NHKで放送中の吉沢亮さん主演の大河ドラマ『青天を衝け』。7月4日に第21回が放送されました。www.nhk.or.jp
前回、第20回の感想はこちら。↓
おもな登場人物
- 渋沢栄一(篤太夫):吉沢亮さん…渋沢家中の家(なかんち)の長男。剛情に自分の意思を通す強さがある。よくしゃべる。成長して商売の面白さを知り意欲的に働く一方で、百姓が武家に虐げられる社会の仕組みに疑問を持ち、世の中を変えたいと考えだす。長七郎から聞く江戸の話を聞いているうち、尊王攘夷の考えに目覚め、喜作も江戸に行った時かされたところで自分も江戸に行きたいと父に願い出て、江戸に出る。江戸で出会った志士たちに影響を受け、攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために喜作と旅立ち、以前知り合った一橋家家臣の平岡のおかげで無事京に入り長七郎に文を送って呼び寄せる。が、長七郎が上京途中で殺人事件を起こして捕らわれ、幕府に攘夷の思いを書いた文が幕府に渡ってしまう。栄一と喜作が上京の際に、平岡の家臣として上京したため幕府から一橋に問い合わせが来て、平岡から改めて一橋に仕官するかどうか?の決断を迫られる。長七郎を助ける手立てが見つかるかもしれないと思い、一橋家の仕官することになった。成一郎と関東へ出張し一橋の兵を集めて来る間に恩人の平岡が水戸浪士に殺害される。同じ頃筑波山で挙兵した水戸天狗党が上洛するという知らせを聞き、征討する慶喜に集めた兵と一緒に随行。成一郎が慶喜の密書を武田耕雲斎に届けたことで天狗党は降伏。征討せずに済む。攘夷運動の終わりを見た成一郎が武士として一橋と慶喜を守ると決断したのとは別に、篤太夫は自分の長所を生かして一橋家の勘定を任せてほしいと慶喜に提言し、受け入れられた。
渋沢家・中の家
- 渋沢市郎右衛門:小林薫さん…栄一の父。中の家を立て直すために婿養子に入る。勤勉家で一日中働いている。栄一が幕府批判し出したことを何度も叱る。栄一が家を出る時に認めてくれた。
- 渋沢ゑい:和久井映見さん…栄一の母。「みんなが嬉しいのが一番」と栄一に教える。
- 渋沢千代:橋本愛さん…栄一の従妹で惇忠、長七郎の妹。栄一の妻。口数少なく控えめだが芯は強い。
- 吉岡なか:村川絵梨さん…栄一の姉。はっきりとした物言いをする。同じ村の人に嫁ぐ。
- 渋沢てい:藤野涼子さん…栄一の年の離れた妹。お兄ちゃん子。
- 渋沢うた:三井絢月さん…栄一の娘。
渋沢家・新屋敷
- 渋沢よし:成海璃子さん…けんかの仲裁をした喜作に一目惚れし、自ら結婚を申し出る。結婚後は喜作を尻に敷き、栄一と喜作が上京してからは千代を支え夫の留守を守る。
渋沢家:東の家
- 渋沢宗助:平泉成さん…栄一の伯父。東の家の当主。血洗島村の名主として市郎右衛門と共に村をまとめる。
- 渋沢まさ:朝加真由美さん…栄一の伯母。一言多いが根はいい人。
尾高家
- 尾高惇忠(新五郎):田辺誠一さん…栄一の従兄。尾高家の長男。従弟である栄一たちに剣術などを教える。水戸の斉昭の尊王攘夷の考えに傾倒。各地から来る若者らを受け入れて尊王攘夷の考えを広めている。老中安藤を討つ計画に走ろうとしていた弟・長七郎を引き留め、自分の計画に参加するよう説得した。その後、逆に長七郎に自分の計画を命がけで止められる。上京の途中で殺人事件を起こした長七郎を救おうと動いてる。水戸の騒乱に関わりがあると疑われ、岡谷の陣屋に捕らえられる。村の人たちの訴えのおかげで放免された。
- 尾高やへ:手塚理美さん…栄一の伯母。惇忠、長七郎、千代、平九郎を育てた母。
- 尾高長七郎:満島真之介さん…栄一の従兄。神道無念流の剣豪として名をはせるようになっていく。剣術修業しに来た真田に誘われ江戸に行き、尊王攘夷を掲げる若者たちと交流する。志士の河野と共に坂下門外の変に加わるつもりだったが、惇忠の説得により断念。上州に逃れたのち京へ逃れていたが故郷に帰ってきて惇忠らが立てた横濱焼き討ち計画を知り、命がけで中止させた。以後、情緒が安定しない様子。上京した栄一からの文で上京する際、気の迷いから人を斬ってしまい、幕府に捕らえられる。
- 尾高平九郎:岡田健史さん…栄一の従弟。
- 尾高きせ:手塚真生さん…惇忠の妻。
- 尾高勇:和田葵さん…惇忠の娘。
一橋家
- 美賀君:川栄李奈さん…慶喜の正室。気性が激しい一面がある。
- 徳信院:美村里江さん…一橋家当主・徳川慶寿の正室となるが死別。徳信院と名乗る。慶寿の後継が亡くなり、養子に来た慶喜にとっては養祖母となる。
- 中根長十郎:長谷川公彦さん…慶喜の側用人。
- 平岡円四郎:堤真一さん…慶喜の側近。安政の大獄で甲府にやられたのち、一橋家に戻りたいと懇願。慶喜のもとに戻る。その後、川村が見つけてきた栄一と喜作を一橋家の家臣にスカウト。一度は断られたが、長七郎の事件をきっかけに再び誘い、一橋家に仕官させた。黒川と共に政で慶喜が有利になるよう働く。池田屋事件をきっかけに尊攘派弾圧をする慶喜をたぶらかす存在と恨まれ、水戸浪士に命を奪われる。
- 平岡やす:木村佳乃さん…円四郎の妻。
- よね:高野渚さん…平岡家で働く女性。
- 川村恵十郎:波岡一喜さん…一橋家の家臣。
- 猪飼勝三郎:遠山俊也さん…代々続く一橋家家臣。
- 黒川嘉兵衛:みのすけさん…慶喜の側近。平岡と一緒に慶喜が公家たちに動く。
- 伝蔵(須永虎之助):萩原護さん…中の家の作男で、栄一らと共に勉学や武芸を学ぶ仲。のちに一橋家の家臣となった栄一と喜作に呼ばれ、一橋家家臣となる。
水戸藩
- 吉子(登美宮):原日出子さん…水戸藩の元藩主・斉昭の妻で慶喜の母。公家出身。
- 徳川慶篤:中島歩さん…斉昭の跡を継いだ水戸藩藩主。慶喜の兄。
江戸幕府
- 徳川慶喜:草彅剛さん…水戸藩藩主・徳川斉昭の七男で徳川幕府最後の将軍となる。父・斉昭の期待を一身に受け、厳しい教育を施される。一橋家当主の後継が亡くなったことで、老中阿部正弘の推薦で一橋家に養子に入る。刑部卿となった自分を政界に復帰した父・斉昭が頼ってくるが将軍になる望みはないと言い切るが、いざ家茂が将軍となると寂しさを感じる。井伊直弼から隠居を言い渡され邸内の一室に籠る。謹慎中に父斉昭が亡くなり、親不孝をしたと泣いた。井伊大老が亡くなったことで政界復帰。将軍後見職に就き京に入ったが、攘夷ばかり口にする公家や天皇をどう説得すればよい分からない。自分を政界復帰に推してくれた島津久光とは合わない。栄一と出会ったことで徳川を守ると覚悟を決め、薩摩の政治介入を阻止しようと、中川宮の前で久光、春嶽、伊達を「天下の大愚物」と言って朝議参与を解散させてしまう。その後禁裏御守衛総督となる。家茂逝去で徳川宗家を継ぎ、家茂に代わり長州征伐をしたが敗戦の色が濃くなると退却。孝明天皇の強い願いに応え、征夷大将軍となる。パリ万博に派遣する弟の昭武の一行に篤太夫(栄一)を加えた。
- 徳川昭武(民部公子):板垣李光人さん…斉昭の十一男。慶喜の異母弟。清水家の養子となり徳川昭武となる。将軍となった慶喜の代わりにパリ万博へ行き、随行する栄一と特別な絆を結ぶことになる。明治になると慶篤の急逝で水戸藩主になる。
- 天璋院:上白石萌音さん…第13代将軍・家定の正室。薩摩藩主島津斉彬の養女として慶喜を将軍後継にする密命を持っていた。家定の急逝で天璋院と名乗る。
- 歌橋:峯村リエさん…家定の乳母。家定から信頼が厚く、慶喜を後継にするのを反対し、紀州藩の慶福を推す。
- 和宮(静寛院宮):深川麻衣さん…公武合体の政策で14代将軍家茂に嫁いだ。
- 川路聖謨:平田満さん…勘定奉行。師と慕う人の息子・平岡円四郎を慶喜の側近に推薦する。将軍継嗣問題で敗れ、西丸留守居役を命じられる。その後また外国奉行に復帰。
- 永井尚志:中村靖日さん…ペリー来航後海防掛となる。海防参与となった徳川斉昭の過激さに振り回される。将軍継嗣問題で処分される。その後大目付となり慶喜を支える立場となる。
- 土方歳三:町田啓太さん…新撰組副長。栄一とはある任務で一緒になり、同じ百姓出身と言うこともあり意気投合。鳥羽伏見の戦いで敗れた後、各地へ転戦したのち、榎本武揚や喜作と共に箱館に渡り五稜郭を占領。新政府軍と戦って壮絶な戦死をする。
- 渋沢喜作(成一郎):高良健吾さん…栄一の2歳年上の従兄で幼馴染。渋沢一族「新屋敷」の長男。千代との結婚を望んでいたが、千代と栄一が思い合ってると知り身を引き、自分はよしと結婚。江戸に出て尊王攘夷の考えに触れ攘夷志士となる。惇忠が立てた横濱焼き討ち計画を長七郎に命がけで止められ中止。八州廻りから逃れるために栄一と京へ旅立つ。栄一共に一橋家に仕官する。上洛しようとする水戸天狗党に慶喜の密書を届けに越前に行った時に、天狗党の軍が疲弊しているのを目の当たりして攘夷運動の成れの果てを見たとショックを受け、これからは一橋と慶喜を守るために生きると決断する。
- 原市之進:尾上寛之さん…慶喜の側近。
- 栗本鋤雲:池内万作さん…奥医師から蝦夷地へ左選され、箱館奉行組頭となり功績が認められ目付となり、さらに外国奉行になる。
- 阿部正外:眼鏡太郎さん…老中。
- 小栗忠順:武田真治さん…勘定奉行。幕府の戦力増強を図る。フランスとコンパニー設立を目指す。
- 柴田剛中:江端英久さん…旗本。外国奉行。
- 板倉勝静:永井秀樹さん…老中首座。
- 松平乗謨:西海健二郎さん…老中。
- 福地源一郎:犬飼貴丈さん…外国奉行支配。
- 田辺太一:山中聡さん…幕臣。外交官。フランスに行った経験があることから昭武のパリ派遣に随行。幕府とは別に薩摩が独立して万博に出品しようしたことに猛抗議する。
- 福沢諭吉:中村萬太郎さん…
- 向山一履:岡森諦さん…幕臣。漢詩人。
- 杉浦愛蔵(譲):志尊淳さん…外国奉行支配。徳川昭武のパリ派遣随行員の一人。栄一と親交を深めて維新後は静岡に行き、のちに栄一が明治政府で栄一が立ち上げた民部省改正掛の一員となる。
- 山髙信雄:山本浩司さん…徳川昭武の傅役でパリへ随行。その後のヨーロッパ諸国の訪問にも同行。
- 高松凌雲:細田善彦さん…一橋家軍制所の医師だったが、慶喜が将軍となったことで奥医師に。徳川昭武のパリ派遣に随行し、留学生となってフランスで医学を学び帰国。箱館の戦いでは敵味方関係なく治療に当たった。
朝廷
- 孝明天皇:尾上右近さん…幕府より攘夷を訴える水戸を頼りにする。家茂に和宮を嫁がせる事で幕府に攘夷を要求する。家茂の逝去後、慶喜に将軍に就かせる。
- 中川宮:奥田洋平さん…
- 岩倉具視:山内圭哉さん…公武合体のメリットを孝明天皇に説く。政争に負け浪人生活。
- トメ:梅沢昌代さん…岩倉の家で働く女性。
- 三条実美:金井勇太さん…攘夷志士たちに押され、幕府に攘夷せよと言う。
- 二条斉敬:森敬一朗さん
- 正親町三条実愛:置鮎龍太郎さん…薩摩寄りの公家。
- 睦仁親王:犬飼直紀さん…のちの明治天皇。
長州藩
- 井上聞多(馨):福士誠治さん…尊王攘夷派の長州藩士だったが、伊藤俊輔らとロンドンに渡り開国派に。維新後は大蔵省に入り、栄一はその右腕となる。
- 伊藤俊輔(博文):山崎育三郎さん…長州藩士。
薩摩藩
- 島津久光:池田成志さん…薩摩藩の国父。公武合体を成すため軍を率いて上洛。雄藩による政治参画を実現するため「参与会議」を発足。慶喜とは横濱鎖港の件で対立する。政治の裏工作をことごとく一橋に潰され、次第に徳川打倒へと考えを変えていく。
- 西郷吉之助(隆盛):博多華丸さん…薩摩藩士。公武合体実現のため、流罪を赦免されて藩政復帰。一橋家の命で大坂に来ていた栄一と出会う。
- 大久保一蔵(利通):石丸幹二さん…久光の側近として公武合体のために上京。腹の内が読めない慶喜を警戒。明治の新政府では大蔵卿となり、部下となる栄一と意見が対立する。
- 五代才助(友厚):ディーン・フジオカさん…薩摩藩士。長崎遊学の経験から世界情勢に精通。貿易による富国強兵を唱えてイギリスに留学中、フランス万博の情報をいち早く得て薩摩藩として参加を実現。幕府の威信を落とす。この時幕府側として参加していた栄一とは、のちに「西の五代、東の渋沢」と呼ばれる実業家となる。
- 川村純義:日向丈さん…
- 新納刑部:藤井宏之さん…薩摩藩士。
諸藩
- 松平春嶽:要潤さん…前福井藩主。慶喜の優秀さを見抜き、将軍後継に推すために奔走したが敗れ、井伊に隠居、謹慎を命じられたのち、政界復帰。
- 伊達宗城:菅原大吉さん…第8代宇和島藩主。将軍継嗣問題で慶喜を推して隠居謹慎に処されたが、久光の公武合体運動で政界復帰。朝議参与に任命される。久光や春嶽と共に開国を唱え、慶喜と対立。
- 山内容堂:水上竜士さん…第15代土佐藩主。将軍継嗣問題で慶喜を推して隠居謹慎に処されたが、のちに朝議参与に任命される。慶喜に大政奉還を建白する。
- 松平容保:小日向星一さん…会津藩主。幕府から命じられて攘夷派が多くいる京の治安維持のため、病をおして上京。京都守護職に就く。市中警護のため浪士隊「新選組」は容保のもとで活躍。
- 松平定敬:小日向春平さん…桑名藩主。同い年だった家茂からの信頼され、家元と共に上洛。京都所司代となり、兄・容保共に京の警護にあたる。
海外
- アーネスト・サトウ:カイル・カードさん…イギリスの通訳。
- ハリー・パークス:イアン・ムーアさん…イギリス公使。
- レオン・ロッシュ:ディディエ・ケアロックさん…フランスの外交官。
第21回のあらすじ
原市之進()から呼び出された篤太夫は、パリ万博に派遣される慶喜の弟・昭武(板垣李光人さん)の一行に加わるよう慶喜から指名されたと聞かされる。
慶喜が篤太夫に頼みたいのは、俗事や会計を務めながら、昭武についていく攘夷を唱える水戸の者たちと幕府との間を取り持ち、異国人に水戸の者が害を及ぼさないかを見張るというもの。
原の話を聞いて道が開けた気持ちになった篤太夫は「これは僥倖。参ります。」と即答した。
大目付の永井尚志(中村靖日さん)は篤太夫に仏行御入用帳を渡し、フランスに行く際には幕府から旅費を前貸しされ、帰国したら何にいくら使用したかを報告。勘定を仕上げるのが篤太夫の役目だと説明。
そして、国を出ていく時は、その者の家を断絶させないよう先に跡継ぎを定めておく『見立て養子』を決めないといけないとも説明。
話を聞いた篤太夫は『見立て養子』について成一郎と話したいと思っていた。
その成一郎は江戸での用を済ませ、血洗島の惇忠と平九郎に会いに行っていた。
そして主君である慶喜の考えを話し、倒幕を志していた自分が今幕臣として将軍・慶喜を支えたいと思っていると正直に話した。
すると惇忠は「今や一橋様のお考えに異論なしだ。国を開くことで日の本を貶めるのではなく、かえって国威をあげるのであれば、これぞまさに水戸様の教え。」と賛成してくれた。
惇忠に認めてもらってホッと胸をなでおろす成一郎。
平岡亡き今、慶喜が求めているのは軍師となれる優秀な頭。自分と一緒に幕府に来ないか?と惇忠と平九郎を誘った。
急ぎ戻る成一郎に、妻のよしと、篤太夫の妻・千代が声をかける。
千代は栄一の近況を聞きたがり、成一郎が栄一は今すねていて役目を違えてしまったと正直に話すと、落ち込んでしまう千代。
成一郎とよしはそんな千代を気遣うのだった。
京では、孝明天皇の強い希望で慶喜が第15代征夷大将軍に就任。
孝明天皇は「神事をおろそかにして何が帝か。」と言い、体調不良をおして4時間以上の御神楽に参列。数日後、崩御した。
践祚する睦仁親王には、孝明天皇が追放した幕府に刃向かう公家ばかりがついており、幕府に不利な空気が流れてきた。
岩倉具視は、天皇崩御の知らせを聞いて嘆き悲しみ、王政復古への思いをさらに強くした。
慶応3(1867)年。
二条城で慶喜に謁見した篤太夫はその姿に驚く。
久しぶりに会った慶喜は洋装姿。フランスの第3代ナポレオンからもらった軍服を身に着けていたのだ。
慶喜は昭武に、パリ行きに随行する篤太夫と会わせる。さらにパリ行きに向けて5つの心得を昭武に話した。
- 会が終わった後は条約を結んでいるエゲレス・オランダ・プロシア・ベルギー・イタリー・スイスの各国を訪れ、その地の王に挨拶すること。
- それが終わればフランスにて学問を修めること。3年から5年。さらに長く学んでもいい。
- 学んでる間は師を必ず重んじよ。
- もしも日の本に常ならぬ事変が起きたと風聞を耳にすることがあっても決してみだりに動かぬこと。
- この度の渡欧の一行は、一和に円満に努めること。
慶喜は昭武に心得を話した後、篤太夫と話をした。
将軍を継いだものの、自分の力では及ばないと分かっていると語る慶喜。
「ゆえに行く末は直に広い世を見知った若き人材に将軍の座を継がせたい。それには、昭武がふさわしい。」と言って、昭武を清水家の養子にし、パリへ行かせる理由を言う。
昭武が帰国すれば自分に子があっても将軍に推そうと考えているが、それまで幕府を潰さずにおれるかが問題。潰されないよう努めると話す慶喜。
篤太夫は家康の遺訓を唱えだす。途中から慶喜も一緒に唱えた。
慶喜は改めて、昭武のことを篤太夫に頼んだのだった。
翌日。昭武の一行は京を出発。船で横浜に到着した。
神奈川奉行所で昭武を待っていたのは、幕府の重臣たちだった。
外国奉行の栗本鋤雲(池内万作さん)が紹介してきた重臣たちの中にいた、小栗上野介(武田真治さん)に興奮する篤太夫。
続いて紹介されたフランス公使・ロッシュ(ディディエ・ケアロックさん)が、初対面の昭武に握手を求めるのを見て「なれなれしい!」と憤りを感じた。
そこへ、外国方の杉浦愛蔵(志尊淳さん)が篤太夫と医師の高松凌雲(細田善彦さん)を連れ出し、福沢諭吉(中村萬太郎さん)と福地源一郎(犬飼貴丈さん)に会わせた。
福地は、篤太夫に「向こうに行ったらモンブランというフランス人に気をつけろよ。」と助言してきた。
福地はかつてフランスに行ったことがあるのだが、モンブランという人は幕府の者が行くたびに交わりを求めてくると言い、相手にしないでいたら、今度は薩摩に近づいているという。
福地は何か企んでるかもしれないと奉行に報告したが、放っておけと言われたらしい。
次に、小栗から随行員たちに細かい説明をしたうえで、フランス行きの目的が博覧会参加だけでなく、600万ドルの借款を得るためだという説明があった。
篤太夫は、小栗から個別に借款についての説明を受ける。
しかし篤太夫は心配していたのは、博覧会後の3年から5年に及ぶという昭武一行の滞在費について。
小栗は自分が勘定奉行であるうちは間違いなく送るからと約束してくれたが、幕府が1年先も持つかどうかわからないとこぼす。
そして6年前にアメリカに行った時に見た造船所の話をし、持ち帰ったネジを篤太夫に見せてくれた。
造船所やネジにいたるまで驚く速さで生産する技術を目の当たりにした小栗は、日本は何も勝てないと知ったという。
いつか幕府のしたことがのちの役に立ち「徳川のおかげで助かった。」と言われるなら徳川家の名誉となる。と言い、造船所を造っているのだ。
篤太夫に「お主なら嫌いな異国からでも多くの事を学べよう。無事に戻れば共に励もうぞ。」と言ってくれた。
小栗の思いを受け止めた篤太夫だった。
篤太夫はフランス行きの準備を進めながら『見立て養子』について成一郎に相談したいと考え、江戸に向かった。
が、成一郎は京に戻ったと聞かされ、次に長七郎との面会を求めて小石川代官所へ。そこで同じく面会を求めてやってきた成一郎と偶然にも再会。
フランス行きの話をしているうちに長七郎との面会の許可が下り、成一郎と篤太夫はすっかり弱った長七郎と牢越しに会った。
長七郎は差し入れのことで礼を言い、かつて岡部の陣屋の牢をのぞきにいった思い出話をした。
成一郎は「いつかは出られる。望みは捨てるな。」と励ました。
「ここは生きたまま死んでるみてぇだ。捨てるべきだった命を捨てることが出来ねえまま…。今宵もこうして月を思い浮かべるしかねえ。」と返す長七郎に、言葉が出ない篤太夫だった。
面会後、篤太夫は『見立て養子』を尾高の平九郎を立てたいと成一郎に相談。
そうすれば、幕臣として千代やうたと共に江戸か京に出てくることが出来ると言う篤太夫。成一郎は、惇忠と平九郎を徳川に呼びたいと思っていたと言い、中の家と尾高家に話しておいてくれると約束してくれた。
あと、何度文を出しても千代から返事がないことを心配していた篤太夫。
成一郎は千代が篤太夫のことを思っているのを見てきた後とは教えず、一人笑い、節操を守るよう伝えるとだけ言った。
そして篤太夫が帰国した後の日本を思い浮かべ、今よりいい世になってると期待する二人だった。
1月11日。
篤太夫は横浜からアルフェー号に乗り込んだ。
篤太夫からの文でフランス行きを知った血洗島の家族は、もう会えないかもしれないと覚悟していたーーー。
…というお話でした。
パリ行きに二つ返事
慶喜にパリへ行く昭武の随行員として指名された篤太夫。
もっと驚いて迷うかと思いきや「参ります。」と即答。笑いました。
外国に行くんだぞ!もっと迷いなさいよ!!!
でももうどうしたらいいか分からない!!って悩んでる時は、人からもらった話に飛びつくのがいいのかもしれないですよね。
自分で考えたって答えが出ないんだから、誰か考えて!って気持ちだったのかな?
希望を持てなくなった地から一度離れてみたい!って気持ちもあったのかも。
私も今住んでる土地で正直よくない事の方が多くて、もうこの地を離れてみたいと思ってますが、そんな簡単に離れることも出来ず。
篤太夫みたいなチャンス、本当に羨ましいと思います。
旅費は幕府が出してくれるんですよね。その分、仕事がきつそうだし、かなり優秀じゃないと務まらない仕事ではあるんですが…。単純に羨ましいな~と思いました。
でも『見立て養子』を立てないといけないというのは、命の危険があるってことですよね。
命を懸けて海外に行くか?と聞かれれば、迷いが出てくると思うのに篤太夫はひるんでないのがスゴイなと思いました。
篤太夫、栄一の柔軟さには毎回驚かされます。
惇忠に認められてよかった
かつて血洗島で惇忠の塾で勉強し、栄一たちと倒幕を目指した喜作こと成一郎。
師匠とも言うべき惇忠さんに、今は幕臣となって将軍を守って行こうと思うと打ち明けていました。
勇気が要ったと思います。
惇忠さんが成一郎を受け入れるかどうか、今回の話を見るまでは私も不安でした。
でも思い返してみれば、惇忠は天狗党の乱のときに水戸の浪士たちがお金や軍に加わることを求めに来たのに、大義がないとバッサリと切り捨ててましたよね。
成一郎が越前で天狗党が困窮しているのを目の当たりにして、攘夷はどうでもいいと考えたみたいに、惇忠も天狗党が助けを求めてきた時にもう、攘夷の終わりが来てるのは感じてたのかもしれない。
それか、栄一と喜作が一橋家に入った時点でもう受け入れていたのかもしれない。
篤太夫や成一郎のように直接一橋家の人たちに会ってなくても、受け入れられる惇忠の柔軟さもゴイなと感じました。
ちゃんと頭を下げて筋を通す成一郎と、受け入れる惇忠の姿を見てホッとしました。
栗本と小栗が物腰柔らか
池内万作さん演じる外国奉行の栗本と、武田真治さん演じる勘定奉行の小栗。
二人とも、慶喜と合わなくて陰で文句を言ってるところがこれまで放送されていました。
なんだか血気盛んで怖い人たちだな~と思ってましたけど、いざ慶喜が将軍となって、パリへ派遣される昭武を迎え入れてる二人が物腰が柔らかくてびっくりしました。
ちゃんと落ち着いて話が出来る人なんだ、好き嫌いを押し殺してちゃんと仕事出来る人でスゴイなと思いました。
そりゃあまぁ、幕府という大きな組織の上に立てる人なんだから、そんなことできて当たり前か…。
栗本が昭武に優しい物言いをしているのが意外な感じでした。
それと!
篤太夫と話している時の小栗。小栗の笑顔を初めて見れて嬉しかったです。
冗談言ったり、励ましたり出来る人だったんですね。
ちゃんと一橋での篤太夫の働きを耳にして、信じてくれたり、無事に戻れば共に励もうぞ。と言ってくれたり。
なんだ!いい人じゃないか!
怖い人だと思ってましたよ。
ちゃんと幕府を守って、パリの滞在費を送ってくださいね!!
って、途中で幕府が潰れちゃうんだな~~。
次回はパリ!!!
どうなる?昭武一行!!
日本の情勢は忘れて、楽しんできて欲しいなと思いますけど…。
異国の地での薩摩との戦いも楽しみです。
五代様は何を仕掛けてくるのか??
以上、『青天を衝け』第21回の感想でした。
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