テレビ好きぴえーるの日記

テレビ好きの主婦によるドラマ、バラエティ、旅番組、入院生活などの雑記ブログ。

100分de名著 M・ミッチェル 風と共に去りぬ 第1回(一筋縄ではいかない物語)を観た感想とネタバレ

スポンサーリンク

スポンサーリンク

毎週月曜夜10時25分~10時50分まで、Eテレで放送中の「100de名著」。2019年1月はマーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」を取り上げています。1月7日、第1回が放送されました。

100分de名著の司会は、安部みちこアナウンサーと伊集院光さんです。月に1冊、1回25分で4回に分けて一作品をその作品に詳しい方に解説をしてもらって、理解を深める番組です。

話が難しくなっても、伊集院光さんがいつも分かりやすく噛み砕いて例えを出してくれるので、分からないまま番組が進まないのがいいです。

全然知らなかった作品でも、番組を見終わった後は読みたい!と思わせてくれます。

www.nhk.or.jp

 今回取り上げられた「風と共に去りぬ」が描かれたのは、黒人奴隷制度などをめぐって1861~65年にアメリカが来たの南に分かれて戦った南北戦争の時代です。

番組では2015年に「風と共に去りぬ」の新訳を手掛けた、翻訳家の鴻巣友季子さんが現在にも通じる新たな視点で、映画を見ただけでは分からない文学的魅力を話していました。

 

私は、映画は観た事あります。

ずっと前にBSでやってるのをみました。とても長くて休憩時間も放送されていました。

私は原作があることを知りませんでした。映画も長かったですが、原作も全5巻もある長編なんだそうです。そのことも今回初めて知ってびっくりしました。

 

ベストセラーとなった時代背景

原作小説が刊行されたのは1936年。映画化は1939年。この作品がベストセラーになった要因は時代背景にある。と鴻巣さんはおっしゃってました。

19世紀の終わりぐらいから大不況が続き、社会不安や鬱屈、鬱憤が蓄積しているところに、KKK(クー・クラックス・クラン)という白人至上主義の差別的な集団の活動が再活発化されたということもあり、読者は南北戦争後の混乱期を書いた「風と共に去りぬ」は、他人事ではない小説で、当時の人は、自分の事のように読んだといいます。

 

スカーレット・オハラは美人でない?

舞台は、南北戦争時代のアメリカ南部ジョージア州。 主人公はスカーレット・オハラ。映画ではヴィヴィアン・リーが演じたので、このイメージが強いですが、原作で描写されているスカーレットは違います。

原作では「スカーレット・オハラは、実のところ美人ではなかったが…」という出だしで、さらに細かく「背は低く、つり目。エラが張り気味。首は短く、バストは並外れて大きい。」と書いてあるそうなんです。

番組では、映画のヴィヴィアン・リーのスカーレットの絵を、原作で描かれているように変化させたモンタージュを紹介していました。

「正統な美人ではないけれど、ものすごく魅力的な人物」として原作では描かれているそうです。実際、16歳のスカーレットはモテモテ。

原作と映画でかなり違うところは屋敷も。映画では白亜の豪邸だったが、原作ではまだ開拓されていないジョージア北部の田舎の暮らしを描いているそうです。

 

私は、いきなりスカーレットのイメージが違うところでビックリしました。映画と違うと分かって、なんだ?なんだ?と原作が気になりました。

 

鴻巣さんの話は、映画だけでは分からない魅力についての話に移りました。

番組では、「風と共に去りぬ」を宝塚でスカーレット役を演じた事のある、龍真咲さんが朗読をしていました。

 

アシュリの婚約とバトラーとの出会い

裕福な家庭で何不自由なく育ったスカーレットは、とても魅力的で、町中の男は彼女に夢中。しかしスカレーレットは、文学が芸術を愛する貴公子、アシュリという本命がいました。自信家のスカーレットは、アシュリと結ばれることを疑っていませんでした。

なのにある日、アシュリがメラニーと婚約発表をすると聞きます。表情も変えず話を聞いたスカーレット。内面では嵐が吹き荒れていました。

スカーレットは、「アシュリがメラニーを好きなわけがない。だってあの人はーええ、間違いようがないーわたしに恋をしているんだもの。」と自分こそがアシュリの想い人だと信じて疑いませんでした。

そして婚約パーティーの日。

スカーレットは、自分から告白すればアシュリの気が変わるはず。と、アシュリを書斎に呼び出して告白。しかしアシュリはメラニーと結婚すると返事し、振られてしまいます。

怒ったスカーレットはアシュリを平手打ち。さらに陶器を暖炉に投げつけました。するとソファの奥から一人の男が起き上がりました。スキャンダラスな社交界の除け者、レット・バトラーです。

恥ずかしい会話を全部聞かれてしまったスカーレット。何とか体面を保とうとし、「そこにいらしたのなら、お知らせていただくべきでした。」と言い放ちます。

「けど、わたしが休んでいるところに、入ってきたのはそっちだものなぁ。やれやれ!」とバトラーは肩をすくめて低く笑った…

 

龍真咲さんの朗読でここまでの話を読みました。龍さんがスカーレット、アシュリ、バトラーと、女性男性それぞれの声色を変えて読んでくれたので、紙芝居を見ているようで面白かったです。

テレビでは登場人物の絵が映ってたので読んでる人が一瞬分からなくなり、男性の声は別の方が読んでいるのかと思っていたら、両方とも龍さんが読んでいたのでびっくりしました。カッコよかったです。

 

レット・バトラーのセリフで遊ぶ

鴻巣さんによると、刊行当時からバトラーは人気があったが、人物造形が類型的、ステレオタイプという批判があったそうです。それに対して著者ミッチェルは「私のキャラクターは全部ストックフィギュアだし、コンポジットです。」と答えたとのこと。

コンポジットとは、合成物の意味で、19世紀の名作のキャラクターを合成して作ってるそうなのです。鴻巣さんは、今見るとモダン。新しい創造法だといいます。

さらに文芸評論家の千野帽子さんがレット・バトラーを使った遊びを提案していたことを紹介。千野さんは、アニメのキャラクターに共通するものがあると指摘していたそうです。

そこで、バトラーの決めぜりふ「愛を語りながら金の算段か 女の本性ってやつだな」で、想像してみることになりました。どんなキャラに言わせたら面白そうか??

伊集院さんは「巨人の星」の花形満。と答えました。鴻巣さんの周りでは「ガラスの仮面」の速水真澄。という声が多かったそうで、他には「ルパン3世」の石川五ェ門という名も挙がったそうです。

みんなキザな男前な感じで、伊集院さんが読んでいました。ちょっと似合ってなかったです…。

 

鴻巣さんは、ミッチェルの文体はスタイリッシュだが、キャラクターには既視感がある。そういうのを組み合わせることで新旧の化学反応がある。

新旧織り交ぜることでバランスが取れて、古びないでいるところがある。とおっしゃってました。

 

私はこの話を聞いて、確かにそうだなぁと思いました。

作品自体は太平洋戦争の頃なのに、バトラーみたいな人はいつの時代にもいるようなキザな男を思い浮かべます。

 

4人の登場人物

アシュリとメラニーは結婚することになりました。その結婚の前日に当てつけにスカーレットは、メラニーの兄チャールズと電撃結婚

 

ここまで紹介されて、伊集院さんは「スカーレットやばいやつですね。改めてやっぱりね。」と言ってました。

私も思いました。メラニーと婚約するって聞いてるのに、私の事こと好きなはずって思ってるのもやばいし、告白して振られて平手打ちの上に陶器を投げつけるって…。

モテる女のプライドズタズタなのは分かるけど、当てつけに結婚までするところが引くわ~~って感じです。結婚ってそんな風にするもんじゃないし…。

でも、それを本気でやってのける女がスカーレットなんですよね。ま、物語の話ですが。

 

アシュリとチャールズは南北戦争に出征。すぐにチャールズは野営地で病死してしまいます。その後妊娠が分かったスカーレットは出産します。しかしこの時点でもアシュリを諦めていないスカーレットです。

 

鴻巣さんによると、スカーレットはアシュリに断られた時、「君と僕はかけ離れて過ぎてるから、うまくいかない。僕がどうしてメラニーと結婚するかというと、似た者同士だから。」と言われている、といいます。

この似た者同士」というのがこの作品のキーワードになる。とおっしゃってました。

 

似た者同士が作る同質社会

この「似た者同士」という言葉は、レット・バトラーがスカーレットに愛を告げる時にも登場します。

「愛しているよ、スカーレット。わたしたちは似た者同士だから。おたがい裏切り者だし、身勝手でどうしようもないやつだ。自分の身さえ安泰安楽であれば、全世界が滅びても屁とも思わない。」というもの。

当時の南部は、白人富裕層という「似た者同士」が結束し、それ以外の人々を虐げる社会。同質の集まりは、強さと結束の一方で、それ以外の人を犠牲にする排他性と差別を生み出す。同質社会の危うさは今のアメリカでも再び姿を現しつつあると番組は紹介していました。

 

4人の登場人物もそれぞれ似たところのある「似た者同士」。

番組では登場人物を線でつないで紹介していました。ここまでの話では、アシュリ、メラニー。そしてレット・バトラーとスカーレットという組み合わせで似た者同士であるのは出ていました。

しかし、鴻巣さんはスカーレットとメラニーも似た者同士であると言います。実はメラニーにも物語が進むと、意地悪な「黒メラニー」が出てくるんだそうです。アシュリとバトラーも似た者だと思ってるとのこと。

しかし、この4人の中でどうしてもつながらないラインがある。スカーレットとアシュリです。ここの調和を欠くがゆえに色々な事件が巻き起こるんだそうですよ!

面白そうです!

 

基本的に南部は、同質の者同士が調和と絆を築く社会。しかし、スカーレットは絶対同調圧力に屈しない。全体主義排他主義も冷めた目で見ている。言ってみれば「アウトサイダー」であると鴻巣さんはいいます。

アウトサイダーの目を通して、南部社会ひいてはアメリカ全体を飛翔的に描いたのがこの「風と共に去りぬ」なんだそうです!!

 

私は、この南北戦争の時代のことがよく分かるからとか、有名な映画だとか、太平洋戦争の最中にこんな映画作れる国と戦ってたなんて、負けるに決まってるとか、色んな日本からの視点で「風と共に去りぬ」のことを知ってたつもりでした。

こうやって原作の解説を聞くと、今にもつながる話なんだと知ることが出来ました。

 

番組では、喪中のスカーレットとバトラーの、病院設立の為のバザーでのエピソードも紹介されていました。スカーレットとバトラーの異端ぶりがよく分かるエピソードでした。番組では龍さんが朗読していました。

 

メラニーとレット・バトラーの友情

あと、鴻巣さんが翻訳家として気になった場面も紹介。バトラーとメラニー、初対面の時の会話の場面です。メラニーから夫が戦地にいることを聞いて、バトラーは「お察しします。」と言って目の奥の奥まで探るような顔になった。という「目の奥の奥」とい鴻巣さんは翻訳。原作では「BOTTOM(底)」という単語で表現されていて、「何でそんなに奥までいきなり覗かなくちゃいけないんだろう。」と疑問を持ったそうです。

その謎は第4回でじっくり解説してくださるそうです。

楽しみです。

 

一見、共通したところがなさそうなメラニーとバトラー。鴻巣さんが「レットとメラニーの友情の軸って大好きなストーリーライン。」とおっしゃっていたので、余計早く第4回が観たくなりました。

「この二人が一番お互いのことを、いいところを理解してて、最も信頼し合ってるような関係になっていく。」となんとも思わせぶりな事もおっしゃってました。

気になる~!!

 

次回、第2回は「アメリカの光と影」です。

鴻巣さんはどんな解説をしてくださるんでしょうか??期待が高まります!!

 

 

www.lovetv.site

 

 

「100分de名著」は、月曜夜10時25分からと、水曜昼12時から再放送もやってます。1月7日分の再放送はもう終わってしまいましたが、見逃した方はNHKオンデマンドでもありますので、ご覧になってはいかがですか?

龍真咲さんの朗読がよかったですよ!!魅力的で。ほんとに。実際聞いた方がいいと思います。

 

 

この番組はテキストも売ってます。↓

 

鴻巣友季子さん翻訳本はこちら…↓