎の妻。
- よね:高野渚さん…平岡家で働く女性。
- 川村恵十郎:波岡一喜さん…一橋家の家臣。
- 猪飼勝三郎:遠山俊也さん…代々続く一橋家家臣。
- 黒川嘉兵衛:みのすけさん…慶喜の側近。平岡と一緒に慶喜が公家たちに動く。
- 原市之進:尾上寛之さん…慶喜の側近。
- 渋沢喜作(成一郎):高良健吾さん…栄一の2歳年上の従兄で幼馴染。渋沢一族「新屋敷」の長男。千代との結婚を望んでいたが、千代と栄一が思い合ってると知り身を引き、自分はよしと結婚。江戸に出て尊王攘夷の考えに触れ攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために栄一と京へ旅立つ。
水戸藩
- 吉子(登美宮):原日出子さん…水戸藩の元藩主・斉昭の妻で慶喜の母。公家出身。
- 徳川慶篤:中島歩さん…斉昭の跡を継いだ水戸藩藩主。慶喜の兄。
- 武田耕雲斎:津田寛治さん…水戸藩の元家老。尊王攘夷派の水戸藩士。天狗党の乱を押さえる立場だったが、小四郎に懇願され総大将の立場に。悲惨な最期を遂げる。
- 藤田小四郎:藤原季節さん…東湖の息子。のちに天狗党の乱を起こす。
江戸幕府
- 徳川家茂(慶福):磯村勇斗さん…家定が次期将軍にと決めた14代将軍。
- 天璋院:上白石萌音さん…家定の正室。薩摩藩主島津斉彬の養女として慶喜を将軍後継にする密命を持っていた。家定の急逝で天璋院と名乗る。
- 歌橋:峯村リエさん…家定の乳母。家定から信頼が厚く、慶喜を後継にするのを反対し、紀州藩の慶福を推す。
- 和宮:深川麻衣さん…公武合体の政策で14代将軍家茂に嫁いだ。
- 川路聖謨:平田満さん…勘定奉行。師と慕う人の息子・平岡円四郎を慶喜の側近に推薦する。将軍継嗣問題で敗れ、西丸留守居役を命じられる。その後また外国奉行に復帰。
- 永井尚志:中村靖日さん…ペリー来航後海防掛となる。海防参与となった徳川斉昭の過激さに振り回される。将軍継嗣問題で処分される。その後大目付となり慶喜を支える立場となる。
- 土方歳三:町田啓太さん…新撰組副長。栄一とはある任務で一緒になり、同じ百姓出身と言うこともあり意気投合。鳥羽伏見の戦いで敗れた後、各地へ転戦したのち、榎本武揚や喜作と共に箱館に渡り五稜郭を占領。新政府軍と戦って壮絶な戦死をする。
- 栗本鋤雲:池内万作さん…奥医師から蝦夷地へ左選され、箱館奉行組頭となり功績が認められ目付となり、さらに外国奉行になる。
朝廷
- 孝明天皇:尾上右近さん…幕府より攘夷を訴える水戸を頼りにする。和宮を嫁がせる事で幕府に攘夷を要求する。
- 中川宮:奥田洋平さん…
- 岩倉具視:山内圭哉さん…公武合体のメリットを孝明天皇に説く。
- 三条実美:金井勇太さん…攘夷志士たちに押され、幕府に攘夷せよと言う。
長州藩
- 井上聞多(馨):福士誠治さん…尊王攘夷派の長州藩士だったが、伊藤俊輔らとロンドンに渡り開国派に。維新後は大蔵省に入り、栄一はその右腕となる。
薩摩藩
- 島津久光:池田成志さん…薩摩藩の国父。公武合体を成すため軍を率いて上洛。雄藩による政治参画を実現するため「参与会議」を発足。慶喜とは横濱鎖港の件で対立する。政治の裏工作をことごとく一橋に潰され、次第に徳川打倒へと考えを変えていく。
- 西郷吉之助(隆盛):博多華丸さん…薩摩藩士。公武合体実現のため、流罪を赦免されて藩政復帰。一橋家の命で大坂に来ていた栄一と出会う。
- 大久保一蔵(利通):石丸幹二さん…久光の側近として公武合体のために上京。腹の内が読めない慶喜を警戒。明治の新政府では大蔵卿となり、部下となる栄一と意見が対立する。
- 五代才助(友厚):ディーン・フジオカさん…薩摩藩士。長崎遊学の経験から世界情勢に精通。貿易による富国強兵を唱えてイギリスに留学中、フランス万博の情報をいち早く得て薩摩藩として参加を実現。幕府の威信を落とす。この時幕府側として参加していた栄一とは、のちに「西の五代、東の渋沢」と呼ばれる実業家となる。
諸藩
- 松平春嶽:要潤さん…前福井藩主。慶喜の優秀さを見抜き、将軍後継に推すために奔走したが敗れ、井伊に隠居、謹慎を命じられたのち、政界復帰。
- 伊達宗城:菅原大吉さん…第8代宇和島藩主。将軍継嗣問題で慶喜を推して隠居謹慎に処されたが、久光の公武合体運動で政界復帰。朝議参与に任命される。久光や春嶽と共に開国を唱え、慶喜と対立。
- 山内容堂:水上竜士さん…第15代土佐藩主。将軍継嗣問題で慶喜を推して隠居謹慎に処されたが、のちに朝議参与に任命される。慶喜に大政奉還を建白する。
- 松平容保:小日向星一さん…会津藩主。幕府から命じられて攘夷派が多くいる京の治安維持のため、病をおして上京。京都守護職に就く。市中警護のため浪士隊「新選組」は容保のもとで活躍。
- 松平定敬:小日向春平さん…桑名藩主。同い年だった家茂からの信頼され、家元と共に上洛。京都所司代となり、兄・容保共に京の警護にあたる。
第15回のあらすじ
栄一と喜作は、平岡から一橋家に仕官して初めての俸禄を受け取り興奮。
酒でも飲もうとはしゃぐ喜作に対して栄一は「無益なことには一銭たりとも使わねえ。」と膨れ上がった25両を必ず返す。とたしなめた。
平岡は、栄一たちがいた岡部の安倍家に話をつけてくれ、晴れて二人は武士となったと教えてくれた。
平岡は栄一に「なりが武士らしくない。」と言って『篤太夫』という名を、喜作には『成一郎』という名をつけてくれた。
『成一郎』というカッコいい名前に対して、自分の『篤太夫』という名に不満のある栄一だったが、平岡に推され『篤太夫』を受け入れた。
成一郎と篤太夫は一橋邸で働く中、原市之進(尾上寛之さん)は藤田東湖(渡辺いっけいさん)亡き後、水戸弘道館で水戸学、尊王攘夷を教える立場にあった人間で、大橋訥庵と安藤対馬守を襲撃を謀ったこともある人物だと知る。
が、慶喜と出会い、本当の尊王攘夷の為には異国に乗っ取られないよう日本を強くするのだと考えを改めたという。
川村恵十郎(波岡一喜さん)も考えを変えた者の一人。川村は元小仏関所の関守。黒川嘉兵衛(みのすけさん)は元幕府の旗本。
代々一橋家に仕えている猪飼勝三郎(遠山俊也さん)のような者は少ない。
猪飼が慶喜の小姓だった頃、佃島の花火を見せようと火の見櫓の階段を先導していて、謝って足を慶喜の顔に当たって鼻血を出させてしまうことがあった。
すぐに小姓頭取に報告。切腹して詫びると申し出たが、慶喜は自分の過ちと言ってくれた。
それとは別に、慶喜の髷を結っていた時にカミソリが怪我をさせてしまったこともあった。
その時も小姓頭取と詫びに行ったが、慶喜は頭に包帯を何か所も巻きながらも、自分のせいだと言ってくれたと言う。
猪飼は恐縮し「一生殿のお側でお仕えする。」と誓った。
その後平岡が小姓として入り、給仕も髷結いも平岡の務めとなり、慶喜の農人形も大切に扱っている。
原市之進はそのことを聞いて、烈公も大切にしていたと言って自分の農人形を取り出し、感激していた。
慶喜の数々のエピソードを聞いた成一郎と篤太夫は話についていけず。
宿舎に帰って、一橋家の中では身分の差がないことを知り、いつか慶喜や平岡をも巻き込んで立ち上がる機会を探ろうと密かに話し合った。
そんななか、何度か失敗を繰り返してきた飯炊きに成功。やっと美味しいご飯にありつけたのだった。
同じ頃。
惇忠は板橋宿の牢に入れられていた長七郎とやっと会えた。
長七郎はただ泣いて謝るばかり。罪のない人を殺してしまったことを後悔していた。幕府も長七郎を怪しんで簡単には許してくれそうもなかった。
一方。岡部の陣屋に呼び出されていた市郎右衛門は、一橋家から岡部に連絡が来て、栄一と喜作が領分から離れたと聞かされ、二人を二度と村に入れるなと言われたという。
詳しい事情は分からなかったものの、二人が生きていると分かって安堵する家族だった。
尾高家の平九郎は、兄たちのようになりたいと思い、油売りの商売を張り合いがないと嘆いていた。
そこへ、ていが油を買いに来て「ていは、平九郎さんがどっかに行ったりすりゃあ、寂しい。」「ていは里見の八犬士より油売りの平九郎さんの方が…。」と言って照れ、平九郎を励ました。
後日。
平岡から呼び出された篤太夫は、慶喜が天皇を異国から守るため、摂海(大阪湾)に台場を築くことになり、薩摩の折田要蔵(徳井優さん)が抜擢されたと聞かされ、折田を調べる隠密の仕事を指示された。
平岡は、将軍・家茂も19歳となり、慶喜が後見職を降りることになるので、禁裏・京の警備に専念してもらいたいと考えていた。
そこで折田が評判通りの人物ならば、薩摩から引き抜きたいと考えていたのだ。
血の気の多い薩摩隼人がいつ命を狙ってくるか分からない、と平岡に脅されたが、篤太夫は引き受け、折田が台場御用で滞在している大坂に行った。
摂海防禦御台場築造御用掛という役職についていた折田は、台場作りについて学ぶに来た篤太夫を迎え入れてくれた。
だがすぐには学ばせてもらえず、折田の書斎の掃除と折田が書いた文書と下絵図を全て書き写す仕事を指示される。
折田のもとには、薩摩の者や幕府の役人のほか、会津、備中、土佐と台場作りを学ぶ武士が出入りしていた。
篤太夫はその中に混じって台場作りの講義を受け、薩摩なまりのある折田の講義は分かりにくく、受講者を困惑させていた。
さらにことあるごとに「摂海防禦御台場築造御用掛」という役職を話しの合間に入れるため、話が大ぶろしきを広げているだけで信用できないという者までいた。
そんな声を聴いて、商売で色んな土地の人を相手にしてきていた篤太夫が、鹿児島の言葉を通訳して受講者たちに教えて喜ばれる。
篤太夫が受講者たちと話してた時、別室で喧嘩が始まったと聞いて駆け付けると、西郷吉之助(博多華丸さん)が折田を「大ぼら吹き」だと責め立てていた。
西郷はすぐに篤太夫を見つけ、夜、折田と西郷と篤太夫の三人で飲むことになった。
西郷は篤太夫に折田を信用してはならぬ。と助言。しかし折田は西郷が島に流されていた間、国父・久光と公家たちを結び付ける役割をしていたのだと言い放つ。
しかし西郷は、折田に比べればイギリス船に乗り込んだ五代才助の方がまだマシ。五代が武州から長崎に入ったことを話すと、篤太夫が武州は自分の故郷だと言って喜ぶ。
篤太夫が一橋から来た者だと知って怪しんでいた薩摩の三島通庸(松村龍之介さん)、川村純義(日向丈さん)は、篤太夫が西郷にも取り入って話をしているのを見て、さらに疑いを深めるのだった。
篤太夫は折田の使い走りや、書類や絵図を描いたりして数週間真面目に働いて、休みに一旦京へ戻り、写してきた文書と和泉灘の絵図を平岡に見せた。
そして、折田が引き抜くような人物でないことを報告。さらに折田が宮家に出入りしていることも報告した。
十分な情報を得られたので、篤太夫に引き上げるよう命じた平岡。
篤太夫は平岡に、既に自分たちのような草莽の者を抱えている一橋家が、自分が少しでも役に立ったと思うのなら、この先さらに広く志士を抱えてはどうか?と建言。
大坂から戻ったら、自分と成一郎を関東を遣わして欲しいと申し出た。
優秀な家臣や兵を増やしたいと思っていた平岡は、少ない俸禄で働いてくれる人がいるか?と心配したが、篤太夫は「いる。」断言。
平岡は、慶喜に建言してくれると約束してくれた。
薩摩は、御所の警護を務める禁裏御守衛総督の座に就くため、朝廷との関りを強めていた。
平岡は、薩摩が山階宮家に出入りしているという篤太夫からの話を慶喜に報告。
薩摩が禁裏御守衛総督に就いてしまうと、京で、薩摩77万石のもう一つの政府が出来てしまう。何としても阻止しなければいけない。
慶喜は、自分を担ぎ出したのも天皇を担ぎ出したのも薩摩だが、今天皇に信頼されているのは、幕府と京を守っている会津の松平容保、そして自分だと言う。
平岡は、黒川二人で公家の人たちを訪ね、禁裏御守衛総督に慶喜をつけて欲しいとお願いして回ると申し出ると、慶喜は「頼んだぞ。」と力強く命じた。
平岡と黒川は、これまで政に消極的だった慶喜の今の姿に、頼もしさを感じるのだった。
元治元年(1864)3月25日。
慶喜は将軍後見職を免じられ、同時に朝廷から禁裏御守衛総督に任命された。京都守護職は会津の松平容保が再任。京都所司代は容保の弟で桑名藩主の松平定敬が就任した。
京で、一橋慶喜のもと朝廷を取り込む新しい体制が始まった。
禁裏御守衛総督を狙っていた薩摩の島津久光は、京の薩摩藩邸でイライラを募らせていた。
平岡の力だと考えていた大久保一蔵は「今の一橋はやぶれもはん。」と、薩摩に帰って新しい戦の備えをしようと進言。薩摩はこの時から打倒徳川に方針を変えていった。
一方。慶喜は、水戸にいる武田耕雲斎に兵を送って欲しいと文を送り、耕雲斎も喜んで送ろうと思っていた。
しかし、亡き藤田東湖の息子・小四郎が62人の兵を従えて筑波山で挙兵したと連絡が来て動けなくなった。
大坂では、篤太夫が折田に別れの挨拶をしていた。
折田は、薩摩や上州信州の言葉を理解し、皆の間に入って話をまとめてくれ、大いに役に立っと篤太夫を絶賛。
篤太夫は薩摩言葉の一覧を書き留めた書を置き土産として置いていき、感謝された。
川村と三島が篤太夫を斬ろうと密かに話す中、西郷が篤太夫を飲みに誘った。
西郷吉之助は、薩摩の豚の鍋を振舞いながら、篤太夫に薩摩をどう思ったか?と聞いてきた。平岡の命で来たと見抜いていたのだ。
篤太夫は平岡の命令だと認めたうえで、自分が百姓出身で何事も学んでやろうという気持ちでやってきたと正直に話す。
篤太夫は聞かれるまま、この先幕府が倒れ強い豪族による政治が始まると考えていて、一橋慶喜がいいのでは?と考えてることも明かす。
「薩摩が治めっとじゃいけもはんか?」と聞く西郷に「薩摩の今のお殿様にはその徳はおありですか?」と聞き返す篤太夫。
何も答えられない西郷。
しかし平岡に対しては「あまい先んこつ見え過ぎる人間は、往々にして非業の最期を遂げてしまうとじゃ。」と意味深な言葉を述べるのだった。
後日。
京の一橋邸に出勤した篤太夫と成一郎と川村は、不審な男たちを見かける。
川村が後を追い、篤太夫と成一郎は、一足早く邸に入り、平岡に一橋家家老並に昇進したお祝いの言葉を述べた。
平岡からは、慶喜に建白が聞き届けられたと教えられる。
篤太夫は撃剣家や漢学書生から共に戦えるような人物を30~40人連れてくると言い、成一郎は、義あるところなら命を捨てる覚悟がある者たちを多く集めてくると言った。
平岡は、二人に関東への出張を言い渡し、一橋領その他付近の村から身元確かで人物堅固なものを集めてくるよう命じた。
二人は久しぶりの関東に胸弾ませる。
しかし篤太夫は、西郷が言っていた「非業の最期」という言葉が引っ掛かり、平岡をひそかに心配するのだったーーー。
…というお話でした。
猪飼のエピソードが笑ける
第15回前半は、一橋家の家臣となって、初めての給料。色んな所から集まった一橋の他の家臣の人たちのエピソードを聞いて面白かったです。
特に猪飼の慶喜へのエピソード!!
足を慶喜の顔に当てて鼻血を出させたり、剃刀で頭を傷つけたり…。
腹を斬ってお詫びすると言う猪飼に、自分のせいだからと言ってかばってくれた慶喜。
一生ついてくと決めた…。なんて。
エピソードのたびに鼻を押さえたり、頭を包帯でグルグルにまいていたりするシーンが出てきて、結構な怪我なのに全然気に留めないふりしてくれる慶喜がいい人だな~と思いました。
前の小姓にケガさせられていたからこそ、平岡にあんなに丁寧に髪の結い方を教えたり、ご飯のよそおい方を丁寧に教えてくれてたのかな?とも思いました。
ちゃんと教えとかないと、またケガさせられるかも分からないし。
水戸から来た原一之進も、烈公と慶喜の共通点を見つけ出して感激してるし、なんか本当に家臣たちに慕われてるんだなと思いました。
あんなに激しい行動に出る攘夷の考えを変えさせるぐらいの人ですし。
川村も元攘夷の考えを持っていたからこそ、栄一たちの考えも変えられると自信を持って平岡に推薦したのかな?と思いました。
西郷の眼光が鋭い
15回に初登場した博多華丸さん演じる西郷吉之助!!
初登場から、台場作りを学んでいる人も信用できないと噂していた折田要蔵の首を掴んでドヤすという激しい一面を見せていました。
まだ島流しから帰ってきたばかり。栄一を見つけてギロッとにらんだ時は、シメられるのかと思いました。
2018年の大河ドラマ『西郷どん』では、吉之助が斉彬に命じられて橋本左内と二人で慶喜を将軍にするために奔走していましたが、その時平岡は出てたかな?
松田翔太さん演じる慶喜本人には会っていたと思うんですけど、平岡が出ていたシーンは暗殺間近ぐらいだったように記憶してるんですが…。
今回、平岡が西郷によろしくと栄一に言付けしていたって話が出ていたし、西郷が他の薩摩藩士が疑うなか、平岡の命を受けた栄一をかばってくれたのは、平岡と知り合いだったからだろうと勝手に解釈してます。
かつて協力してくれた平岡に、命が危ないとか予言めいたことを言うなんて、なんだか嫌な感じだな~と思いました。助けてくれよ!
でも、栄一が逆に「薩摩の今のお殿様にはその徳はおありですか?」と聞いた時に、黙り込んでて、栄一だけじゃなく西郷も正直者だなと思いました。
斉彬のことは慕ってたけど、久光とは合わなかったと『西郷どん』でも描かれてましたからね~。
西郷の動きにこれからも注目したいと思います。
次回は平岡暗殺?
『西郷どん』でも、久光が薩摩に戻る時期と平岡暗殺の時期は近かったです。
薩摩が平岡の暗殺に関わってると見ていいのかな?
もしかして、予言めいたことを言うってことは、西郷の手の者が平岡を暗殺する?
『西郷どん』の時は、気付いたら殺されてたって感じでしたけど。
何にせよ、平岡が暗殺されるのは史実。
信頼する部下を失った慶喜が、藤田東湖を失った斉昭のようになりはしないか心配です。
平岡のように、栄一のような入ってきたばかりの人間と、殿である慶喜を結び付けてくれる人間がいなくなるのも心配です。
慶喜の政も、栄一のこれからの一橋家家臣としての生活もどっちも大丈夫かな?
栄一と喜作が関東に行って、一橋家家臣のスカウトしに周るとのことですが、予告の映像では、栄一が真田に刀を突きつけられていました。
やっぱり裏切り者って言われてしまうのだろうか?
惇忠は水戸烈公を慕ってるし、じっくり話をすれば烈公の息子の慶喜の良さも理解してくれて、聞いてくれそうな気もするんですが、どうでしょうか??
次回予告映像では、頭に傷を負った川村の姿と、血で汚れた手に寄り添って泣く慶喜の姿が映っていました。
平岡暗殺のその時が来てしまうようです。
せっかく栄一たちと出会えたのに、もうさよならだなんて。
短か過ぎる!!
元々いろんな考えの人が集まった一橋家。それをまとめていた平岡がいなくなることでどうなってしまうのか?
特集番組を見ていても、平岡がいなくなってからの一橋家がどう変わっていくのか細かいことはやっていなかったので、この先の事が分かりません。
とても気になります!
以上、『青天を衝け』第15回の感想でした。
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