NHK総合で放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』。11月8日に第31回が放送されました。
第30回の感想はこちら。↓
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おもな登場人物
<<明智家>>
越前
<その他>
美濃
- 藤田伝吾:徳重聡さん…明智家の家臣だった。十兵衛らが越前に逃れる前、美濃に留まるという牧を説得。明智の里を守ってくれていた。
- 稲葉良通(一鉄):村田雄浩さん…美濃三人衆の一人。高政の死後息子の龍興に見切りをつけ、信長に従っている。
尾張
<<織田家>>
大和
- 松永久秀:吉田鋼太郎さん…三好長慶の元家臣。堺の辻屋で十兵衛と会い、一緒に酒を飲む。商人には凄んだ物言いをするが、十兵衛には穏やかに話をしてくれた。十兵衛が鉄砲を手に入れられるよう計らった。伊平次を探しに来た十兵衛と三淵を通じて再会。三好長慶を襲撃する計画を知った十兵衛、藤孝、藤英に主君ともども救われる。十兵衛に救われたお礼の手紙を利政に送っていた。 現在は京で将軍よりも力を持っている。義景の使いで上洛した十兵衛と再会し、道三が信長に目をかけていたことを聞かされる。直接信長と会ってつかみきれない人柄に引かれていく。京を治めていた三好長慶に大和を任されていた。息子と三好義継が義輝を討つのを止められなかった。覚慶が大和から脱出する手助けをする。三好の息子らと大和でぶつかったことが認められ、信長に受け入れられた。
- 筒井順慶:駿河太郎さん…大和土着の豪族。元興福寺の衆徒。松永久秀と対立。
京
<<朝廷>>
- 正親町天皇:坂東玉三郎さん…第106代天皇。
- 近衛前久:本郷奏多さん…関白。近衛家で一緒に暮らしたことのある伊呂波大夫と仲が良い。義栄を将軍に推挙したことで追われる身に。十兵衛に幕府が本来の役目である帝を守ることもせず私利私欲に走ってると苦言を呈する。
- 二条晴良:小藪千豊さん…二条家の当主。
<<足利将軍家>>
- 足利義昭(覚慶):滝藤賢一さん…室町幕府最後の将軍となる。興福寺の僧で、時々町に出ては民衆に食べ物を配って声をかけている。町の人気者。兄の将軍・義輝が三好一派に討たれ、命を狙われる立場になり、藤孝らに連れられて大和から逃れる。甲賀に身を置いたのち、越前敦賀で朝倉義景に半年待ち、一乗谷で朝倉の義景を烏帽子親に元服。美濃に移動し信長と一緒に上洛。15代将軍となる。信長に絶大な信頼を置いていたが、少しずつ関係にほころびが見え始めている。
-
三淵藤英:谷原章介さん…将軍奉公衆。義輝亡き後覚慶を次期将軍として推し、一緒に甲賀へ逃れる。その後義還俗した義昭と共に敦賀へ。一乗谷で義景を烏帽子親とし義昭を元服させ、信長と上洛を果たすため美濃に入る。義昭と一緒に上洛。幕府側の人間として織田に意見を出す。
-
細川藤孝:眞島秀和さん…将軍奉公衆。三淵藤英の弟。義輝亡き後、次期将軍として覚慶を支え甲賀に逃れる。その後還俗した覚慶こと義昭と共に敦賀へ。三淵と共に義昭を護り、美濃に入る。義昭と共に上洛し、幕臣として十兵衛と一緒に働く。
- 一色藤長:上杉柊平さん…義輝のお側衆だったが、藤孝と一緒に次の将軍と見据えられた義昭の警護にあたる。義昭と一緒の上洛し、幕臣として働く。
- 細川藤賢:島英臣さん…十兵衛と義昭の警護に当たる。
- 摂津晴門:片岡鶴太郎さん…義輝の代から幕府の政所頭人を務め、義昭のもとでも引き続き働く。みんなの前で恥をかかせた信長に何やら企んでいる様子。
近江
- 浅井長政:金井浩人さん…北近江の戦国大名。信長の義弟。二条城の普請にも協力した。
- 市:井本彩花さん…信長の妹。浅井長政に嫁ぐ。
堺
- 今井宗久:陣内孝則さん…堺の商人。駒の要求に応じ、信長に武装せずに上洛する事を条件を出し、三好から手を引いた。
三河
<<徳川家>>
- 徳川家康(竹千代):風間俊介さん…のちに徳川幕府を開く。幼少期(岩田琉聖くん)。竹千代。人質として尾張の熱田に幽閉されていた。自分を生んですぐ母・於大の方を離縁して刈屋に戻した父・広忠のことを嫌っていた。信長に自ら駿河へ人質に行くと申し出て、信長の兄・信広と人質交換された。桶狭間の戦いでは今川軍に従軍していたが、今川軍の扱いに憤慨。動かなかった。
第31回のあらすじ
永禄13年(1570年)4月。
織田信長は、三河の徳川家康、摂津の池田勝正、大和の松永久秀など諸国の兵を従え、越前を目指した。
琵琶湖の西岸を北上し、若狭の国佐柿の国吉城に入った。
国吉城では続々と若狭の国衆が参陣。木下藤吉郎は参陣してくれた人たちのもてなしに追われる。
松永久秀は、信長の名前が若狭まで届き、近隣の国衆、地侍が続々と参陣する様子を見て、改めて信長の力を思い知り、自分の見る目が間違ってなかったと実感した。
皆が揃ったところで信長が現れ「これより越前に向かう。朝倉を討つ!」と宣言した。
京の幕府では、摂津と三淵と細川藤孝が、若狭での信長の戦況を気にしていた。
名目にしていた若狭の武藤が本来の目的ではなく、最初から越前の朝倉だろうと読んでいた。
手筒山は織田の3万の兵に負けるだろうが、背後の金ヶ崎の城主は義景のいとこの朝倉景恒。一乗谷から援軍がくればどうなるか。と楽しんでいた。
信長は、若狭からさらに東の越前敦賀に進軍。
朝倉は防戦したが、わずか2日で手筒山城と金ヶ崎城を捨て、信長は敦賀郡全域を占領した。
敦賀金ヶ崎城に入った織田方の武将たち。
久秀、柴田、徳川それに十兵衛も、織田方の勝利を藤吉郎が用意した酒を飲んで酔いしれる。
信長は、背後にある近江を、市の嫁ぎ先・小谷城の浅井長政に守らせて、一気に一乗谷の朝倉義景を討つ策を立てていた。
十兵衛は、宴を抜けて一人でいた家康と二人になり、かつて人質として尾張にいた家康と会い、母がいる刈屋に連れて行って欲しいと頼まれた時の思い出話をした。
十兵衛は幼かった家康に「今は辛くとも、日がかわり月がかわれば、人の心も変わります。いずれ母上にも会える日が来ます。無理をせず、待つことです。」と言って諭していた。
家康は十兵衛の言葉で耐え忍び、待つという意味を知ったという。
そして今家康は、武士が何のために戦うのか?という意味を考え、戦のない世を作るために戦うと考えていることを明かす。
そこへ松永久秀が入ってきて「手筒山では朝倉方と激しくやり合ったのに、金ヶ崎では自ら明け渡すように城を捨てたことを妙に思い、気持ちが落ち着かない。」という。
一方、越前の朝倉館では、義景が山崎に「近江の浅井はまだ動かないのか?」と聞いていた。
山崎は織田勢の背後を守る役だから、動かないのでは?と返すと、義景は「今は信長に寄っている長政だが、父の久政が健在。朝倉と浅井はもともと強い絆で結ばれた仲。」と言い、長政が朝倉方につくことを期待していた。
近江の浅井長政は妻の市に「兄の信長殿に槍を向けるのはこの長政の本意ではない。」
「そなたの輿入れの際、信長殿は申された。我が浅井と長年よしみを通じてきた越前朝倉には手は出さぬと。しかしこたびの越前攻め。万が一朝倉殿が討ち果たされることになれば、次はこの近江…。」と伝えていた。
実際、弟を殺したこともある信長を信じることは出来ず、出陣していった。
金ヶ崎城で軍議を開いていた織田方の武将たち。
そこへ左馬助が駆けつけ、急ぎの文を十兵衛に渡す。
十兵衛は軍議中の信長を別室に呼び、浅井長政が小谷城を出たと知らせた。
信長はすぐに自分に向けて出陣したと察したが、間違いでは?と疑う。
しかし間違いはなく、長政は敦賀に向かっていた。
十兵衛は、峠を越え一気に朝倉を潰すか。ここに陣を構え浅井を迎え撃つか。いずれも戦になれば背後をつかれるのは必定。
さらに南北を朝倉と浅井で挟み撃ちにあえば、織田勢が大軍と言えども勝ち目はないことを伝え、命も危ないと言った。
信長は、逃げよという十兵衛に怒りを隠さない。
帝に勅命をいただいたことを上げ「逃げることは出来ぬ!ただちに一乗谷に攻め込む。」と言う。
立ち上がる信長を身を挺して止める十兵衛。
「帝がそのように仰せになられたということは、信長様のお命、もはや信長様のお一人のものではございませぬ。天下静謐という大任を果たされるまで、何としても生きて頂かなければなりませぬ。織田信長は死んではならぬのです!」
と信長を説得した。
信長は一人で考えたいと言い、部屋に一人残った。
そして一通り大声でうなり声を上げたあと、軍議の席に戻って来た。
信長は、浅井長政が兵を挙げ、挟み撃ちされるかもしれないと皆に伝えた。そして退き戦を明智に任せ、「わしは逃げる。」と言った。
十兵衛は「ご一同。迷うてる暇はありませぬぞ。信長様には急ぎお立ち退き頂く。続いて本軍。采配は柴田殿に。私はこの金ヶ崎に残り、時を稼ぎあとを追います。おのおのお支度を!」と指示した。
それぞれが準備に追われる中、藤吉郎が十兵衛を呼び止め「この藤吉郎に殿をお申し付け下されたく!」と申し出る。
貧乏百姓時代の辛い話を持ち出し、さらに信長の家臣となってからも他の家臣から武将と認めてもらえてない現状を話す。
十兵衛は、「死んで名が残るなら、藤吉郎本望でござる!」と言う藤吉郎だった。
信長は浅井領を避け、若狭街道を退却。
十兵衛と藤吉郎は本隊の最後尾に陣取り、追撃してくる浅井軍を必死に打ち払った。
京・二条城では、摂津が織田方が、浅井が挙兵したと聞いてすぐに越前から撤退。京に着いたときはわずか10騎ばかりだったと、摂津が笑いながら伝えていた。
義昭は信長が負けたと聞いて、複雑な表情を浮かべる。
信長の分をわきまえない振舞いを許さず、信長一人に重きを置くわけにはいかないと義昭に念を押す摂津。さらに朝倉に感状を出すよう進言。
義昭は「よきにはからえ。」とだけ摂津に伝えた。
義昭は駒が待つ部屋に行き、越前の戦が信長の負けで終わったことを話す。
「天下の儀、上意を得るに及ばず。」という信長の言葉。
将軍の許しを得なくても何事も信長の裁量一つということを認めよ。という信長からの覚書に書いてあった。
義昭はその言葉で、まことの将軍になっていないと実感したという。
そしてその覚書に判を押したが従うつもりはない。と駒に話し、御所の塀や屋根を直すことより、貧しい者、病の者を救う方が先。将軍になったら戦をなくす。と駒に話す義昭。
「そのためには、諸国の大名がこぞって将軍、幕府を敬い、支える世でなければならぬ。わしは、兄上の轍は踏まぬ。」と決意するのだった。
妙覚寺に帰還した十兵衛。
ボロボロになった藤吉郎が先に着いていて、歓迎してくれた。
二人は無事を喜び合う。
しかし藤吉郎は「お前ごときに殿が務まるわけがない。」と、誰も殿を務めたことを信じてくれないと泣きながら嘆いた。
怒りに震えた十兵衛は、酒盛りをしていた柴田ら重臣たちの席に乗り込んだ。
「木下殿は立派に殿を務められた。敵を欺くため二手に分かれ、京に入る折には別々となったが、戦場での働き、実に見事であった!誰のおかげでその酒が飲めるとお思いか!」
と怒鳴り散らした。
そして寝所に一人こもっている信長に会い、落ち込む信長に麒麟がくる話をした。
十兵衛の言葉に、元気になってきた信長だった。
…というお話でした。
多方面から見る戦
第31回の話は信長の敗戦の話でしたが、好調に戦を進めていって浅井の戦を知らされて最初は信じていなかったが徐々に事態を把握。
十兵衛に話を受け入れて撤退を決断した信長。
一方で一条谷の朝倉義景は、浅井との関係を信じて武装せず、穏やかに過ごす。
浅井は、朝倉を攻めないという約束を破られて、出陣する。
幕府は遠くから戦況をニヤニヤと見守る。
それぞれの立場で描かれていて、とても面白かったです!!
色んな目線で見る戦が見れて、信長って順調に勝っていったんじゃないんだと分かって新鮮でした。
浅井の葛藤
浅井長政も、簡単に信長を裏切ったわけじゃなかった。
朝倉を攻めないと言ってたのに、先に信長が裏切っていた。
長年築かれてきた家の同士の付き合いもあって、妻の兄と言えども戦うしかなかった。
信長からしたら、勅命なんだからこっちに従うべきだろうという言い分なんでしょうけど、浅井からしたら前に約束したこと、長年の付き合いの方が大事だった。
信長より、浅井に感情移入してしまいました。
浅井は織田と違って、身内が仲がよかったと聞いています。
浅井家は、家臣とも一緒に食事をするような仲良し家族。
新しく出来た親戚より、お父さんや長年の付き合いのある朝倉を選んだ浅井長政。
この長年の付き合いとか、今を見てる信長には分からん感覚なんだろうなぁ…。
藤吉郎の必死さ
せっかく信長に認められて侍になったのに、信長の他の家臣からは武将と認められない藤吉郎。
軍議にさえ参加していません。
金ヶ崎の撤退戦をチャンスと見て、十兵衛に殿を志願している姿には心打たれました。
信長に直接志願できるほどの身分では、この時点ではなかったんですね…。
十兵衛が藤吉郎をバカにする柴田たちにガツンと言ってくれて、スカッとしました!
これまでの藤吉郎は、物事を深読みしてて油断ならん人物のように映ってました。けど、今回の藤吉郎は、味方してあげたい!と思わせるものがありました。
これが藤吉郎流の人の心に入り込む作戦なんだとしたら、見事だと思います。
十兵衛も、手ごわいライバルをここで助けてしまいましたね!
戦を続ける覚悟
殿を務める中、十兵衛は左馬助に戦への思いを語っていました。
「高い志があったとしても、このうつつの世を動かす力が伴わねば、世は変えられぬ。戦のない世を作るために、今は戦をせねばならぬ時なのだと。」
十兵衛が強くなっていく瞬間だと思いました。
覚悟を決めてやっていく姿勢が見えました。
左馬助も一緒に覚悟を決めていて、この明智家の団結がまた強くしていくんだろうなと予感させるシーンでした。
カッコよかったです。
義昭が変化
これまで純粋にあまり人を疑うことなかった義昭。
信長が敗戦したと聞いて、ガラッと人が変わっていました。
朝廷を敬えとか、まずは幕府を敬えと思うような人物に変わってて、話し方も目つきも強い感じに変わって、ゾクッとしました。
駒ちゃんも義昭側につきそうな感じ!
これまでなんだかんだ言って十兵衛の話を聞いてくれてましたけど、駒ちゃんは義昭に味方して、十兵衛と敵対しそうです。
もう信長には従わないみたいだし、摂津たちと一緒に信長に反抗していくつもりなんでしょう!
将軍という職に就いて、土地やらお金も集まって味をしめたんでしょうか?
覚慶の時は、こんないい人が信長と敵対するなんて、何があってそんなことになるのか?と思ってました。
御所の塀とか屋根を気に入らないって、自分だって城を作ってもらったくせに、それを当然と思ってる傲慢さに腹が立ちました。
戦をなくすってどうやって?
イライラしました。
生きて帰った信長
浅井の裏切りをいち早く知り、信長を生きて京の帰還させた織田勢。
負けと思ってないと十兵衛が言ってて、最初は負け惜しみ?と思いました。
けど十兵衛は、3万の兵がほぼ無傷で帰ってこれた織田の結束の強さの方を高く評価。
確かに、松永久秀とか、池田とか、徳川とか、ずっと織田に従ってきた武将以外の人もみんな一致団結してたのは本当にスゴイです!
それだけ、信長に魅力があったってことでしょうか?
見応えのある回でした。
「信長は生きて帰った。次がある。」
期待させられる言葉です!!
信長が言って欲しい言葉を、十兵衛が言ってるんだと思います。
まだ幕臣の十兵衛。
将軍の様子もおかしくなってきたし、そろそろ幕府からは離れるのかな??
これからまた面白くなりそうです!!
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本ページの情報は2020年11月時点のものです。
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以上、『麒麟がくる』第31回を観た感想でした。
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