毎週月曜夜9時からフジテレビ系列で放送中の月9ドラマ『イチケイのカラス』。
4月19日に第3話が放送されました。
おもな登場人物
- 入間みちお:竹野内豊さん…東京地裁第3支部第1刑事部(イチケイ)の裁判官。職権発動で周りを振り回しつつも、傍聴マニアから人気がある。弁護士だった頃の裁判で、日高と因縁がある様子。
- 坂間千鶴:黒木華さん…東京地裁第3支部第1刑事部(イチケイ)に赴任してきた特例判事補。赤字続きのイチケイを立て直すためにやってきた。入間の時間をかけた裁判のやり方を改善して欲しいと思っている。
- 石倉文太:新田真剣佑さん…東京地裁第3支部第1刑事部(イチケイ)の書記官。元傍聴マニアで、みちおファン。一番いい席で裁判が見れる書記官を天職だと思っている。人との距離を縮めて壁をつくらないようにするのがポリシー。
- 浜谷澪:桜井ユキさん…東京地裁第3支部第1刑事部(イチケイ)の書記官。子持ちでみちおのせいで帰るのが遅くなることにイライラしながらも、慣れてしまっている。
- 一ノ瀬糸子:水谷果穂さん…東京地裁第3支部第1刑事部(イチケイ)の新人事務官。みちおを顔はいいのに残念だと思っている。
- 川添博司:中村梅雀さん…東京地裁第3支部第1刑事部(イチケイ)の主任書記官。
- 駒沢義男:小日向文世さん…東京地裁第3支部第1刑事部(イチケイ)の部長裁判官。12年前にある裁判で弁護士を辞めようとしていたみちおを裁判官にスカウトした。
- 日高亜紀:草刈民代さん…最高裁事務総局判事。坂間の司法修習生時代の教官で、イチケイの赤字状態を立て直すよう坂間に期待をかける。
- 城島怜治:升毅さん…主任検事。駒沢の同期でライバル。
- 井出伊織:山崎育三郎さん…城島の後輩検事。
第3話のあらすじ
坂間は、刑事から裁判官にとってエリートと言われる民事にキャリアを変えたいと希望を出していた。
そんな時、部長の駒沢が合議にしたいと言ってきた案件。
重過失致死及び死体損壊の罪で逮捕された藤代省吾(岡田義徳さん)は、ガラス工房で働く44歳。
被害者は市役所職員の野上哲司(成松修さん)45歳。被告人は口論の末被害者を殺し、遺体を燃やしたと供述している。
駒沢は入間に裁判長を務めて欲しいと言ったが、入間は、駒沢にとってこの案件に何かあるとにらんでいた。
が、公判前に先入観が合ってはいけないと、駒沢は公判が始まるまで何も言わなかった。
第1回公判が始まった。
被告人である藤代は、裁判官として現れた駒沢を見て驚いていた。
藤代は起訴事実を認め、弁護人検察共異論なし。
被告人藤代省吾はガラス工房に勤務。製品作りに加えガラス工芸を教える教室をしていた。
被害者の娘・野上碧(渡邉心結さん)がその教室に通い、藤代は被害者の妻で警察官の野上奈緒(佐津川愛美さん)に一方的に好意を抱き、前々から監視。人格非難に当たる差出人不明の手紙を何度も送っていた。
その事に気づいた被害者の野上哲司が事件当日工房で藤代と会い、口論からつかみ合いになった。
藤代はその場から逃げようと、工房にあった自転車で逃げようとしたところを被害者が止めようとして衝突。被害者は倒れ機械の角で頭を強く打ち死亡した。
藤代は遺体を隠すために燃やした。
ーーと検察が起訴内容を話し終えると、駒沢が裁判所からの話を話し始めた。
被告人藤代には前科があった。
18年前裁判長として藤代を裁いたのが駒沢だった。
当時バーテンダーだった藤代は、常連客が振り込め詐欺のリーダーだと知り、お金を奪おうと考えた。犯罪者から盗めば警察に届けることができないからだ。
そして大金を使い果たした後に死のうと考えていた。藤代は重い心臓疾患を抱えて自暴自棄になっていたから。
実際にお金を奪おうとしたところ、相手に見つかりナイフで刺されそうになってもみ合いに。気づいたときにはナイフが相手の胸に刺さって死んでいた。
一時逃亡をしたものの自首。生きて罪を償うためだった。
検察の求刑は強盗致死で無期懲役。しかし駒沢は相手の過剰防衛を認めたことに加えて藤代が自首したで情状酌量し、懲役4年の減刑判決を下した。
駒沢は質問したいと藤代を証言台に立たせ、何故前のように自首しなかったのか?罪が重くなると分かっていて何故遺体を燃やしたのか?と聞いた。
「私は野上奈緒さんを愛していた。旦那が邪魔だった。」と証言。
駒沢は前の罪のあと出所して社会復帰し、ガラス職人という職も得ていたのに、それを棒に振るほどの理由があったのか?と重ねて質問。
藤代は元犯罪者として生きることが辛さを訴え「人生はやり直せない。一度でも罪を犯せば。それが現実です。」と、駒沢には辛い言葉を言ったのだった。
公判が終わり、ひどく落ち込む駒沢に、坂間は検察官から聞いてきた話をする。
被害者の妻の野上奈緒は、若いころ未婚で娘の碧を産んだ。3年前に被害者の野上哲司と知り合い、碧も賛成して結婚。野上哲司は碧にとってやっとできたお父さんだった。
そのお父さんを藤代に殺されたのだと。
18年前の裁判で「人生をやり直したい。」と訴えていた藤代の姿が忘れられない駒沢は、そんな坂間が聞いてきた情報は耳に入らない。
提出された証拠品を徹底的に精査するよう坂間に指示。「被告人に肩入れしないように。」という坂間の言葉も耳に入らない。
入間も疑問を持ち証拠品を見直したところ、引っかかる点が出てきたと言った。
第2回公判が始まった。
入間は、藤代が事件に関係ある場所へ出向き実況見分を行った時のことを質問し始めた。
工房前で撮られた写真が2枚証拠品として提出されていて、1枚には水たまりがあり、もう一方には無かった。つまり2度にわたり実況見分をしたのか?と藤代にその理由を聞いた。
すると藤代は、犯行時刻をはっきりと覚えていなかったから。と答え、最初22時だと思っていたが、そうすると被害者の行動に矛盾ある。24時以降では?と警察に言われ思い出したと答えた。
被告人が犯行時刻を正確に覚えていないことはよくあることで、特に問題ないとされたが、駒沢は、警察官から言われて犯行時刻を24時以降とされたことを、警察の主観が入っていると問題視。
なぜ被害者の行動に矛盾が出てきたのかは、検察官も弁護人も把握していないと指摘。
入間は3度目の実況見分を提案、職権を発動し、裁判所主導で改めて捜査をすることになった。
実況見分に立ち会った笹原署の刑事・岡崎(水間ロンさん)に工房前まで来てもらい話を聞く。
藤代の供述では、20時に被害者から電話があり、22時に工房に来た被害者と口論して殺害した。ということだったが、付近の道路は19時から工事中で通行不可能。22時に工房に来ることができなかった。その矛盾を指摘したら、藤代は24時以降に被害者が来たと認めた。とのことだった。
しかし22時ごろに工房の廃熱用ファンが使われていたという目撃情報があった。
警察は被告の供述と状況証拠だけで24時以降の犯行としており、裏取りをしていなかった。
駒沢は次回公判までに証拠を提出するよう警察に指示していたところ、工房からガラスが割れる音がした。
中では被害者の娘・野上碧がガラスを割って暴れており、母親の奈緒が呼ばれた。
碧は、地元のお祭りでガラス製品を売っていた藤代と出会い、作り方に興味を持ち教室に通い始めたという。
入間は、奈緒に、事件について碧にも話を聞かせて欲しいとお願いしたが、信頼していた藤代に父を殺された碧の気持ちを察して欲しいと断られた。
第3回公判が始まった。
藤代は、碧が教室に通い始め職人にまでなりたいと言われて嬉しかったと証言。
「夢を見たんです。家族になれるんじゃないかって。警告した通り旦那と別れればよかったんだ。」と言った。
事件当日の22時。工房の焼却炉を使ったという供述にも不自然な点はない。
続いて駒沢は、警察にお願いしていた被害者の足取りについて検察に質問。不見当だと返された。
公判後、この『不見当』について駒沢は笹原署に抗議に向かい、入間と坂間も同行した。
警察は全ての証拠を出さなくてもいいと突っぱねてきたが、駒沢はそんな駆け引きのなどくそ食らえだと一喝。
真犯人を逃してはいけない。冤罪を生んではいけないと言った。
駒沢のこの抗議と入間のある行動が笹原署の刑事の心を動かし、ある証言を得ることになるーーー。
被害者の行動の矛盾はなぜ起きたのか?
被告人の過去を調べることで、隠していた真実が明らかになっていくーーー。
…というお話でした。
警察の保身
前回の第2話は裁判官が自分が下した判決が間違っていたと認めたくないという保身が暴かれた回でしたが、今回は警察が保身のために証拠を隠す。ということを描いてました。
事件って、裁判ってそんな風に操られてるの?
不利な証拠だったら出さないとかあるの?
警察が描いたとおりに事が運ぶように証拠を出して、裁判を進める。
そして被告もそれを受け入れていたら、本当にそのまま進んでしまう。
このドラマ、毎回見てて怖くなります。
もし駒沢がしつこく追及しなかったら、このまま事件の真相がわからぬまま終わってい待ってたかもしれない。
しかもそうやって駆け引きするのが常識とまで言ってましたよね。
実際にもそんな事件が本当にあるのかもしれないな。と怖くなりました。
事件の真相が切なかった
裁判所や警察の駆け引きとかは置いといて、今回の事件の真相は切なかったです。
うまくいってると見えた親子でも、実情は違っていた。
家庭内で起こってることはなかなか表に出てこないですからねー。
いい人だと思ってても、家庭では違う顔を持ってるかもしれない。
家庭内でのいざこざはどこでもあることだけど、残念な事件でしたね…。
こんなこと明らかにしてもよかったのかな?
いや、明らかにしないと冤罪につながる。
うーん。これでよかった!と心から思えないけど、冤罪はダメですもんね。
うん、やっぱりどの嘘も見逃してはいけない。
考えさせられる事件でした。
坂間が変わっていってる
赤字のイチケイを立て直すために赴任してきた坂間。
今回は事件を起こしたと言ってる被告自身の言葉まで疑って真実を知ろうとする駒沢の姿勢に心打たれ、まだしばらく刑事裁判官を続けると決めていました。
入間だけじゃなく、駒沢にも影響を受け始めてますね!坂間さん。
でも、被告が冤罪をかぶってるかもしれないという事件だけを追及するのではなく、被告人がやってると言ってても疑う。
そんな裁判官いるのかな?ファンタジーのように思えてしまう。
最後は一番否定していた坂間さんが正義を貫くようになっていってたりして。
期待してた日高さんを失望させてしまいますね!
以上、『イチケイのカラス』第3話を見た感想でした。